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教室運営で思うこと(12)教材を授業のたびにもってきてもらう理由

私の教室では、教室用のノートPCも用意していますが、基本的に各ご家庭で生徒用にノートPCを用意していただき、授業の度にロボット教材とノートPCを教室に持ってきてもらっています。なぜ教材の他にノートPCを用意してもらっているかその理由を書こうと思います。
※この記事では教室運営について思うところを書いています。


ロボット教材とPCを教室に置く?

私の運営する教室では、プログラミングに使用するノートPCを各御家庭で用意していただいています。それを授業のたびにロボット教材とともに持ってきてもらってます。
市内の競合するロボットプログラミング教室では、教室内に用意されたPCを使い、生徒が購入したロボット教材は教室内に置かれています。
生徒は体一つでやってきて、授業が終われば体一つで帰ります。
私の教室よりも人気で大勢の生徒さんが通ってます。

生徒は楽ちんです。保護者様にとってもメリットがあります。自宅でロボット教材の部品で散らかしてしまうことも、部品をなくすこともありません。授業を受けるために準備する手間もかかりません。
教室側としてもプログラミングする環境を管理できますし、子どもたちがロボット教材を忘れることもありません。
現代のお子さんは、ほかにも習い事をしていて忙しいので自宅でロボットを組み立ててプログラミングする時間もないでしょう。その意味では合理的です。

時間をかけなきゃ覚えないは古い?

「教室にロボット教材もPCも置いといて月に2回の教室の授業だけで学びになる?」
勉強不足なのかもしれませんが、私はそのような画期的な教育メソッドを存じ上げません。

考え方が古いせいかプログラミング教室はピアノ教室と似ていると考えています。
教室で習って、自宅でも練習して、また教室で習って、というようにして上達しますよね。
最近の事情がよくわからないのですが、
ピアノ教室に通うお子さんのご自宅にピアノまたは電子ピアノが無いということがあるのでしょうか?
パソコンとロボット教材も同じだと考えています。
教室でも、自宅でもプログラミングできる環境が必要だと考えています。
そのために、保護者様にご協力いただいて授業のたびに教材を持ってきていただいてます。

さらに、自宅でパソコンを開くきっかけにもなり将来も役に立つので、私の教室ではタイピングを練習してもらっています。
年に3回開かれる「毎日パソコン入力コンクール」に参加し、ローマ字入力部門で3級以上のタイピング技能を身につけることを目標にしています。

「プログラミングもPCの操作も時間をかけないと覚えない。」と考えて指導しています。この考え方が古くて教室に生徒が集まらない原因となっているのかもしれません。

タイムパフォーマンス重視の世代

デジタル技術が普及した1996年~2012年ごろに生まれた世代をZ世代、それ以降をα(アルファ)世代と言うそうです。
Z世代以降の特徴としてタイパ(タイムパフォーマンス、かけた時間に対する成果)を重視する傾向があるそうです。

デジタルネイティブと呼ばれ、PC、タブレット、スマホがあってオンラインでSNSに投稿された動画を視聴するのが当たり前の世代です。
AIの登場する未来も彼らにとっては当たり前なのかもしれません。

生成AIが話題になり、今なお進化しています。
プログラムだって指示を出せば
「作って、自動的に試験し、不具合を修正する」
こともできるようです。
現在はAIに指示(プロンプト)を与えなければ仕事をしてくれませんが、そのプロンプトもAIに作らせる時代が来ているようです。

AI全盛の時代、何が必要か?

「わからないことはAIに聞いてみよう」
最近私は、ChatGPT3.5(無料で使えるやつ)でディスカッションしています。AIが全盛となる時代にどんなスキルが必要になるか探るためです。
キーボードを使って質問をどんどん投げかけます。

AIの発展によって「プログラミング教育は必要なくなる」という考え方もあります。YouTubeでは、初心者向けのAI活用術を紹介する動画があふれています。すこしばかりPCの操作スキルが要求されますが決して難しいわけではありません。(AIで生成したものについて権利関係に触れないのが気になりますが・・・大丈夫かな?)

一方で「AIが発展してもプログラミング教育は必要」という考え方もあります。AIの開発や運用においてプログラミングの知識が欠かせないからです。問題解決能力や論理的思考を養うことができる点もメリットとして挙げられます。

かなり絞った議論ですが、「AI全盛時代になればパソコンのキーボードは不要」という考え方もあります。音声認識技術や自然言語処理の精度が向上し、音声でより自然なAIとのコミュニケーションが可能になるからです。
一方、「キーボードは必要」との考えもあります。まだ音声認識技術や自然言語処理の精度には限界があり、なにより音声のやり取りを盗聴される心配もあります。コンピュータが登場して以来、入力装置としてキーボードが現在に至るまで使われている事実を考えると、依然として効率的な入力デバイスとして残りそうです。

いずれにしろ、タイパは悪いかもしれませんが、プログラミング教育もキーボードのタイピングスキルも身につけておけば、どちらに転んでも損にはなりません。

余談:AIの進化で不確実な未来へ

正直なところAIの進化で将来の見通しが不確実になってきていると思います。
受験戦争に打ち勝っていい大学に入り、就職活動でも打ち勝っていい企業に入る。そんな成功のテンプレートがAIの進化で壊されています。
頭がガチガチに固くなった人が、この変化についていけるか心配になります。柔軟な思考ができる人はチャンスをものにしていくのでしょう。

成功のテンプレートが壊されたいま、
「答えのある問題を解くこと」を重点的に訓練してきた人々が、
「答えのない問題」を解かなければなりません。
優秀さの評価軸が変わることに気が付かないと”ゆでガエル”になるかもしれません。


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