#57577デザイン室⑤

 57577デザイン室、全5回のワークショップが終了した。

 終了といっても、枡野書店での2時間強(だいたいいつも延びた)の講座が5回で約10時間、フェイスブックでのやり取りも入れたって、時間があまりにも少なすぎる。だいたいわたしは何事にも時間がかかるのだ。小さい頃は大人に何か質問されても、わたしが答えを考えて言おうとしている間に隣にいる母が答えてしまう。それから、小学生のとき宿題(算数のドリルだったと思う)をやっている様子を見た祖母が「一問解くのに随分と時間がかかるのね!」と言ったのをはっきり覚えている(祖母は看護婦で、頭の回転がとても速かったらしい)。給食を食べるのも、絵を描くのも、時間内に終わったことがない。自主性が必要な事柄については特に、なかなか先へ進めることができない。

 だから全然足りない。自分にはどんな短歌がつくれるだろう、それをどうやったら最も効果的に見せることができるだろう? 57577デザイン室は、それについてひたすら考える場だった。まだわたしは自分の強みがどんなところにあるのかはっきりとはわかっていない。けれども、現段階での答えを今から具現化しようとしているところなのだ。短歌とは基本的に一人でつくるものなのだろうけれど、デザイン室に参加しなかったら、皆がいなかったら考えなかったことを考えて、さらにそれを実行しようとしている。まだわたしには可能性があるはずだ。自分でもわかっていない、皆にも見せていない可能性。

 それから皆のこともまだ全然知らない。人を知ることにだって時間がかかるのだ。わたしのこともきっと皆はまだ知らない。だから、全然終わっていない。今、やっと、はじまったところなのだ。

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