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コミュニケーションは相手が受け取らないと意味がない話。

「君は本当の挨拶ができない人?」


ある日先輩から「本当の挨拶はしているか?」と問いただされた。

私は常日頃からすれ違った人には挨拶をする。そしてオフィスに入ったら「おはようございます!」と奥の席まで聞こえるようにハキハキと話す。そして仕事上の受け答えも簡潔に話し、対応するようにしている。そのおかげでコミュニケーションは成り立っていた。
そんな日々が続いた順調な日だ。朝の始業後に隣の先輩からドキッとする発言が飛び出した。
「君は本当の挨拶ができない人?」
「は?いや挨拶は先ほどしましたけど?」
と思わず口に出してしまった。

先輩は分かってないなという顔で私を悟った。
「確かに声では伝わっているかもしれない。ただ体全体で行動に移し、心を込めている感じがしない。嘘っぽい。」
と言われた。
「自分はしているつもりでも、一方通行にしていると相手は認識しづらい。そうなると意味がない。だから相手が聞く準備をできるアプローチをしないといけない。例えば、挨拶する人にへそを向けて会釈を向けてみろ。それだけで相手は自然に答える。」

成程なと思った。

コミュニケーションとは人と繋がるということ

仏教には「利他」という言葉がある。
利他の意味として、「他者に利益を与えること」というのが一般的な意味として日本人は認識していると思う。
ただ、利益を与えるのには他者という受け手が必要で、利益を供給する側の私も必要だ。「自利と利他の一致」とはビジネスでいうところの、物々間・サービス間での取引など対等な立場で報酬を得るという考えだと私は解釈した。
つまり、相手が100%のサービスを提供したのに、当時の私は99%以下のサービスを提供してしまった。挨拶という初歩的な社交辞令ができなかったと悔しい思いをした。
今後は相手が要求している以上の心地よい挨拶をすることで、この人は期待に応えることができる人間だと思われたい。
そう強く決意する。

おわり


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