小さいころからいわゆる「男の子が着るような」服装が好きだった。

小学生の時、まわりの女の子たちは、ひらひらのスカートや可愛いキャラクターのTシャツ、かわいらしいワンピースを着ていたような気がする。私はいわゆる女子っぽい服が苦手だった。特にピアノの発表会やちょっといいところにご飯に行くときに着るような服がもっと嫌いだった。白タイツなんて用意されるものなら、「ほんとにやだ・・・・」と沈んだ心で履いていた記憶を鮮明に覚えている。

私は昔からシンプルなシャツやデニムのようなパンツスタイルが好きだった。母親がほとんど服を用意してくれていたと思うが、母が買ってくる至極ガーリーな服をイヤイヤ着ていたので、母も勘づいていた。「あんたは服の好みが私と全く違う」とよく言われたものだ。

ちょっと私はほかの子と違って変なのかもしれないと思っていた。そのころの雑誌を見ても、女子っぽい服が多く、その中でもかっこいいパンツスタイルみたいなものを見つけては目にやきつけ、お店で同じような服を買った。

私の中で大きく価値観が変わった服屋さんに高校生のとき出会った。BEAMSBOYだ。まさにかっこかわいい服の宝庫！私の好きな服装を知ったおしゃれなお友達が教えてくれた。高校生の私にとってなかなか買えない値段だったけど、見れるだけで目の保養だった。

田舎から上京してもっと衝撃をうけたお店があった。ISETAN MEN'Sだ。田舎者からは考えきれない9階建て、すべてメンズ服しかない建物。地方の百貨店なんて、下手すれば男性の服は１フロアしかないのに。９フロアもあるのだ。こっぱずかしくて最初は１階をぐるっと回るのが限界だった。ただ、ピッカピカの革靴に落ち着いた色味の服。すべてがかっこよく見えた。

気づいたら就職していた。それまで「まじで男ウケしない服がすきだな」と言われていた私が初めて「それいいよね！俺も買おうと思ったわ～」と言われた。感激した！！でしょ！？と話せる相手ができた。

私は別に男ウケをするために自分の服を選んだ覚えはない。ただ女性の服にはない、長く磨き・手直ししながら服を愛でるメンズ服がすき。（もちろんファストファッションも好き。どうやって、いいものとファストファッションを掛け合わせて着ようか考えるのも好きだ）そんな女子への雑誌もでてきた。LaLa Beginだ。なんてかっこよく、繊細な雑誌だろう！ぜひメンズライクな服がすきなひとにおすすめしたい。

ファッションは正直、だれのためのものでもない。自分をどう表現するかのツールであり、心から楽しめるものであるべきだと思う。と昔のちょっぴり自信のなかった私に言ってあげたいなぁ～

職場は離れてしまったけど、いまでもついつい目がいくのはメンズ服。娘にもお気に入りのファッションが見つかればいいな～と思う。今のところ、夫婦で服屋さんに長居してしまうため、一緒に服は買いたくないと言われてしまうが（笑）服を選ぶ楽しみを知ってほしいな～