まっすぐに

学生助けたいんじゃーの唯一の学生でないメンバー、縁側のネコである。

コロナの流行が始まったのが2020年の冬、もう二度の冬を越した。

静岡県立大学では、学生たちが主力になって、2020年の7月に「たべものカフェ」という試みを始めた。最初は一週間に一度、今は二週間に一度。もう57回になる。

たべものカフェは、ただ食べ物を配るだけの取り組みではない。
食べ物を配りつつ、来てくれた学生と話し、友だちづくりを助ける。
孤立しないように、困ったら困ったと言えるように。

始めたときには、こんなに、続けるとは思っていなかった。
始めたときには、こんなに、やめてはならない活動になるとは思っていなかった。

今、たべものカフェをリードする学生たちは3年生。
2020年の4月に入学した学生たち。
このコロナ禍をくぐってきた学生たち。

彼らは、57回にわたって、食べ物を取りに来てくれた仲間の学生の話を聞いてきた。

高校生のときにためた貯金を取り崩している
お金がなくて食事を抜く
水を節約するため風呂に入らない
実習に行く交通費がない

彼らは、そういう話を「まっすぐに」聞いてきた。
もう、彼らは、この活動をやめてはならないことを知っている。

残念なことに、「たべものカフェをいつまでやっているの」「困っている人なんかいないでしょ」「食事を抜くほうが健康的なの」「あなたたちには期待していません」などと活動の意義が理解してもらえないこともある。

でも、彼らは、まっすぐに仲間の学生を見ている。
何が大切かを知っている彼らは、ぶれることがない。

そんな彼らに恵まれて、私もまた「まっすぐに」生きようと思う。
静岡県立大学で働いて、またひとつ、本当に良かったことが増えた。

*寄付のお願い
「たべものカフェ」のためのたべものの購入及び利用者の緊急支援のための寄付を募っています。寄付の仕方については、下記のリンクをご覧ください。https://docs.google.com/document/d/1lff_FJiV3F4kOifOFw6c3_6MJ9pKu5meX477JxrhWs0/edit?usp=sharing


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