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教室運営で思うこと(18)失敗に学ぶ力 レジリエンスが未来を拓く

私たちの第一の願いは、子どもたちが安心できる環境で最大限に学び、成長することです。

いま、私たちの世界は急速にデジタル化しており、未来に向けた最良の準備の一つは、プログラミングというスキルを身につけさせることです。

しかし、ただ技術を教えるだけでなく、「失敗から学ぶ」方法を子どもたちに教えることが、彼らの成功にとって不可欠です。

失敗が学習過程でどのように重要な役割を果たし、なぜプログラミング教室がこれを促進する理想的な場所であるのかを探ります。

※この記事では教室運営について思うところを書いています。


失敗から学ぶとは?

「失敗から学ぶ」という概念は、単に間違いを犯した後にそれを乗り越えること以上の意味があります。これは、失敗を個々の成長と発見の貴重な機会として活用するプロセスです。

スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授は、「成長マインドセット」という概念を提唱しました。

彼女の研究「Mindset: The New Psychology of Success」で、成長マインドセットを持つ子どもたちは、能力は固定されているのではなく、努力と経験によって向上するものと捉えると述べています(Dweck, 2006)。

研究が示す失敗の価値

失敗を通じての学びに関する研究は数多く存在します。

たとえば、マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボで行われた研究では、自由な試行錯誤が子供たちの創造性と問題解決能力をどのように促進するかが示されました。

この研究では、生徒たちが技術的なタスクに挑戦し、失敗を経験することで、その原因と解決策を理解し、次回のアプローチを改善する方法を学びます。

具体的には、Resnick, M., & Rosenbaum, E. (2013)による論文「Designing for Tinkerability」では、生徒たちが自由に操作と修正を行うことで、より深い理解に至るプロセスが詳述されています。

このプロセスは、生徒たちが新しい挑戦に対する恐怖を克服し、自信を持って取り組む手助けとなります。

プログラミングと失敗からの学習

プログラミング教室は、「失敗から学ぶ」理想的な環境を提供します。
コーディングは、試行錯誤のプロセスであり、コードがうまく機能しないことはよくあります。

教室で子どもたちが直面するこうした「小さな失敗」は、論理的思考と持続力を養う絶好の機会です。

例えば、プログラムが期待通りに動かなかった時、教師は生徒にバグを見つけさせ、自ら修正させることで、問題解決スキルを実践的に教えることができます。

失敗からの回復力

失敗から学ぶプロセスは、子どもたちにとって単なる技術的スキル以上のものをもたらします。

これは「回復力」または「レジリエンス」と呼ばれる精神的な力を構築することにもつながります。

失敗を経験し、それを乗り越えることで、子どもたちは困難に直面した時に諦めない強さを身につけます。

この強さは、学校のテストや人生のさまざまな挑戦にも応用可能です。

技術だけではない学びの提供

プログラミングは技術的なスキルを超え、創造的かつ批判的な思考を促進するための強力なツールです。

失敗から学ぶことの価値を理解し、子どもたちがこの重要なスキルを身につけるお手伝いをすることで、彼らの未来に大きな投資をすることになります。

プログラミング教室は、この貴重な学習旅行の第一歩を踏み出すための素晴らしい場所です。子どもたちに新しい冒険を始めさせ、彼らの可能性を最大限に引き出しましょう!

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