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次男の忘れ物が多すぎる

それは小学校一年生から始まった・・・

皆さんは子どもの持ち物チェック、一緒にしていますか?私は次男が小学校に上がってから、もう何百回と、忘れ物が無いか、一緒にチェックしてきました。
だって、小学校からのお知らせプリントに書いてあるんだもん。
「次の日の時間割を見て一緒に準備してあげてください。一人でできるようになるまで、忘れ物がないか、一緒に確認してあげてください。よろしくお願いいたします。」って。

そりゃ先生にそう書かれたら、保護者は従いますよ。実際、息子が一人で準備すると必ず漏れがあるし、「〇〇は入れたの?」「〇〇は持って帰ってきた?」を何百回と息子に尋ね、「忘れた」と言われれば、「じゃあどうしたら忘れずにできそうかな?」なんて聞いてみたり、メモに書いてみたり、「いい加減にしぃや!今週ずっと水筒学校におきっぱなしやん!」とキレてみたり。

まぁ、毎日毎日、「いつかできるようになるんだから」「育児は忍耐」と自分に言い聞かせ、忘れ物が少しでも減るように、手を変え品を変え、工夫し、私は親としてできる限りのことをしてきたつもりでした。

それでも忘れ物は減らない

でも2年生の6月頃気づいたんです。「一年生の一年間、あんなに苦労して努力したのに、全然忘れ物減ってないやん。。。」って。

あるときその虚しさが私の心にドッと押し寄せてきて、怒りに変わりました。「なんで?なんで?こんなにやってきたのになんで?」
どうやっても忘れ物が減らない次男を、虐待レベルで責めたおし、(本当にごめんなさい。)自分も自己嫌悪で落ち込んで、翌日も仕事どころではないぐらいに。

「忘れ物したらなんでダメなん?」

夫に涙ながらに相談すると、「忘れ物したらなんでダメなん?」と言われました。そして、なんで私はそんなに忘れ物を許せないのかもう一度考えてみました。

友だちや先生に迷惑をかけてほしくない

例えば上靴を持っていくのを忘れた場合、うちの小学校では一日中裸足(靴下は履いていますが)で過ごします。靴やスリッパの貸し出しはされません。私はまだそれなら許せるんです。だって自分が忘れたせいで自分が迷惑被るだけだから。宿題、水筒、そういった類もそう。自分が責任取るならそれでいい。忘れたものを届けることは決してしません。そこから学んでほしいしね。
けど、筆箱、パレットなど、忘れたら誰かに貸してもらわないといけないようなものや、検尿など締め切りがきっちり決まっているものについては、絶対忘れてほしくない。それは、友達や先生に迷惑をかけることになるから。これらも、親が届けることはしません。でも、だからこそちゃんと忘れずに自分で持って行ってほしい!!というプレッシャーを子どもにかけてしまう。

でもそれってホントに迷惑なん?

そこで夫に言われた一言。「でもそれってホントに迷惑なん?」
「例えばパレットを友達に貸してもらったとき、もしかしたら、その友達と半分こして使ったら、いつもよりいろんな色が混じったりして、実は貸す方も借りる方も今日は特別で楽しかったな、みたいなこともあるんじゃないん??」

「鉛筆忘れたから貸してくださいって言われて、先生はどのぐらい迷惑してるん??安栄が思ってるほど迷惑と思ってない可能性もあるやん。一回先生に聞いてみたらいいやん。」

この二つは夫に指摘されるまでずっと気づかなかった視点でした。
確かに人にものを貸すことを別に迷惑と思わない子どももいるんだろう。
私は自分が教師をしていて、忘れ物をした生徒がいてクラスの足並みがそろわない時の「あぁめんどくさいなぁ」って気持ちを経験したことがあるから、「きっとうちの子のせいで、学校の先生にもそう思わせちゃってるなぁ。先生ごめん。」と勝手に思っていたけど、別にそんなことは30人学級なら毎日のことだろうし、きっと学校の先生たちはみんな私より寛大なので、忘れ物ぐらいで「迷惑!」とは思ってない可能性もあるよなぁ。。。と。

どちらも私の思い込みかもしれないから、直接聞いて確かめてみればいいのだと思うと、すっと腑に落ちた感じがしました。

このまま一生忘れ物癖が治らなかったらどうしようと心配

もう一つ気にかかっているのは、小さいうちから忘れ物をしない練習をしておかないと、彼は一生このままなのではないか、ということ。
「忘れ物をしないようにチェックする」ということを小学生の時から習慣化しておかないと!という思い込みがあったのです。

大人になって忘れ物をすると、時間とお金が余分にかかります。例えばスマホの充電をし忘れて、充電器も忘れたりすると、コンビニに駆け込んで、充電器を買えばなんとかしのげるけれど、全くの時間とお金の無駄。私はそう考えてしまう人間なのです。ちゃんと準備しておけば浪費しなくて済むのに…。
我が子がそんな大人にならないように、今から教育しておかねば…。そういうプレッシャーを自分にかけていたんですね。

夫にそれを話すと「いや、だってまだ子どもやん。」と。
わかるよ!今すぐそこまで計画的な人になってほしいわけじゃない!けど、習慣の問題なんよ!今から練習しないと、できるようにならないでしょ!

すると一言。「今すぐじゃないとダメなん?」
「今めちゃくちゃ厳しく忘れ物チェックして、忘れ物したら毎日怒られ続ける方が将来に悪影響じゃない?」「お箸とかトイレみたいに、いつかできるようになるやろ。」

もうこれには反論できず…。結局ほめたりキレたりしながら一年間あれこれやっても効果が出なかったこともあり、もう忘れ物の件で怒り続けるのをやめたい。やめなければ。と思うに至ったのです。

忘れ物をしないことは、いいことなのか?

「忘れ物をしないように」を聞き飽きるぐらい聞かされている子どもと保護者

これは学校にも問題があると思うんですけど、「忘れ物をしないように」をことあるごとに言ってくるんですよね。一年生でもらうお手紙にはしょっちゅう書いてあったし、「保護者の協力をお願いします。」の一言も添えてある。つもりつもってすごいプレッシャーになってると思うんです。だから子どもよりも親の方が「忘れ物をさせてはいけない!」と洗脳されているんじゃないかと思うぐらい。

私が忘れ物をしないのは、ただ心配性なだけ

私ももちろん自分の子供時代、先生に忘れ物をしないようにと指導されていました。そして、私は忘れ物はほとんどしない子だったと記憶しています。しかし、親に何度も忘れ物がないか確認された覚えはありません。自分で準備して自分で忘れ物がないかチェックしていました。

でも今思えば、私が忘れ物をしなかったのは、心配性だったから。忘れ物のせいで自分だけ活動に支障が出たらいや、とか、忘れ物多い子って先生に思われたらいや、とか。周りの人に自分がどう思われるかが気になる子どもだったから、忘れ物をしないように頑張っていただけだったのだと思う。

長男も私と似たタイプなのか、低学年のころから準備物は自分できっちりそろえる人でした。親としては持ち物チェックなど口酸っぱく言った覚えはない。まぁ、だからこそ次男の入学を境に、初めて忘れ物のことでこんなに悩むことになったのだけど。。。

忘れ物をしても動じないマインドは、習慣では身に付かない

あれこれやっても何も変わらなかったということは、次男にとっては忘れ物は別になんのこっちゃないわけです。人にどう思われようと関係ないし、不利益を被ることがあっても、まいっかと流せる。
忘れ物がないようにチェックすることは習慣化できるとしても、「忘れ物をしても全く動じないマインド」は、習慣化で身に付くようなものではなく、生まれつき持ち合わせた強みなのでは?と考えるに至りました。

少なくとも私は小さいころからビビりで心配性だったから、こういうマインドは大人になった今も、いくら練習しても持てそうにないのです。
いまだに持ち物チェックするし、忘れたらがっかりしている。
そう考えると、「忘れ物するなよ!したら損するぞ!」みたいなメッセージを怒りながら伝えることは、むしろ彼の強みをなくすことになるのでは?と思うようになったのです。

息子自身は忘れ物についてどう思っているのか

その日また例のごとくプールバッグを丸ごと忘れていった次男に聞いてみました。
「なぁ、今日プールバッグ忘れたやん?プールできひんくなって嫌やったな、とか思わんかった?」
「あぁ、そういえばそうやったな。うーん、まぁ『あ、また忘れたな』とは思ったけど、仕方ないなって感じ。でも今日は暑かったから、水に入れたら涼しかったな、とはちょっと思った。」
「そっか。他の子が楽しそうにプールで泳いでるの見て、いいなぁとかは思わんの?」
「あー、今日は洗濯機(みんなで手をつないで一列になり、水の中で歩いてうずまきを作る遊びらしい)やってたから。あれ楽しいんよな。ちょっといいなって思ったわ。でもあれやるとき、どうせみんなが勝手に波作ってくれるから、俺いつもやってるフリだけして何もせんのよな。」
「じゃあ見学でも何もせんし、プール入っても何もせんのやったらどっちでも一緒やん。」
「まぁ、そうやな。(笑)」
「なんやそれ(笑)」

結果的に私だけの問題だった

こんな調子で、今日も彼は忘れ物をしたことも忘れて、その場その場で楽しく生きているようで、結果的に忘れ物の一件で試行錯誤し悩んでいたのは私一人だけ。夫にも「まじめなやなぁ」と呆れられるのみ。先生や息子のお友達にはまだ直接聞けていないけど、私が気にしすぎなだけで、たぶんそんなに迷惑とは思われてないはず。
なーんや、最初から独り相撲だったらしい。。。

でもこの一年間の戦いは多くの学びをくれたと思う。(とでも思わないと報われた気にならないからね、そういうことにしとこ)

これから息子がどうなるかわからないけど、まぁもし大人になっても忘れ物が多い人のままだったとしても、犯罪につながるわけでもなし。(夫的には、万引きとかが習慣化すると絶対あかんから矯正していく必要があるけど、忘れ物はそういうものではないやん、との主張。確かに。)
いつか自分で困ったらなんとかするやろ、と広い心と長ーい目で見守るという、いたってありきたりな結論に落ち着きました。結局私と息子は別の人間だしね。彼は彼の人生を自分の責任で生きていくしかないのです。

今も日本のどこかで、子どもの忘れ物のことで悩んでいるまじめなママさん、パパさんはきっといるはず。そして、うちの次男と似たタイプのお子さんがいる人がいたら、私の経験と考察がちょっとでも役立つかも??と思い、シェアします。
ま、ほとんどの人にとってはどうでもいいことだと思うけど。。。


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