龍が如く8 ネタバレ感想

約90時間でクリア。
サブシナリオはクリア後の以外は全部やってるはずなので、ここで感想をまとめておこう。

・ゲーム性

ゲームとしてはかなり面白かった。
RPG戦闘のストレスは前作よりだいぶ減ってたし、色んな要素がちゃんとキャラの成長に繋がってるので各システムへのモチベがちゃんと保てた。

一番効率良さそうなダンジョンが単調でゲーム性低かったのは少し残念。
デリヘルのおかげでだいぶ楽だったけど、素材集め完全に作業だったなー。
スジモンとマッチングもイマイチだったけど、それ以外はだいたい楽しかったと思う。

デリヘルと極み系の演出は面白かったのでもっと色々やってほしかった。
一輝&ユウヤが一番好きかなー。
狭山とか秋山とかマスターはもっと凝ってほしかった。

・シナリオ

メインシナリオは悪くはなかったけど良くもなかった、というのが正直な感想。
風呂敷の広げ方は流石の面白さだったけど、たたみ方にはテンションがついていかなかった。細かくはキャラの方で語る。

桐生ちゃんのエンディングノート系はめっちゃ良かった。
内容的にはファンディスクみたいなノリだったけど、まあファンなわけなので思惑通り刺さりまくった。
桐生ちゃんの物語がホントに今回終わるんだという感覚が悲しくて悲しくて…。クエスト導入時のSE聞くだけで毎回ウルっとしてしまっていたレベル。
むりやり旧交を深める流れはどれも良かったけど、長洲タクシーの中嶋社長の話が一番好きだったかも。知らんぷりするムーブが男気感じてホントに好きだった。
狭山との話が薄味だったのは残念だったけど、まあ仕方ないか…。
琉道一家とか品田とか、もっと色んなキャラで見たかったなー。大道寺のガバさがホントに極まっていくけど。

毎章の引きが上手くて、早く次を次をとモチベがずっと保てたのも良かった。長いRPGなのにちゃんとストーリードリブンな作りになってたのは見事。FF16では難しいと感じたのに。

クエスト系のシナリオは平均点高かったけど尖ったものは感じなかったかなー。
日本組とハワイ組で別れちゃったから、トークの組み合わせも偏っちゃったのが残念。
もっといろんな組み合わせの会話が見たかった。

・キャラ

既存キャラはみんな好きなので、キャラ同士のやり取りが豊富なのが良かった。ビンゴも楽しかったしトークも良かった。パーティチャットが現地に行かないと見つからないのは勿体なかったかなー。

・春日
ハワイの明るい空気と春日の雰囲気がピッタリ過ぎてて、この組み合わせを見つけた人は天才だと思う。
とにかくホントに真っ直ぐでいいヤツで、RPGの主人公らしく勇者である様は7以上にうまく描かれてると感じた。仲間との頼り頼られがホントにいいんだよね。
頭が良すぎるので、セリフから製作者の意図を感じてしまいやすいのは玉に瑕。
エイちゃんに対する態度は優しすぎやろと思ったけど「一緒にいて本当に楽しかったから」という理由は春日らしくて大変よろしい。
春日個人の物語は7でほぼ決着しちゃってるし、その辺は薄味でしたね。サッちゃんとのアレコレは見ていて面白かったけど、最後に「好きだと言えばOKという正解に気づいてるから」と自信満々だったのは結構違和感。まあホントに正解だったからいいんだけどさ。

・トミザワ
脱力系で情けなくて最初はあんまり好きになれなかったけど、緩い感じがだんだんクセになってきて最終的にはかなり好きなキャラになった。
春日の相棒ポジとして変に話の邪魔をせず関わってきてくれたのは良かったけど、中盤以降は見せ場がほとんどなかったのが残念。

・千歳
空気感は結構好きなキャラなんだけど…
エイちゃんに脅されてた材料が「身バレ」というやや小規模なもので、それで花輪(とウォン・トー)の死を招いてしまったというヘイトを自分の中では昇華しきれなかった。
まあ立場のある人なので、小規模というのも違うのかもしれないけど…
あと最後に覚悟を見せるシーンでも、最終的に実家にケツを拭かせるというのもモヤったポイント。実家での説得にすったもんだあったのかもしれないけど、最後は責任を取る名目で会長になってるし。別に話の流れとしてはわかるんだけど、物語としてのカタルシスみたいなものは感じられなかった。
背景が巨大すぎたので持て余してしまった印象のキャラ。

・山井
ダントツで好きな新キャラ。
最初はわかりやすく無茶なことやってくる敵キャラで、何度も戦う内に目的を同じくして仲間になり、最後は捨て身の献身で主人公を助けてくれる…って、これも思いっきり記号的だとは思うんだけど、そこは違和感なく受け入れられた。
行動原理がわかりやすくて共感しやすいので、ちゃんと人間っぽく感じられるんだろうな。ツンデレは終わらないコンテンツ。
ずっと寒そうにしてる謎さも、その理由と最後の治り方も全部良かった。
好きなだけに退場の仕方はもっと派手であってほしくもあったけど、あのしんみり感もそれはそれで良かったと思う。
桐生ちゃんを割とマジでリスペクトしてて、その経緯が恋愛がらみで親父殺しをしてるのに筋を通した男と逃げた男という対比的なところもいいし、「よくわからんけど周りの奴らが狙ってるから自分もラニを狙う」っていう妙にバカっぽいところも好き。
最後ちょっとデレ過ぎ感はあったけどまあヨシ。
「らしくねえことをしちまうのが人間ってモンらしい」は今作一番好きなセリフ。

・エイちゃん
元記者でヤクザに理不尽を押し付けられたことでヤクザをめちゃ恨んでいるということはわかるんだけど、どうもそこに感情が乗り切らず共感まで至れなかった。
状況的な理由はわかるけど感情的な理由がわからなかった、みたいな。たぶん昔のエイちゃんは正義感でヤクザを追ってたと思うんだけど、その行動動機の根源みたいなものが描かれなかったので「闇落ちした正義のジャーナリスト」という記号的なキャラクターから抜け出せなかったなー。
突然の裏切りからのキャラ豹変も突っ走りすぎていて、人間性を感じられなかった。落ちぶれる過程の描写が少なかったのも、間を脳内補完するだけの材料を私は拾えなかったのできつかった。
と酷評っぽく書いたけど、物語の役割的にはかなり好きなキャラ。いい意味で予想を裏切られたし、一体どう決着をつけるのかとワクワクできた。最後の春日との決着も、絶望の中に希望が見出だせる展開で泣けた。
せめてあと半章分くらい、内面を知れる描写ややりとりがアレば大好きになれた気がする。事情を知った流れがほぼ伝聞だったのも良くなかったかも。

・海老名
エイちゃんと同じく、だいぶ描写不足に思えた。
基本的にずっと遠くから物語にちょっかいを出して来ていただけで、本心が垣間見えたのはラストだけだったんだけど、その告白も今ひとつ響かなかった。これもエイちゃんと同じく「ヤクザに復讐する」という状況的理由はよーくわかるんだけど、その行動の根源に唯一性を感じるまでには至らなかったので、印象が薄み。この辺は7の若がめちゃくちゃ丁寧だった(春日の話としても描けたから)ので、比べると魅力不足を感じてしまったなあ。君の苦労をもっと知りたかったよ。
何故戦うのかも、今ひとつ腑に落ちないままだった印象。本人も破綻してるとは気づいてたみたいだけど、ちょっと言い訳がましく聞こえちゃった。
最後桐生ちゃんから床ドンされて涙を受けながら、海老名は何を想っていたのだろう……(わからん
沢城を殺さず活かしていたあたり、大吾や荒川の親っさんや沢城が目指していた道を完全に否定はできなかったのかとは思う。
どうでもいいけど、ネットの感想を少し見た感じソンヒが言ってた「沢城がしぶとかっただけかも」を本気でとってる人がいるという意見があった。流石にそんなことはないやろと思う。

春日の異母兄弟設定が荒川への恨みくらいにしかかかってなかったので、もうちょっと何かあってほしかった。最後に春日とのやり取りも見たかったなー。

・ブライス
ひたすら声が良かったおじさん。
ハワイを牛耳るに収まらない巨悪だと思ってたけど、世界各国の政府と繋がっているというだけだったので、小物感は拭えなかった。
(海老名も)各国の弱みを握れるって言ってたけど、そんなところに誰も弱み預けないでしょ…とは思ってしまった。まあそこはなんか個人レベルの密約とかで上手くやるんですかね。
不老みたいな設定は何だったんだろう?

最終的な武器が重火器なのは、シンプルに立場や振る舞いと対比してる感じで良かった。浄火って言いながら手榴弾投げてくるのはめっちゃ好き。

・桐生ちゃん
上の方でも書いたけど、桐生一馬の最後の物語だと思いながらプレイするのが(いい意味で)めっちゃ辛かった。感情が揺さぶられまくった。
伊達さんがあまりにもおせっかいだったけど、伊達さんが動いてくれてよかったとも思う。
伊達さんがボコられて契約違反だって怒られたのに桐生ちゃんが逆ギレしてたのは勝手すぎるだろと思ったけど、まあいつもの桐生ちゃんだしな…。なんとなく雰囲気でゴリ押しで解決。
契約違反するとアサガオが襲われる話どこいった? まあ好き勝手させてた大道寺も悪いか。

エンディングドラマでは遥に会わないことにしたのは、その後の展開で桐生ちゃんが生きる意志を持つようにしたかったからなのかな。
正直桐生ちゃんは今回で死ぬと思ってたけど、生き残らせてくれたのは良かったと思う。最後まで戦うことで周りに勇気を〜って伊達さんが言ってたことに納得させられた。
最後ガリガリになった姿を見て悲しくなっちゃったけど、なんとか頑張って生きてほしい。
まあもうこうなっちゃえば、誰かに担ぎ出されたり襲われたり挑発されたりすることもないでしょ。山井くんキミのことだぞ。

・サッちゃん
キャラもともと好きだし今回も好きだったけど、(特に春日絡みの)メインシナリオでは舞台装置感が強かったのが少し残念。
一年無反応は我慢強いというか意地っ張りすぎる。

・ナンバ
日和りキャラだったはずだけど、今回は妙に強気だった。まあ日和ってたのはまだ弟のこと隠してた時期の印象なのかな。
桐生ちゃんにエンディングノート作りを勧めてくれてありがとう。

・その他いつメン
一人ひとり書こうと思って書き始めたけど多かったので省略。
みんな基本的にキャラは良かったと思う。ソンヒはちょっとあざとかったけど、ギャグ的には丁度いいのかも。
メインシナリオへの関わり方は似たりよったりかな。

・沢城のカシラ
7ではとにかく若のために生きてて、荒川の親っさんへの忠義もあるにはあるけどそこまでの強火ではなかった印象。なので今回荒川の意思を継ぐのが最優先事項になってるのは違和感あった。
まあ自分が読み取りきれなかっただけなんだけど。若はもういないしね…。
もともと全てを失って服役してた悲壮感が好きだったので、ちょっと残念。
まあ解釈違いはともかくとして、男気ある動機で動いていたのは良かった

・荒川の親っさん
ちゃんと避妊しよ?
…と思っちゃうのはまあ、現代の価値観なのかもしれないし、確実ではないのもわかるし、事情があったのかもしれないし、そんな理屈をシナリオ中で書かれても困惑するから仕方ないんだけども。二人も望んでない子供できちゃってるのがね。
男気ある人なのにどうも格だけ下がってしまった感じがある。

・花輪
7外伝でかなり好きになったキャラだったので、雑に殺されてしまって残念。半分ナレ死じゃんとすら思う。
囚われの桐生ちゃんにとっての親友みたいに見ちゃってたからなー。
撃たれたところが急所じゃなかったように見えたし、死亡確認もトミーだった(気がする)ので、終盤まで生存説を捨てきれなかった。

・茜さん&ラニ
重要人物だったんだけど、ほぼマクガフィンに近い存在だった。
もうちょっと役割与えてほしかった気もするけど、まあ話がうるさくなるから仕方ないのかも。

・一般人の皆さん
今回は「正義棒」がテーマの一つだと感じたけど、いつも以上に都合のいい存在になっていた印象。いつものことといえば、まあそうなんだけど。

総評

やや酷評気味に書いちゃった気がするけど、全体的にはすごく楽しいゲームだった。ほぼノンストップで2週間遊び続けるくらいにはハマれた。
如く7がめっちゃ好きだったから、後出しの辛さがどうしても気になっちゃった感じかなーと。
でも続編だからこそキャラの話の続きが見られたのは良かったし、さらなる先も見てみたいと思えたので良し悪し。

悪役の掘り下げを違和感なくするには、主人公たちとちゃんと絡ませなきゃいけないから難しいよなー。
7は春日と足立さんを中心に、主人公側の話をしながら敵の話ができたもんね。続きモノの辛いところを如実に感じた作品だった。
そう考えると、ロストジャッジメントは上手く作ってたなあ。

いろいろ言ったけど、如くシリーズ最新作にふさわしい出来だったと思います。

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