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理想と、現実。耐えろ。食らい付け。(第26回JFL第4節・Honda FC対レイラック滋賀)


3節を終えて

開幕まではあれほど待ち遠しかったのに、いざ始まってしまうとはや3節終了である。光陰矢の如しとは、まさにこのことであろうか。いや、中国の方もこんな例えには使われたくないだろうけど。

ともあれ、いざ走り出せば早いもので、全試合の1/10が消化された。
私の愛するHonda FCは、この時点で1勝2分。勝点5。得点2(内1はオウンゴール【いわゆる自○点】)、失点1。悪くはないというのが、私視点の感想だ。特に失点が少ないのが良い。得点力が今ひとつなのは気がかりだが、失点さえしなければ負けはないのだから、今はいいのだ。あくまでも、『今は』だが。

そんなわけで、第4節は3週間ぶりにホームHonda都田サッカー場での試合である。相手はレイラック滋賀。昨年最後の最後で3位に終わり、今季こそJ参入を目指しているJ志望勢の急先鋒である。3節終了時点では勝点6。2勝1敗。現時点で順位では上回られているが、なに、30節が終わった時に勝点が多ければ良いのだ。

それでも、ファンは勝利が見たいもの(必然)。筆者は勇んでHonda都田サッカー場へ向かったし、チラホラといるレイラック滋賀ユニフォームを着た方に、密かながらに闘志を燃やすなどした(燃やしてもなんにもならない? そりゃそうだ)。私は静岡県バーベキュー協会様のハンバーガーを頬張りつつ(肉汁が凄くて美味しかった!)、時を待った。

マジで美味しかったんですよ!

結論:負けない。取られない。まだそれでいい。

さて。今回も結果から述べてしまおう。引き分けである。0-0
ゴールは近かったが、後数センチが遠かった。序盤にチャンスはあったし、終盤にも機会はあった。だが、後一歩が足りなかった。これが、今の攻撃陣の「現在地」のようだ。実際のところ、一ファンとしては歯がゆいものである。

しかし、それよりも強烈な現実(個人的な視点)がある。「負けなかった」こと、「点を取られなかった」ことだ。
昨年の記憶が根強いせいもあるかもしれないが、とにかく負けというのは苦しいものである。お見送りをして下さる選手にどう声をかけたらいいのかわからないし、ファンとしても気持ちが落ちる。そんな展開と比べれば、引き分けの方がまだマシなのだ。

そして個人的な印象としては、今季の守備陣は物凄く堅いように思える。集中力も高いし、相手がフィニッシュに入る前に抑え込む力もある。それだけでも、昨年序盤のようなもどかしさは半減するのだ。

サッカーである以上当然のことではあるのだが、もちろん守備でも危ないシーンはあった。特に最終盤は押し込めた分だけ押し込まれることも多く、最後は危険な展開を守り切ったところで試合が終結した。攻め切れなかったのは悔しいことだが、守り切れたのは非常に大きい。個人的には、そう思う。「まだ」それで良いと思っている。

ではいつまでが「まだ」なのか? それは、6、7、8と節を重ねてきたあたりからだろうか。あるいは、天皇杯を迎えたあたりからだろうか。少なくとも昨年は、天皇杯1回戦敗退さえも覚悟していた。今年は様々な事情が折り重なり、2回戦からである。いきなりJ2チームとの戦いである。その辺が、どう変わるだろうか。
ともかく、その頃にはエンジンが掛かっていなければ。今年もHondaFCはプロに膝を屈することになるだろう。守り切ることで負けはしないが、点を取れなければ勝てもしないからだ。負けないための防御にも、色々と限界はある。連覇のためにも、早くにエンジンが掛かって欲しいものだ。

現実。本音。されど。

そんなわけで、JFLは現時点で4節が終了した。しかし状況は昨年とは異なる様相を示しつつある。昨年天皇杯をざわつかせたあの高知ユナイテッドSCが、開幕4連勝でスタートダッシュを切ったのだ。現時点で、早くも勝点は12。HondaFCは6。すでに2勝分の差が付いており、いかに無敗とはいえども、これ以上の差が付くのは避けたい状況だ。つまり、猶予はそう長くない。そう。これが現実だ。

そして筆者の本音も残酷である。当然ではあるのだが、そりゃ複数点を取り、シャットアウトで終わらせてほしいものである。ファンの期待とは、おおよそそんなものだろう。上ではあんなに綺麗事を述べておきながら、いざ本心となればそんなものなのだ。

だが、現実的にはないものねだりをしても仕方がない。ないものを数えていても仕方がない。だから、「今あるもの」を称え、「まだよし」とした。何度も言うが、最悪は「負け」なのだ。今のHonda FCには「負け」がない。それが、今一番重要なことなのだ。
カウンターで速攻をかけずに味方の上がりを待っているとか、序盤の攻勢以外の場でミドルシュートが少なかっただとか。攻撃面の伸びしろは、素人の視点ですらいくつもある(チームとしての約束事が絡む恐れもあるが)。そのあたりに答えが示され、Honda FCの攻勢が理想の境地に達した時。連覇とプロチーム撃破、そして、その先にある天皇杯という大望に手が届く時が来るのだろう。

Honda FCは、自他ともに認める/認められるJFLの王である。紆余曲折の果てとはいえ、Jリーグの門前に立つ「門番」である。そんなHonda FCが苦戦し、中位でもがくような展開は、私も見たくはない。
だからこそ、この苦しい今を耐え、食らい付き、連覇という未来へと繋いで欲しい。本心から私は、そう思うのだ。

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