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本格的な介護の前に、自身のキャリアを考えた【家族のケア*仕事との両立♯1】

両親の近居が始まる半年ほど前に遡ります。
父の病気が発覚してから、両親の新居探しをしながら、改めて自分のキャリアや仕事について考えるようになりました。

父の事故、その後の病気発覚時に、私は契約社員で働いていました。
契約社員として勤務した6年目で産育休を取得し、7年目のタイミングで職場復帰をしています。
当時の私は、キャリアを積むというよりも、家庭との両立をいつも模索していました。
会社では上司や同僚にも恵まれていたので、契約社員で働く不安はあまりなかったものの、正社員との制度に違いを感じることはたびたびありました。

もし、この先、父の介護をサポートするようになった時に、
仮にこのまま契約社員だった場合。
介護休業の制度はあるものの、申請をすることで契約が継続するかどうか、不安な気持ちになるのではないか?
介護休業では時間が足らず、万一退職となった場合、再就職を目指したときに契約社員の実績では、再就職が難しくなるのではないか?

そんなことを考え始めました。

今思うと考えすぎ、私自身の心配性な性格が顔を出したなあと思いますが、当時は父の病気のこと以外は不安を取り除いておきたい、と思っていたように思います。

父がまだ元気で、自分自身も30代前半、今ならばチャレンジできるかもしれない!と、契約社員で務めている会社で正社員登用制度に応募をすることにしました。

契約社員とはいってもフルタイムで仕事と子育ての両立をしながらの試験準備。通勤中はアプリを使ったり、昼休みにカフェで時間を作ったり、息子を寝かしつけた後、夜中まで試験対策の勉強をしていました。
この時は何かに突き動かされるように、体も心も試験にまっすぐに向かっていました。

父は長く大手企業で人事の仕事をしていたことから、今回の正社員登用のチャレンジを心から応援してくれていました。父の介護がきっかけになったことは本人は露知らず、
「君(私)は、とにかく筆記試験だけだね。面接は大丈夫だからしっかり準備しなさい」とアドバイスをもらい、寝る間を惜しんで筆記試験の勉強を続けていました。

結果は、採用。契約社員だったからと言って100%の合格率ではない試験に通過し、試験モノに弱いという自分のコンプレックスを少しだけ払拭できた経験だったように思います。

父も、とても喜んでくれていました。
ビジネスマンの大先輩として憧れ尊敬している父に喜んでもらえたことも、本当に嬉しかったです。

しかし当時、子育てもしながらの正社員登用には、少なからず周囲に驚きを与えたようで、同僚の男性からは「これからまた頑張るんですね」と、言われたりもしました。働くママがまたこれからチャレンジしてはいけないの?と当時、かなりもや、っとしました。
私の正社員登用が決まったのが2015年。今から9年前のことです。

私が正社員登用を受けた数年後に、同じように働くママだった会社の後輩が、正社員登用を受けて合格した話を聞いたときは、すごく小さくて細いけれどキャリアの小道が作れたのかな、と嬉しく感じました。
理由は人それぞれではあると思いますが、働くママだからあきらめるとかチャレンジしないという選択ではなく、チャレンジする前例が作れたことは小さく心に誇っていることです。

そう考えると今はまた当時よりも少し、世の中が進んできたなと感じています。

女性とか母親とか、当時よりももっと関係がなくなりいろいろなバックグラウンドの方が社員にチャレンジしたり、起業することも珍しくなくなった2024年。家庭の状況に合わせてしなやかに、キャリアや働き方も変わっていけたらいい。そんなことも心に持ちながら日々過ごしています。

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