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不自由な親子関係/けむたい姉とずるい妹

自分が散々支配的な母親に苦しめられてきたので、母娘問題系の書籍は色々と読み漁りました。

でも、実家にいたほとんどの期間、わたしは自分が苦しんでいることに確信を持てずにいました。

身体的な虐待もネグレクトもされていないし、周りの人には「世話好きのいいお母さんね」「羨ましい」とか言われるし、実際に母は愛情深い人なので、息苦しいと思うわたしがおかしいのかな?ひどい娘なのかな?と自分を責めていたのです。

実際、母娘問題を綴った書籍では、わたしの母親よりも余程深刻な、THE加害者と被害者の間柄の、これはもはや警察の介入を考えた方がよいのでは…という事例ばかりで、やっぱりわたしのはただの我儘なのかな、と思いかけたものです。

支配系の母娘問題は、分かりにくいのです。

一番近くにいた父も兄も、母とわたしの複雑な関係にはピンと来ていない様子で、わたしは誰からも理解を得られないまま、1人で自分の苦悩を抱えてきました。

・ずっと母の意見に従ってきた
・大人になった今も人の顔色を窺う癖がある
・自分のしたいことが分からない
・自分のことを自分で決めるのに躊躇いがある

この辺りの症状が出ている方は支配者に毒されている可能性がありますので、どうぞ田嶋陽子さんの『愛という名の支配』を読んでみてください。

きっと、今まで感じてきた違和感は勘違いなんかじゃなかったと、腑に落ちると思います。

***

「けむたい姉とずるい妹」というドラマが放送されています。

基本的には、姉と妹の捻じれた関係がテーマです。
妹と恋人を奪い合い絶縁状態となった姉が、母の葬式をきっかけとして、妹と元彼(現・妹の夫)と3人で暮らすことになる…という話。

第3話まで視聴したところ、姉と妹の関係もさることながら、姉の元彼(現・妹の夫)と、その母親の支配関係が見えてきました。

姉と別れたのも
妹と結婚したのも
姉の元彼(現・妹の夫)の
母親が原因かもしれない
というサスペンス。

姉の元彼(現・妹の夫)の母親は、男に捨てられ女手一つで息子を育ててきました。
裏切られた可哀そうな母は「息子の為に強くなろうと決めた」と語ります。
でも息子側から見れば彼女は「弱い母」。

息子が自分のしたいことをしようとすると、必ず母親の横槍が入ります。
「ずっとお母さんの傍にいるって言ってくれたじゃない」
「お母さんのことを捨てるの?」
弱さを利用して、息子を支配するという図式。

母娘問題もなかなかハードモードですが、
母息子問題も抜け出るのが難しいかもしれない、と思いました。

結句、彼が行き着く先もわたしと同じでした。

・ずっと母の意見に従ってきた
・大人になった今も人の顔色を窺う癖がある
・自分のしたいことが分からない
・自分のことを自分で決めるのに躊躇いがある

このままじゃダメだ。
自分のことはきっぱりと自分で決められるようにならなきゃ。
その為にはまず、自分の罪悪感を越えていかないといけない。

あなたが本当にしたいことは何?
行きたい場所はどこ?
心から会いたい人は誰?

かつてわたしが自分を鼓舞したように、姉の元彼(現・妹の夫…ああ、ややこしい)も一歩踏み出す予感です。

自由になってほしい。
みんな、自由に生きてほしいなと思います。

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