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faceless

日本三大奇書「ドグラマグラ」を自分の解釈でオマージュした一枚です
難解な物語な上に様々な見解が飛び交う書物ですが 現状自分の中で辿り着いた見解は「主人公はまだ産まれてもいない」というものでした
受け継いできた細胞のひとつひとつに刻み込まれた記憶記録
胎児が人の形になるまでに辿る単細胞生物 魚類 両生類 獣という進化の過程のように見える成長過程
まだ「己」にもなれていない状態で細胞の中に刻まれた記憶に振り回され 自分が何者かわからないまま見続ける断片的な悪夢
産まれる前に狂ってしまう世界

faceless

まだ産まれてもいない状態で悪夢を見ている主人公を顔のない人物で 細胞の中に刻まれた自分のものではない記憶を中身のない仮面で それぞれ落とし込んでいます。

胎児よ 胎児よ 何故躍る 母親の心がわかって おそろしいのか
夢野久作「ドグラマグラ」より

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