【創作の中毒×中毒の創作14】

「おいっ」
 俺は怒鳴りつけた。

『クチャクチャ』
 咀嚼音は続いている。

 白塗りの奇怪な人間たちは、俺の怒鳴り声が聞こえているのいないのか、構わずに肉を食べ続けている。

 さすがに、墓場の下で「肉」を食っている連中を見て、何か途轍もない憤りを感じたんだ。

 俺はてっきり、
(墓場の死体をほじくり出して、死体を喰っているよ、コイツら)(これは、全員、警察に突き出してやろう)
(キモいよ、マジで)
 と、正義感に燃えたんだ。

 だが、すぐに後悔する。
 だってさ、今の時代、人が亡くなったら「火葬」にするだろう。

 じゃあさ、白塗り人間たちが貪り食っているのは、「死体の肉」じゃないだろ。

 じゃあさ。何の肉を食っているんだろ?

 ――きっとさ、こうして、迷い込んできた俺みたいなヤツを捕まえて、殺して喰っているんじゃないのか。 
 それなら、警察に突き出す前に、こっちが喰われてしまうよ!!!
 
 俺は、青い顔をして震えだした。


 

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