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クロアチア戦を見て思うこと

感動に感謝。余韻にずっと浸っている。

PKの立候補がどうだとか、外したのが誰だとか、120分で決めきれなかった決定力とか、そんなことは誰よりも代表選手やスタッフが一番良く分かっているはず。もうそういう話は、いらない。

ひとつだけどうしても言いたいのは、前田大然がゴールを決めたこと。これには、本当におめでとうと言いたい。スキンヘッドの風貌のせいかあまり触れられないが、本当に輝いていた。献身的なハードワークで、自分が潰れることも厭わない姿勢。彼がMVPだと思う。その勇姿に、胸を打たれました。ありがとう。

AmazonでKindleのポイントバックセールが始まったので、前から欲しかった楠木建の「ストーリーとしての競争戦略」を購入した。紙の本が良かったが。読み始めると、めちゃめちゃ面白い。これに、サッカーの話が出てくる出てくる。

映画や演劇でいえば、登場する役者には大スターはいないけれども、それを組み合わせて動かす筋書きの面白さで勝負し、気づいてみたらロングランで成功を持続しているというのがストーリーの戦略論のめざす姿です。
ストーリーとしての競争戦略/楠木建

これはサッカーの話ではない。ちょっと長めの引用だが、日本企業が目指すべき戦略ストーリーについて語っている部分だ。しかしこれぞ、今回のサムライブルーそのものではないか!

組織として戦う、地味だろうが人気がなかろうが、勝つために、渋く、ほろ苦く、泥臭く。ベスト8には届かなかったが、間違いなく、多くの日本人の心に届いた。派手さはない。ビッグスターはいない。それでもチームで勝つことで、どれだけの日本人の心を掴み、鼓舞し、感動を与えてくれたことか。

日本人が忘れたがっていたもの、または暗に避けていたものを思い出させてくれた。元来、日本はそうなのだ。派手で華やかなものは眩しい。そういったものへの憧れはもちろんある。しかし本当の日本の良さは、違う。侘び寂び、いぶし銀、素朴な美。多くの名もなき匠の積み重ね。まさに匠の技、チームの勝利。

今回のサッカー日本代表に思い出させてもらったものを、大切にしたい。やっぱり、それが大事だと思う。これだけ泥臭く、這いつくばることを選択し、堂々とやってのけた森保ジャパンの勇気を、心から讃えたい。

渋谷でワイワイ騒がずとも、一人で自宅で目頭を熱くした人も多いはず。私もその一人。国際映像で映った涙のおじさん(といっても私の方が年上だろが)の涙は、多くの名もない日本人の代表なのではないか。そう、サポーターも代表なのだ。

日本がひとつになった初冬の戦いを、深く深く心に刻んで、明日を生きよう。泥臭く、這いつくばって、生きよう。

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