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六甲山系の東端らへんで暮らしています。管理員として近所のマンションで働いたり、アイアン…

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六甲山系の東端らへんで暮らしています。管理員として近所のマンションで働いたり、アイアンガーヨガの練習をしたり、読書会の連絡係をしたり、自分用のパンを焼いたりしています。

最近の記事

BBCのラジオドラマ Westwayを聴いていた頃

Westwayは、2005年10月で終了したBBC World Serviceのラジオドラマで、ロンドン西部の架空の地域医療センターとその周辺地域が舞台。イングランド人に混じって、スコットランド人、ナイジェリア人、カリブ地域出身者、南アジア系、中国系、東欧系なども多く住む地区で、それぞれの文化的背景が登場人物のキャラクターや話す英語にも反映されており、それが日常生活の中で当然のように併存している様子が新鮮だった。 8年ほど続いたラジオドラマの初期の頃は、毎週のエピソードを短

    • 映画『関心領域』とSF小説”I Who Have Never Known Men”

      5月26日(日)の夜にオンライン読書会を行い8人で"I Who Have Never Known Men"(Jacqueline Harpman著)について話し合った。舞台が地球のどこかなのか、別の惑星なのか、現実世界を想定しているのか、それともゲームの中の仮想現実という設定なのか中盤から終盤まで疑い続けながら読み続けるという不思議な読書体験だった。視点人物と彼女と行動をともにする登場人物たちも、何一つ自分の置かれている状況を正確に理解する者はおらず、読者もストーリーの展開に

      • 読書会のこと

        およそ3か月ごとに、読書会を開いている。大阪を中心に関西圏のカフェ、レストラン、公園、メンバーの自宅などなどで集まっていたが、コロナ禍が本格化した4年前の春からはオンラインで行なうようになった。 クラブ最初の読書会は、2007年の夏。Kansai Flea Marketという英語のフリーペーパーの掲示板から始まった。スコットランド人のGが出していた読書会メンバー募集の書き込みに、私とニュージーランド人のHとEが反応して、難波のカフェでプレミーティングを行ない、どんなふうにや

        • アクセルとブレーキを同時に踏むようなこと

          アクセルとブレーキは比喩である。車やバイクのことではない。 昨年の今頃は、大腿直筋の酷い肉離れで苦痛にまみれていた。いつもは歩くのが好きでたまらないのだが、この時期は数メール移動するにも決死の覚悟を要した。肉離れは、ある部分にストレッチと収縮が同時に作用して、その負荷が限度を超えた時に起こる。私の場合は、ヨガ教室でサルヴァンガアーサナ(肩立ちのポーズ)の練習中に右腿に異変を感じ、その後急速に症状が悪化した。両肩を基台に乗せて腕と手で背面を支えながら倒立を保持するポーズで、脚

        BBCのラジオドラマ Westwayを聴いていた頃

          歩行とヴリクシャアーサナ(立ち木のポーズ)

          日ごろから、よく歩く方だと思う。身体にさほど負担がなく、適度な速度で周囲の景色が楽しめる。暑い日、寒い日、雨の日も時間帯、経路、身につけるものを上手く選べば、それなりに快適だ。 10年ちょっと前にヨガを練習し始めてからは、歩くための技術が高くなったと思う。ヨガの立ちポーズを練習することで、床面と足裏と他の部分の力の連動についての理解が深くなり、歩行の際に、足裏の前後、そして左右が均等な力で地面に着き、地面から均等な反力をもらうことができるようになった。 ヨガに出会う前は、

          歩行とヴリクシャアーサナ(立ち木のポーズ)

          ヨガの練習場所

          週に1回ほどヨガ教室で練習している。今の教室に通うのは8年ほどになる。数年前に同じ建物の一階全体を改装して移転してからは、床面積が広がり、天井も高くなり、全体に光がやわらかに広がる快適な空間になった。ミニマルで、室温、音の伝わり方、香り、装飾なども適度に保たれており、練習する場所としてこの上ない。 そこには、指導技術の高い熟達した先生がいて継続的に生徒たちの成長を促し、不調の緩和や改善のために助言や代替メニューを与えてくれる。毎回の練習はよく練られ、密度が高い。 2時間ほ

          ヨガの練習場所

          パンづくり

          週に1回か2回くらいオーブンでパンを焼いている。いろいろなタイプのパンをつくってみたが、いつの間にか、材料も、リッチにする目的でミルクやオイルを追加したりせず、強力粉、その1割程度のライ麦粉、塩、砂糖(醗酵促進のため)、そしてパン種だけ、道具もステンレスボウル、それに合うドーム型のフタ、スパチュラ、オーブンレンジだけに定まった。 パン種も、ドライフルーツやビール酵母などで手作りしてみたが、既製品を使うようになった。パン作りの際には、捏ねたパン生地から少量を取って、次回のため

          パンづくり

          雷に打たれた話

          雷に打たれたことがある。最近の話ではない。その時は、田舎の高校生だった50年近くも前、1970年代の終わり頃だ。 十代の青年には、ほおっておくと、何かにのめり込んでバランス感覚がおかしくなる者がいる。私も、そんな高校生だった。放課後になると、自転車で30分ほど田舎道を飛ばして帰宅すると、2階の自室に駆け上がり、短波放送の受信機のスイッチを入れる。夕方の数時間にわたって、中南米のローカル局が低い周波数帯で聞ける可能性があるのだ。ポルトガル語やスペイン語のアナウンスで局名を確認

          雷に打たれた話

          ツバメの営巣を邪魔するという無粋

          勤務先のマンションには高さが異なる5棟の建物がある。市街地の外へりに立地していて、六甲山系の自然が近い。季節の変化も細かく感じられ、何事もなければ、日々の時間はゆっくり流れる。余生を過ごすには悪くないと思っている。だが、時として、職務上、不本意でも対応しなければならない事象も生じる。 つい最近、最上階の内階段の踊り場でツバメが巣作りを試みているという通報が住民から入った。現場はエレベーターの出入口から2メートルほどのところで、通路誘導灯の箱型ケースの上面に草藁混じりの泥土が

          ツバメの営巣を邪魔するという無粋