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〈120〉情報収集の苦労①

3年前…

同じ学童期の子どもを見ているにも関わらず、筆者の放課後児童クラブが、小学校や発達支援センター、保育園・幼稚園から必要な情報をもらおうとすると、自治体職員から「保育園や幼稚園から学校への情報提供は定められているからできる。でも学童については記載がないからできない」と言われました。

そして、「保護者に一から情報もらうしかないよね」と言われます。

そのように言う一方で、「保育園・幼稚園、学校に書類出すのと同じようなことを、保護者が学童のために書くのは手間だよね、大変だよね」と言います。

ではどうしろと言うんだと突っ込みたくなりますが、とにかく放課後児童クラブや学童保育所に情報を与えたくないのです。

なぜかって?保育してほしくないからです。ただ預り返すだけをしてほしいからです。

しかし現場は保育、場合によっては療育のようになっているのが現状ですから、きちんと情報収集、アセスメント、介入、評価までの一連の流れが必要なのです。

どこからももらえないのなら、一から集めるのみです。面倒だろうが、二度手間だろうが、安全に子どもをみるために必要なものは集めるのです。

そのために、自治体が各家庭に配布する調査票を変えようと思いました。

自治体の調査票は紙一枚、得られる情報は連絡先などの基礎的なものだけ。

放課後児童クラブとして長年使われてきた調査票は、好きなもの嫌いなものといった5項目程度のものでした。

自治体の調査票を作り替えるのは我々の仕事ではないので、自分の放課後児童クラブで使用されていたものを作り替えることにしました。

アレルギー情報や既往歴、得意不得意やどんな風に放課後児童クラブで過ごしてほしいかなど項目を増やし、翌年にはより答えやすいように質問の言葉を簡単にしたり、はい・いいえで答えるもの、フローチャートのように矢印を用いるなどして工夫を重ねていきました。

もちろん、個人情報を集める目的等についても明記します。

より良いものに変えた調査票を使用してわかったことは、どんなに質問を簡潔にしても、書かない親、書けない親が多々いるということです。

親自身に発達障がいや知的な問題があって、質問の意図が読み取れない、書けないということもあるし、ただ単に子どもへの関心の低さから、子どものことを知らないという親もいます。

そして、預けるだけなのだから、書く必要性を感じない親もいます。

とにかくまっ晒。

そうなると、保護者からの情報収集は諦めて、保育園・幼稚園から情報を得なければなりません。


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