交響曲第5番「宗教改革」
● 作曲者:メンデルスゾーン(1809-47)
このドイツ・ロマン派の作曲家は、バッハとヘンデルの忘れ去られた作品に光をあてることに、人生の大部分を捧げました。
1824(15歳)祖母からJ.S.バッハ「マタイ受難曲」の手書き写譜をプレゼントされて歓喜する
1829(20歳)バッハの「マタイ受難曲」の復活演奏を指揮する(バッハは1729年に初演。1742年に再演した後、100年近く演奏されませんでした)
祖父モーゼスは高名なユダヤ人哲学者。裕福な銀行家であるメンデルスゾーンの父アブラハムは、メンデルスゾーン家を、ユダヤ教からキリスト教(プロテスタントのルーテル派)に改宗します。
1830年(21歳)ルーテル教会300周年を記念して「宗教改革」という標題をもつ交響曲を作曲しました。2作目の交響曲でしたが、出版されたのが5番目だったため、第5番になっています。
● 交響曲第5番Op.107「宗教改革」第3楽章
第1ヴァイオリンがテーマを演奏し、他の弦楽器は16分音符で伴奏します。ト短調から変ロ長調に転調すると、旋律はフルートに引き継がれます。再びト短調のトーンに包まれますが、最後は穏やかな明るさをみせて締めくくられます。
ルター作曲:コラール「神はわがやぐら」
● 交響曲第5番Op.107「宗教改革」第4楽章
曲のモチーフとして、ルター作曲のコラール『神はわがやぐら』が用いられています。フーガはバッハへのオマージュなのでしょうか。最後は、祝典的な雰囲気に溢れます。
●「皇帝行進曲」/ ワーグナー(1813-83)
1871年、普仏戦争での勝利を祝して作曲、プロイセン王ウィルヘルム1世に献呈されました。
●宗教改革を祝して、ルターのコラール「神はわがやぐら」による変奏曲Op.191(4手ピアノ版)/
カール・ライネッケ(1824-1910)
カール・ライネッケは、ドイツ・ロマン派の作曲家、ピアニスト、指揮者、教育者として活躍しました。
1836(12歳) 7歳で作曲を始め、12歳でピアニストとして公演演奏を行います
1843(19歳) 北欧でコンサートツアー。ライプツィヒに滞在して、メンデルスゾーンやシューマン、リストに師事しています。
1851(27歳) ケルン音楽院の教授、バルメン音楽監督などに任命されます。
1860(36歳) ライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者、音楽院の作曲およびピアノの教授に任命されます。門下生には、ブルッフやグリーグ、ヤナーチェクらがいます。
1902(78歳) 公職を全て退職。作曲に専念して約300作品を出版しました。
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