書こうと思った理由

ここに記録を残そうと思ったきっかけは、
週末前に訪問した緩和ケア病棟での
妻の一言でした。

こんなの嫌だ。
溢れ出そうな涙を抑え、
ごめんねと言いました。

誰だって自分にこれ以上の治療方が無くて、
家族と同じ空間で過ごす事が出来ないまま最後を迎える事は望まないと思います。

そんな妻の姿、言葉、これまでの思い出、
何か形が無いと全て消えてしまいそうで、
自分の見た姿や言葉が
不透明な記憶として消えてしまう前に、
形に残したいと思いました。
妻の両親、特に母親が、
この記録の存在を知ったら
感情を露わにして大反対するでしょう。

本人にこれ以上
治療ができないことを伝えるかどうか
その時も医師の言葉にも最後まで同意せず、
真実を伝える事を拒否していた母。

夫の意思は確認の無いまま、
数百km離れた病院の緩和ケア病棟に
妻を入院させることを決めた人。

妻が最後を迎える時、
恐らく自分は傍には居ないでしょう。

それでも、これまで一緒に生きた日々は、
二度と返らない大切な時間。
この記憶が消えてしまう前に、
残して置きたい。
そんな思いが溢れました。

いつかは通る道、でも避けたかった道。
そんな記憶を残して行きます。


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