しろくまうさぎ

元看護師 とある公立放課後児童クラブで放課後児童支援員補助をしています。

しろくまうさぎ

元看護師 とある公立放課後児童クラブで放課後児童支援員補助をしています。

最近の記事

学童保育崩壊した翌年は②

昨年度までの支援員の半数がやめてしまった新年度。 事務作業のしわ寄せがすごい。 毎月、振り替え休日などの手紙作成、記録、シフト作成、出勤簿の作成、電話応対、などなど。 PC作業が苦手な支援員も多いため、分担できない。 幼児保育がやりたい保育士に、学童保育の手紙作成を任せるのはまだ早い。 週に3日も来ない無資格者には任せられない。 記録してと言っても記録に残さないから、耳から入れた情報を記録する日々。 え、自分の業務って事務でした? 小学校や発達支援センターの動

    • 学童保育崩壊した翌年は①

      昨年度の秋に、学級崩壊の学童バージョンが起きたわけです。 …新年度ですね。 結局見切りをつけた支援員は去り、昨年度を知る会計年度任用職員は半数の2名になりました。 児童数は昨年度の1.5倍です。 募集をかけても応募はなく、自治体は近隣の公立保育園から人員をあてました。 全員無資格の補助扱い、中には保育園で働くにも無資格である者がいます。 みなさん学童保育で働きたくて来たわけではありません。"数"のために来たのです。 何が起こっているか、わかりますか。 本当にた

      • 〈122〉調査票を見れば、親の子どもへの向き合い方がわかる

        自分の子どもも他人の子どもも、見ようと思って見なければ、その性格も特性も、課題も、長所も短所も、正しいことは何もわかりません。 どれだけ親が子どもを理解しているか、親として子どもとどう向き合ってきたか、それが全て読み取れるものがあります。 それが調査票です。 放課後児童クラブや学童保育所に入所を申し込む際に求められる調査票。 各自治体、各放課後児童クラブ、学童保育所によって、有無や質問の程度など様々かと思います。 連絡先やアレルギーの有無程度のもの、食べ物の好き嫌い

        • 〈121〉情報収集の苦労②

          子どもについての調査票を、親が書けないのなら保育士に聞くしかない。とのことで、翌年、保育所や幼稚園宛に質問項目を作成し、依頼します。 それを見た保育士が一言。「学校へ提供する情報と同じですよね。」 でしょうね…と心の中で思いながら、それが学童には提供されないので、お手数おかけしますがお願いしますと頼むのです。 保育士からの情報は有益です。子どもや保護者のことを本当によく見ていて、やはり専門職なのです。 そして3年が経ち、とうとう放課後児童支援員の手元にも個別支援計画が

        学童保育崩壊した翌年は②

          〈120〉情報収集の苦労①

          3年前… 同じ学童期の子どもを見ているにも関わらず、筆者の放課後児童クラブが、小学校や発達支援センター、保育園・幼稚園から必要な情報をもらおうとすると、自治体職員から「保育園や幼稚園から学校への情報提供は定められているからできる。でも学童については記載がないからできない」と言われました。 そして、「保護者に一から情報もらうしかないよね」と言われます。 そのように言う一方で、「保育園・幼稚園、学校に書類出すのと同じようなことを、保護者が学童のために書くのは手間だよね、大変

          〈120〉情報収集の苦労①

          〈119〉親にとっての小1の壁と子どもにとっての小1の壁は違う

          日々預けられる子ども達の立場から世の中を見る放課後児童支援員。 今年も当たり前に小1の壁という言葉が目につきます。 壁を壊す気など、国にも自治体にも、企業にも保護者にも、そして支援する側にもさほど無いのではないですかね。 「朝7時から校門を開けよう」 「夜7時以降でも、日曜日も、祝日も、朝から晩まで学童で預かってほしい」 「じゃないと仕事ができない、食っていけない」 「本当は子どもともっと一緒にいたい」 本当に詰んでますよね。保護者が労働者としてしか見られていないんで

          〈119〉親にとっての小1の壁と子どもにとっての小1の壁は違う

          〈118〉友達と距離をおきたい②

          嫌なことをしてくる相手を避けたいと思うのは、当然の心理です。 しかし、子ども達は他人との距離のおき方が上手いわけもないので、ほとんどの場合、嫌な人から離れられずに悩んでいます。 我慢して我慢して、ようやく距離をとったら、「避けられた!」と言われ、周りの大人たちも表面化したこの時点でやっと何か起きていることに気付くのです。 だからこそ、なぜ避けなければいけないほどになったのか、背景をよく見る必要があるのです。 そして、避けるという手段をとる場合には、あからさまにしない方

          〈118〉友達と距離をおきたい②

          〈117〉友達と距離をおきたい①

          自分が子どもだった頃より、友達との距離感に悩む子ども達が多く感じるのは気のせいですかね。 自分の子どももだいぶ滅入っていて、どうしたものかと悩む日々です。 筆者が子どもの頃は、よく「皆平等」と言われ、みんなと仲良くすることが求められていました。 そのため、正義感のかたまりだった筆者は、よく仲裁に入ったり、いじめの欠片を見つけようものなら「何してんじゃこらぁ!」と怒ったり、「仲間外れにするなと親に教わってないのか!」なんて言っちゃってました。 当然、発達障がいなんて概念

          〈117〉友達と距離をおきたい①

          福祉が理解できない

          別に自分は何者にもなれないことはわかっている。 誰かを救えるとも思っていない。 目の前の子ども達を救う? 何様か。 労働環境すらきちんと守れないところに、要支援者を入れることが良いことだとは微塵も思えない。 神経発達症も車椅子も、権利はある。守られるべきだ。 でも、受け皿が受け皿として機能できないのに、ただ"そこにいさせてほしい"だけを叶えても、結局は何も、誰も救えないじゃないか。 支援者の労働者としての権利とか、対価とかに目をつむり、結局何かの犠牲の上に福祉を

          福祉が理解できない

          〈116〉発達障がいという言葉は心象が悪い

          発達支援センターによる巡回相談が学童保育でも利用できるようになるとか、近隣に発達支援センターができるとか、連携を模索していることを保護者や地域住民に示したい。 子ども達の発達や発達課題、発達特性についての啓蒙の意味も込めて。無知が一番良くないのだから。 そして、そのような機関や制度が身近にできる、あるということから、発達障がいのある人が地域で暮らしていく地域課題としても認識してもらうチャンスだと、筆者は捉えています。 そのための手段として、放課後児童クラブが発行する手紙

          〈116〉発達障がいという言葉は心象が悪い

          〈115〉連携するって、そんなに難しいことか?②

          なぜなら、自治体内の他の放課後児童クラブと発達支援センターの連携なんて、ほとんど皆無だからです。 以前の支援員会議で、巡回相談導入のために、発達支援センターが放課後児童クラブに足を運びたいと提案したら、とある放課後児童クラブ側が「迷惑だ」と言ったような関係性ですよ。 つまり、積極的な連携体制でないことは明確であって、それと同等の扱いとするということは、筆者の放課後児童クラブとも本腰入れて連携する気など、さらさら無いということですよ。 結局、大人たちは、子ども中心の視点で

          〈115〉連携するって、そんなに難しいことか?②

          〈114〉連携するって、そんなに難しいことか?①

          1.小学校教師 2.スクールカウンセラー 3.幼稚園・保育園保育士 4.保健師 5.行政福祉課 6.不登校支援相談員 7.発達支援センター 8.療育を行う作業療法士、言語聴覚療法士 9.中学校教師 10.民生委員 子ども達の発達を長期的視点で捉えれば、連携が必要な職種は、ざっと挙げてもこれだけあります。 人脈づくりが一番近道で一番難しい。 そんなことは重々承知。 自分の欠点もこれだから、尚更難しい。 …にしても。 「他職種連携はとても重要です」って、専門職資格取

          〈114〉連携するって、そんなに難しいことか?①

          〈113〉所在不明に対する危機感の欠如②

          子どもがきちんと学童保育所や放課後児童クラブに登所できるか。 神経発達症(発達障がい)児には大きなハードルであることも多いです。 診断がついていれば、学校の先生が付き添って登所する対応をとっているケースもあるようです。 特性が強くても診断がついていなければ何もされません。少なくとも筆者の地域では。 「あれは何だろう!」と車道に出たり、道を外れたり、下校から登所までに他の子どもの倍の時間がかかっても。 友達と喧嘩したり失くしものして泣き出し、気持ちを切り替えられず一歩

          〈113〉所在不明に対する危機感の欠如②

          〈112〉所在不明に対する危機感の欠如①

          放課後児童支援員の大事な仕事の一つに出欠の確認があります。 にも明記されている大事な仕事です。 子どもがどこにいるのか確認するのは、子どもの生命や安全のために大事なことです。 大事なことなので3回書きました。 …希薄な保護者や支援員、教師がいるんですよ。 筆者が働き始めた頃、欠席の連絡を寄越さない保護者多かったです。 過去には子どもが登所していないのに親が迎えに来て「え!?」ということになったり、捜索したりということもあったようです。 児童数が参酌すべき基準を超

          〈112〉所在不明に対する危機感の欠如①

          〈111〉事例検討は大事だ。しかし武勇伝は要らない。

          放課後児童支援員の学びの場が少ない、学ぶ意欲がある人も少ない、設置者に理解が無い等の理由で、現場の中だけで何かが起きている、現場の支援員だけが困っているということが常に続いています。 そのため何か、何でもいいからヒントをくれ!と書籍にすがるわけですが、学童保育についての書籍はそれほど多くはありません。 その中で有意義だと思った本が一冊あります。「子どもの権利条約を学童保育に活かす」(安部芳絵 著、高文研、2020) 子どもは保護者の所有という考えが昔からある中で、この子

          〈111〉事例検討は大事だ。しかし武勇伝は要らない。

          〈110〉大人の困った言動も子ども達に問いかける

          もちろん、「あの子の親がね…」なんては言いませんよ。誰のためにもなりませんからね。 ただ、保護者や自治体職員の言動に支援員が曝され困り果て、本当に人としてどうなんだ?社会人としてどうなんだ?ということは山のようにあることは事実です。 そういう責め方をして人を追いやる、傷つけるとはどういうことかとか、人と仕事をする時の連携とか報連相ってどうあるべきかとか、そういうものについて、筆者は高学年の子ども達と話し合うことがあります。 なぜって、支援員が誰かから攻撃されていたり、困

          〈110〉大人の困った言動も子ども達に問いかける