多様性がない、差別がある社会とは。

多様性、公平性、男女平等、人種差別、LGBTQ、宗教差別、身分差別、年齢差別。差別や多様性に関する課題は色々あります。
ですが、そもそも多様性が認められてない状態、あるいは差別のある状態とは？
と考えたとき、私の回答はこれになりました。

「やりたい事をやりたいと言う自由があるか？」

お好み焼きご飯族

例をあげます。
私はお好み焼きをおかずにご飯食べます。と言うと、一部の心無い異教徒に、炭水化物に炭水化物ってwwと嘲笑されます。
でも、どんな理屈があろうとそうして食べたい気持ちは抑えられない。
ソースとマヨにキャベツの甘みが渾然となった「おかず」にご飯を合わせて食べたいのですよ。
もちろんあまりに迫害されたら、反論だってします。
「じゃ、ユーたちはラーメン食べた時、チャーハン一緒に食べるなよ」

お好み焼きパン族

ところがそんな差別をうける「お好み焼ご飯族」の前にさらにマイナーな部族が現れたとします。その名を「お好み焼きパン族」。
彼らはお好み焼きと一緒にパンを食べるという。

いや、さすがにそれはないでしょうww

と謂れなき差別と戦っているはずの、お好み焼きご飯族すら言ってしまいそうになります。もちろん反論されます。
「じゃ、ユーたちはこれから焼きそばパン食べるなよ」

あなたは差別主義者ですか？

お好み焼きパン族は私の想像です。ですが、想像の中で明らかに私は差別をしていて愕然としました。ご飯は許されるのに、パンは許容できない。なんと狭量なのでしょう、なんと簡単に差別主義者になれるのでしょう。

あなたは差別主義者ですか？
あなたは旧態依然とした家父長制度支持者ですか？

と聞かれて、ハイそうですと答えられる。強靭なメンタルの持ち主は、多分ほとんどいないでしょう。にもかかわらず、社会には差別が残り、多様性は認められていない。なぜか？
これはみんな本音では差別意識がありながら、それを認めず、その差別意識を隠して、表向きは合理的、客観的、科学的、歴史的な理論武装をしているからなのではないか。

建前では理解は生まれない。

曰く、
男性の脳と女性の脳は異なり、それぞれに得意なことが違う。
だから、得意なことに合わせた社会的役割を果たすべき。

曰く、
平均的に男性の筋力は女性より優れている。
だから、肉体労働には男性が向いている。

曰く、
歴史的にみて黒人が、白人より知的に劣っていることは明らか。
だから、黒人が白人より高い地位につくと組織が発展しなくなる。

曰く、
あいつらは毎年正月になると怪しげな建物に円形の金属を投げる儀式を行っている。きっと、危険な宗教に違いない。弾圧しなければ。

曰く、
70過ぎとか脳細胞死んでますよねー老害乙。20代？小僧に何がわかる。30年ほど経験積んでから喋れや。

曰く、
LGBTQが増えたら、子供が生まれなくなり、伝統的価値観は崩壊し社会自体が立ち行かなくなる。

これらは科学的にも歴史的にも否定されています。しかし、そこが問題ではないと思います。
最大の問題は仮にこれらの言説が正しく、差があったとしても、

「だから、やってはいけない」という理由にはならないということ。

男女に脳機能の差はありません。とっくに証明されています。
ですが男性の脳の●●が発達しているから空間把握、論理的思考に優れている。女性の脳は○○が発達しているから協調性、情緒に優れている。これらは嘘ですが、嘘でなく事実であったとしても、だから、男性が仕事をすべきで女性は育児をすべきという社会的な強制を行う理由にはなりません。

育児がしたい男は育児すりゃいいのです。仕事がしたい女性は仕事すりゃいいだけです。

ただそれだけのこと。
男女平等とか人種の平等とかLGBTQを認めるとか、そんな細かい区別に意味はないのです。すべて人間として平等なのですから。
そして、人間であればその自由意志は尊重されるべきで、それを否定する権利は誰ももっていない。科学も歴史も伝統もお国柄も下手な理屈は黙ってろって話です。

Be Free ! 

そして、私は安易にお好み焼きパン族を差別する差別主義者であり、多分、これを読む人の多くも多かれ少なかれ、他者の違いに好悪の念や差別意識を抱くことがあるのではないかと思います。

それを認めるしかない。私は差別する生き物で、先入観や経験との相違から好悪の感情を抱いてしまう。でもこの意識もまた自由意志であり、否定されるべきものではない。

問題は、その差別意識を認めず、下手な小理屈をこねて正当化し、社会的な圧力として相手の自由意志を否定すること。
その態度が多様性を損ねる最大の理由ではないかと思います。

もちろん相手の自由意志を否定する危害を加えることはできません。
ですが、やりたいことをやりましょう。そこに理由はいりません。
Be free !