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ロートレックとミシャ展

元々は友達と遊ぶ予定だった。それが雨で延期になり、突然、空白になったのだ。
どうしようと思考をめぐらせ、前々から行きたかった美術館に行こうと思い立った。今やっている展示はないかと探したところ、<ロートレックとミシャ展>がやっていた。そんな軽い気持ちで見に行った、11月の下旬。

前知識

ミシャはなんとなく聞いたことがあった。作風もぼんやり思い浮かぶ。しかし、ロートレックについては何も知らなかった。行くのなら前知識ありの方が理解が深まるのではないかと悩み、ミシャとロートレックについて調べるべきかと迷う。結局、私は何も調べなかった。インターネットに転がるごちゃごちゃした情報より、展示されている作品を見て知った方がなんか楽しそうだと感じたからだ。
大体、文字列だけでは淡白じゃないかとも思う。百聞は一見にしかずともいうし、とにかく行こう。
そう思い、浮き足立ったまま、展覧会に向かった。

展覧会

祝日ということもあり、人がたくさんいた。その人混みに紛れ、展覧会のチケットを買う。美術館の静けさや落ち着いた感じは結構好きだ。うるさい所が大の苦手なこともあり、都会から乖離された空間は落ち着く。人がいなければ、もっと最高ではあったけど、仕方ない。
入口で、溝端淳平さんのナレーションを無料で聞けると知り、折角ならと聞きながら見た。有料のところが多い中、無料とはなんて太っ腹だ。ナレーションの良さと溝端淳平さんの声の良さを知ってしまった。発見。

ロートレック

ロートレック。
私は彼のことを何も知らなかった。まさか、こんなにも素敵な作品を生み出していたとは。
ロートレックのコミカルな絵柄、軽い筆致、構図、色彩、とにかく全てが私の胸に刺さった。ミシャの写実的で繊細な筆致、女性と花の美麗さも凄く素敵だったが、個人的にはロートレックが好きで好きでたまらなかった。歩く度に、次々と色彩が目へ飛び込んでくる。
ロートレックの絵は、綺麗というよりは、楽しいという感覚が正しいと思う。とにかく見ていて楽しくて、さながら遊園地にいるような感覚になる。
広告の絵ということもあり、とにかくキャッチーで身近に感じる作品が多い。
綺麗で端正な作品は、外から見ていたい、蚊帳の外でいたいような気持ちになるが、ロートレックの作品は違う。親近感が湧いてきて、友達みたいな気分にさせられる。不思議だ。
私は芸術に対して、毛ほども知識がないから、言語化するのが苦手だ。でも、とにかく凄く素敵だったということが言いたい。 

特にお気に入りの2作品

エグランティーヌ嬢一座/アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

メイ・ミルトン/アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック


お土産コーナー

展覧会の最後には、だいたいお土産コーナーがある。以前行った印象派展でもそうだったが、やっぱり買ってしまう。商売上手すぎないか?
いい作品を見た後にそのグッズを見れば、買うつもりがなくても購買欲がそそられる。節約のために何も買わないと決めたのに、惨敗。まんまと策略にはまって、気づけば手にはクリアファイルとポストカード、栞があった。


突然できた空白も、カラフルで埋まった、そんな一日だった。また、こうやって衝動的にどこかへ行きたい。

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