FF16 ネタバレ感想

FF16をクリアしたので感想を残しておきます。
思いついたまま書きなぐるだけなので乱文です。
ネタバレありで書くのでご注意ください。



↓↓以下ネタバレあり感想↓↓





●ベアラーの設定
正直「ベアラーが人々から虐げられている」という人々の認識に最後までついていけなかった。
もちろんそういう世界だという設定なのは理解しているけど、
・ベアラーだというだけで自分の子供ですらゴミのような目で見る
・自分の所持するベアラーを道具とすら見ておらず、ただいたずらに責め続ける
・指導者がベアラーだと判明するだけで信用が地に落ちる
みたいな描写がされるたびに「そうはならんやろ!」となってしまった。

クライヴたちをはじめ、人によっては「ベアラー可哀想」という認識を持ってるので、こいつら本当に同じ種なのかと疑ってしまう。
そういういわゆる「いい人」がいない方が納得はできたんだろうと思う。
とはいえ、それはそれで嫌~な話になるのでわりとどうにもならない。

●マザークリスタルがエーテルを吸って黒の一帯が広がってる話
みんなもっと早く気付けよ!と思ってしまった
でも、それがアルテマのマッチポンプだったという展開は結構好きだった。

●バトル演出
めちゃくちゃ作り込まれていて、現代のゲームはすげえなと思わされた。
中盤あたりの演出が凝りすぎていて若干冗長に感じてしまったけど、ラストあたりはちょうどよかったと思う。ただQTEを始めとしたシネマティックアクション(だっけ?)は「やらされてる感」が強かったので、もうちょっと自分で操作してる感は欲しかった。

●バトル
要所のバトルは面白かった。
上記のとおり演出も凝っていたし、通常操作のときでも何が正しい対応なのか、わかったりわからなかったりしていたので自分に合った難易度だったと思う。プレシジョンドッジが楽しくて、ゼルダBotWのラッシュのような楽しさがあった。ただ敵が硬いので、爽快感ではちょっと負けるかな。

ただ、全体的にはかなりワンパターンだと感じた。
最初は上記のような楽しさが前面に出ていたけど、似たような敵とずっと似たようなバトルを続けるうちに割りと早い段階から飽きが出てしまった。
まあこれは自分のプレイングが良くなかった点もあるかも。

あと、仲間の強さがわらかなかったのも勿体なかったかなあ。ジョシュアやジルの強さというか、一緒に戦ってくれることのありがたみをもっと感じたかった。

●音楽
全体的には、かなり良かったと思う。
いい感じに過去曲をオマージュしているものが多く、使い方も違和感はなかった。
ラストバトル戦なんかは、ラストにふさわしい盛り上げにちゃんと一役買っていたと思う。

ただ個人的に「FFのいい曲」というのはハードルがめちゃくちゃ高いので、それを超えてはこなかったかなーという印象。

以下、曲の小ネタ。
ボス曲のメイン旋律っぽい部分、ゼルダの「シドのテーマ」に妙に似ていて気になる。
終盤のボス曲、FF1の「メインテーマ」のアレンジ自体は良かったけど、選曲はナゾ。原点に繋がる的なことなのかな。
中島みゆきの「旅人のうた」のフレーズにめっちゃ似た曲があった。どこの曲だかは忘れたけど…中盤以降のボス曲だった気がする。

●成長システム
FF16で一番好きじゃなかった点はこれかも。
RPGの楽しさの一つはキャラの成長だと思うんだけど、FF16はほとんど成長を感じられなかった。
新しいアビリティを手に入れてもバトル中に使うものは取捨選択しなきゃいけないし、結局使い慣れたものを優先してしまう(一応頑張って試しはしたけど)。
アビリティを強化しても、正直本当に強くなったのかよくわからない。
装備を強化してもあまり実感がわかない。
レベルが上がってもステータス上昇による変化が実感できない。

集めた素材の使い道が少ないのもよくなかった。
いいゲームだと素材が足りなくて「うおお、この素材足りねえ!集めなきゃ!」とか「この素材探してたんだ!嬉しい!」とかなるものなんだけど、FF16は終始なんとなく素材が集まって、なんとなく消費していただけだった。
ちょっと前にティアキンをやっていたので、より顕著に感じてしまったのかもしれない。ティアキンは素材集めるのめっちゃ楽しかったからなー。
何が違うのかというと「素材を集めて作るもので、できることがどう変わるか」ということだと思う。ティアキンは、どんどんできることが増えたり強くなったりして楽しかった。FF16は、あんまりそれが感じられなかった。

●キャラクター
・クライヴ
暗すぎる感じはしたけど、かなり好き。常に一人で背負い込むタイプでそれが周りの迷惑になってるんだけど、本人が自覚はしていて、それでもやめられないみたいな不器用さが共感しやすいのかな。
基本的には底抜けに善人で、困っている人の頼みをすぐ「いいだろう」って聞いちゃうところも好き。まあRPGの主人公はだいたいそうなんだけど、クライヴは陰気な空気との対比でよく見えるのかもしれない。桐生ちゃんに近いのか……?

・ジョシュア
いいヤツなので好き。なんの他意もなくキザな振る舞いをしてるのがいい。
人生が辛すぎるんだよなあ。幸せになってほしいけど…。
最後は生き残ったってことでいいのだろうか。生き残ってクライヴのことを想って、ジョシュア自身があの本を書いたのだと思いたい。

・ジル
嫌いじゃないんだけど、いまいちキャラが見えなかったなあという印象。
悲劇のヒロインとか世界系ヒロインみたいなわかりやすさはなかったから自分が良さを理解できてないだけな気はするんだけど。
常に正しい言動をとるような人なので、人間味が薄かったのかな。
ただ「月を見ていた」を聴いてるとジルの心境を想像してしまって胸が苦しくなるのでやっぱ好きなのかも。
米津玄師はホントに天才。

・ディオン
かなり好き。ポリコレ担当までやってのけるイケメン閣下。
クソマジメで、やらかしてしまったことを一生後悔して贖罪のために命を捨てるキャラ好き侍なので。
言動もわかりやすく気品があってストレスを感じないし、出てくると話がわかりやすくて良い。
クライヴ、ジョシュア、ディオンが好きなキャラトップ3だったので最終決戦手前の展開は嬉しかった。
最後死んじゃったのかなー。生き残ってほしい。

・トルガル
常に一緒に戦ってくれて、道先案内までしてくれるナイス相棒。
物語への関わり方が絶妙だったと思う。過度に関わってはこないけど、ちゃんといる意味はある。
FF16はとにかく暗い話が多いので、トルガルのような良い調律者が絶対に必要だったと思う。
正直戦闘であんまり役に立ってなかった気がするけど、最後一緒戦えなかったのは残念。
賢すぎて、お前自分が無垢な動物だと思われてることを理解したふるまいしてるよね? って思っちゃうこともしばしば。
EDでジルについていって遠吠えするシーンなんてキミ演出家?ってレベル

・悪役たち
「いい悪役」があんまりいなかったなーという印象。
わりとみんなわかりやすい行動原理で動いていたので、カタルシス的なものがなかったのが残念。
もっとトリックスター的キャラがいると良かったのかな。
ベネディクタとか、もっと色んな思惑があって色んな奴らと閨をともにしていたのかと思ったけど、特にそんな話は出ずに退場してしまった。

アナベラにしろシルヴェストルにしろ、露悪的すぎるのがやっぱり気になる。そういう世界設定だということはわかるし、狙いは理解できるんだけど…やっぱり共感できないと物語に入り込めない辛さはある。

・アルテマ
「ラスボスの目的」って納得感出すの結構難しいと思うんだけど、自分的にはアルテマの行動や目的は理解しやすくてよかった。封神演義の女媧系でしたかね。
行動動機に共感はまったくできないけど理解はできる、という良い塩梅。

黒の一帯をどうすることもできずに逃げてヴァリスゼアに行き着いた、という絶妙な弱さがお茶目で割りと好き。その過程で肉体を失った、というのが若干ナゾだったけど、器を求めて人間を作ってふさわしい器が生まれるのを待っていた、という気長な計画を立てたところもなんか好き。
変なところで人間っぽいよね。まあ人間じゃないとか言ってるけどお前人間と一緒じゃん、って流れだったのでそれでいいんだろうけど。

・過去作オマージュ
DQ11ほどではないけど、過去FFを知っていると楽しいみたいなオマージュネタが多くて楽しかった。
斬鉄剣返しが出たときは声出して笑ってしまった(サイファー好き)
自分はそこまでFFに詳しい方じゃないので、半分も理解できたか怪しいけど。
ちょいちょい出てくるドット絵は別になくても良かった気もする。

●全体
良いゲームだったとは思う。
最後ラスボス戦の展開はかなり熱くなれたし、音楽もいいし、演出もいい。
ただキャラの成長やバトル面での変化が少ないので、ゲーム部分は中盤でマンネリ感が結構出てしまった。
成長システムやバトルを面倒にしたくなくて、利便性や爽快感を優先した結果だとは思うんだけど…そのせいで肝心のゲーム性を損なってしまったのかも。

シナリオ的には節々でだいたい「早く次の展開が知りたい」と思えたので良かった。ただ、話の軸からはズレた展開も多かったので、やはり「映画のようなシナリオ」を描くには、RPGの数十時間という期間は長すぎるのかもしれない。
だからこそ、ゲーム性が重要になってくるのだろうと感じた。

●(追記)著者ジョシュアについて
EDのラストに出た本はジョシュアじゃなくてクライヴが書いたんじゃないか、という説があるらしいけど、個人的には懐疑的。

たしかにジョシュアは死亡濃厚に見えるし、クライヴはサブクエでペンをもらって「剣ではなくペンを持つときが来るように〜」的な話が出てるのでそれっぽい説ではある。メタ推理的にも理解できる。

でも自分の思うクライヴは、自分の書いた文章をジョシュアが書いたものにしよう、とか言い出さないと思うんだよなあ。
それって書いた文章に相当自信がないとできないと思うんですよね。

ジョシュアの名を残したいならジョシュアの実際の功績を真摯に伝えるべきであって、他人の功績を渡して名を残すなんてのは独りよがりだし、何よりジョシュアに偽りの功績を押し付けて失礼なのではないか。…とか考えると思うんですよね、クライヴなら。

というわけで、私はこの説には懐疑的。
少なくともクライヴが書いたものではないと思ってます。ジョシュア本人が生きていて書いたのか、あるいは別の人が書いたのかはわからないけど。

↓これは某攻略サイトのキャプチャだけど、最近の攻略サイトはこんな解釈とかも書くんですねえ。

「最愛の弟の名前を残したかった」はちょっと短絡的じゃないかなあ。

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