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東証に上場している企業のPBRが全て1以上になったら、日経平均株価はいくらになるのか

“今後の日経平均株価“

・東証に上場する企業

今年に入って市場参加者の関心を集めているのが、株価純資産倍率(PBR)が低い企業です。PBRに関してまとめた記事があるので、こちらをご覧ください。

PBRは株価を1株当たりの純資産(会社の全資産から借金を引いた残り、株主資本のこと)で割ることで求められる株価指標ですが、これが1倍を下回っている場合、「株式市場での評価が企業の解散価値を下回っている状態」を指します。

※市場区分の見直しに関するフォローアップ会議より資料作成

現在、東京証券取引所(東証)に上場する株式の多くがPBR1倍以下で取引されています。そのため、東証がPBR1倍割れ企業に対して「PBR低迷の要因分析と改善策の開示」を強く要請しました。

・PBR1以上になると…

そこで、全ての企業がPBR1以上になると、相場全体にどのような変化があるのか調べてみました。

現在、東証には4000近い銘柄が上場していますが、このうち半数以上がPBR1倍割れで取引されているようです(赤字及び債務超過企業を除く)。

あるデータ調査会社によれば、このPBR1倍割れ企業のPBRが全て1倍まで上昇すると、時価総額で109兆円、市場全体に+13.9%の押し上げ効果が生じるとのこと。日経平均株価(日経平均)に換算すると、31,500円の日経平均が35,870円まで上昇する計算になるようです。

※データは2023年6月2日を参照。日経平均株価は31500円を基準に2023年6月2日のNT倍率で試算。
※BloomBergのデータをもとに資料作成


加えて、東証上場全銘柄のPBRが0.1ポイント単位で上昇していった時、株主資本に変化がないとして、PBRが0.1ポイント上昇すると、市場全体の時価総額は約7.5%上昇する計算になるようです。

つまり、日経平均に換算するとPBR0.1ポイントの上昇で31,500円の日経平均は33,859円に、同0.2ポイントで36,218円に、同0.3ポイントで38,578円まで上昇する計算になります。

・最後に

東証から要求されたPBRの改善策は株主利益の重視や資本効率の改善、そして事業分野の見直しなど「株価対策」そのものともいえますので、株式市場全体には大きなプラスとなる可能性が高そうですね。


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