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『ミレニアム 1 ドラゴン・タトゥーの女』 スティーグ・ラーソン 著

著者 スティーグ・ラーソンはスェーデンに生まれグラフィックデザイナーとして英国の反ファシズムの雑誌「サーチライト」の編集に携わり、1995年、人道主義的な政治雑誌「EXPO」を創刊し、やがて編集長を務める。

上巻 第一部の冒頭でいきなりスウェーデンの女性の18%が男に脅迫された経験を持つというセンセーショナルなデータから始まる。
下巻 の始まりもスウェーデンでは女性の13%が性的暴行を受けた経験を有するという、これも驚くデータから始まる。
上記のこともあり性的描写が出てくるので苦手な人にはおすすめしない。

以前のスウェーデンの社会問題、もしかしたら世界の現在も続く社会問題を題材に描かれた小説。

社会問題に一石を投じる小説ながらストーリーも引き込まれる。
・老人(ヘンリック・ヴァンゲル)の誕生日に毎年届く謎の押し花のプレゼント
・人気編集者(ミカエル・ブルムクヴィスト)の敗訴、名誉毀損で実刑判決を受ける主人公
・ドラゴン・タトゥーの謎の女(リスベット・サランデル)
一つ一つがひとつの小説にできそうな話が同時に進む。


スティーグ・ラーソンが描いたミレニアムは三部作で第一部はこの「ドラゴン・タトゥーの女」第二部は「火と戯れる女」第三部「眠れる女と狂卓の騎士」となっている。

著者の経歴を見ると女性の生きにくさ、弱い人間の無力さに説得力があり世界が恐ろしくなる小説になっている。

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