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男性看護師が女性社会の中で生き抜くために

 男性看護師は年々増えているものの、全体の8.1%(厚労省:2020年末)とまだまだ圧倒的少数派であることに変わりはありません(ちなみに男性保健師は2.9%でもっと少数!)。かなり高い確率でほとんどの男性看護師は女性看護師に埋もれて業務を行っていると思います。そんな特殊な環境の中でも、私は女性社会の中でうまくやっていけた方だと思っています。看護師を辞めて保健師となった今でも、前職の女性看護師の同僚たちから声を掛けていただき、飲んだりするような仲良しが何人もいます。私が心掛けたことを御紹介します。

オープンマインド

 個人の性格や考え方は違えども、どうしても「別の生き物」感が否めない男性・女性というククリです。そこは「そんなもんだ。この人は一人のプロ、同僚だ」と性別に関係なく、オープンで包括的な態度を持つことが大切です。職業人としてもらった意見やその人の経験に対してリスペクトを示し、「女性だから」と先入観を持たずにコミュニケーションをとることが重要です。

混ざってみる

 男性としては一匹狼がカッコいいと思う側面もあるのですが(え?私だけ?)、そこは気が進まないものでも、仕事として割り切って職場のイベントやミーティング、立ち話に積極的に参加し、同僚や先輩とのコミュニケーションを深めることが大切です。悪口への参加はほどほどに(笑)どこで誰がリークするかわからない世界なので…(怖)。
 ちょっとした飲み会なども極力参加することで、仲間として認識してもらえます。女性からすれば一匹狼はカッコよくないし、面倒に思われます。昼食時など男性更衣室まで食事をしに行く男性看護師がいる中で、私は共同休憩室で過ごし、自然に会話に混ざっていくようにしていました。本当は私もそこから離れてゆっくりしたかったのですが…そこは自分のためにと思って努めていました。

感謝しまくる

 とにかく小さなことでも「ありがとうございます~」とか「うわ、めっちゃ助かります~」と少し大げさに感謝しまくるようにしていました。男性・女性は関係ないかもしれませんが、感謝されてうれしくない人はいませんよね?仕方ないな、またやってあげるかって思ってもらえたら大勝利です。その代わり、自分はそれ以上に相手を助けようと思うマインドを持つことも大切です。「こないだのお返しです!」とか言えたらカッコいいなあ(え?私だけ?)

職場の文化・風習を理解する

 その職場に存在する独自の文化ってありますよね。結構独特なものもあったりしますが、まずは「受け入れ」ましょう。どんなにイケてないものでも、いきなり反発したらそこで一気に敵視されます。まずはどういう経緯でどういう人がその文化・風習を作っていったのかを知ることです。もし変える必要があると考えたものであれば、ある程度の信頼関係を築き、同じ考えを持っている人がどれくらいいるかを根回しをした上で、提案し取り組む方が確実ですし、孤立しにくくなります。

同じ課題を乗り越える

 同じ課題や困難を乗り越えると、自然と仲間意識が芽生えます。夜勤で一晩大きなトラブルもなく乗り越えた勤務終了時って、一緒に夜勤したメンバーと仲良し度が増してませんか?私はそういうのを「山越え効果」なんて言ったりします。そういうことの積み重ねでも信頼関係を築くことができます。前述しましたが、オープンマインドで協力的な姿勢が大切なので、小さな山越え効果を得るために、同僚の手助けを積極的に行いましょう。

聞きまくる

 「あなたに興味あります!」って感じてもらうためには、自分のことを知ろうとしているなと感じてもらう必要があります。それが相手について「聞く」ことです。特に女性はパーソナルなことも多く、その見極めが難しい部分もあるため、聞く内容についてはある程度慎重になることが必要です。聞き方によってはただの「デリカシーないヤツ」というレッテル貼られて終了です(笑)しかし、この「聞く」ことをうまく活用できれば、コミュニケーションとしてはすごく効果を発揮すると思います。犬を飼っている人にその犬について聞いてみたり、推し活している人にはその推しの人について聞いたり…なるべく共通の話題で聞けたらより強いです!
 また、業務においても怖がらずに「聞く」ことが重要です。聞いて怒られたら、次は怒られないようにすればいいんです。聞かないで怒られる方が断然マズイ。「これって〇〇でしたっけ??」と質問する、答えてもらう、感謝する、で自然にコミュニケーションコンボが成立です。

自分の強みを活かす

 自分の強みを積極的に発揮することで、周囲の信頼を得ることができます。男性であることも強みに変えるんです。私は筋トレをしていることもあり、身長もあるので体格は良く力もある方だと思っています。絵を描いたり、物の修理も得意です。患者の体位変換、ベッド柵が外れない、暴れている患者がいる、この車いすの動きが悪い、手術器械のトラブル…などなど頼まれごとは色々ありました。「あ、あいつに頼もう!」と頼りにされることを面倒と思わずに、チームに貢献できていると思うようにしましょう。

最後に

 患者からの男性看護師の印象は軒並み「みんなやさしい」と聞きます。看護師を職業に選んでいるくらいですから優しい人が多いのは間違いないでしょう。それとは別に、もう一つの要因としては男性看護師は女性社会の中で主張しすぎないように環境に溶け込もうと努めている姿勢の結果でもあると思います。少数派である男性看護師がより働きやすくなるためには、職業人として女性看護師を敬い、コミュニケーションの積み重ねと協力的な気持ちが鍵になると思います。がんばれ男性看護師!

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