見出し画像

お葬式での不思議な出来事

父の一周忌が無事に済みました。お寺まで行ったんだけど、暖房がバッチリきいてて法要の間、心地よい眠気がきていた。途中でバチっと天井から音がして、私はビクッと上を見た。後から姉に「寝てたから空調がなった時、ビクッてしたやろ」って突っ込まれたけど、姉と妹の関係上、言い返せなかった(くやしい)。
その空調の音で思い出したのだけど、昨年の父のお葬式での出来事が不思議な事が多かった。
父は闘病して約10年だった。長かった、とても。
最後の数年はようやく施設に入ることが出来て、個室にいられたので、父の記憶が透明になってしまっていても、暖かくて涼しくて、お世話をしっかりしてくれる所にいられるのはとても恵まれているなぁと感じていた。
反面、母親は悲観的になってしまい、ハラハラする事も多かった。
あ、そうそう、お葬式の事だった。こういうお話って尽きないから、延々と書いてしまいそうね。
去年のお葬式当日は、なんと私の誕生日でもあった。もう言葉にならない感情だった。悲しむことが出来なかった、どうしても。みんな、どうして泣いてるの。分からない。だって、私、10年前からずっと悲しかった。今だけ悲しいんじゃないもの。そういう気持ちも持ちながら、久しぶりに旧家が集まって、あれやこれやと忙しく、色んな昔話も交えつつ、時間が過ぎていった。父が御棺に入る前に、父と母、そして私たち3人兄弟は2日間、川の字になって5人で眠った。とっても不思議な気持ちだった。この5人で並んでまた一緒に眠るって、すごく不思議。父も本当に、ただ眠っているだけのようだった。
お葬式は、その専門の建物でとり行ってもらった。大きな建物で何階建てなのか、たぶん、6階か7階建てで、その中の3階と4階を私たちは行ったり来たりしていた。どうしても行ったり来たりしないといけないので、階段を使って昇ったり下りたりしていくうちに、不思議な事に気づいた。
4階に行ったつもりが、3階に着いてしまう。3階に行ったつもりなのに、4階に行ってる。あれ?今どっちの階にいたのか、上だっけ、下だっけ?上下の感覚が分からなくなってしまう事が頻発した。
それは、私だけではなく、家族全員、その場に長くいた人全員が同じ経験をした。みんな、あれ、なんでこっちに来たのって不思議な顔をしている。
だんだんとざわついてきた、みんな。なんか、おかしくない・・?
なんで上と下が分からなくなるの、これ。しかも、ここにいる全員だぞ。
こわいこわい、なんで、やめて~!私も怖くなって、おトイレに行けなくなった。おおおお・・生きてる人間の方が普段は怖いのに、今、とてつもなく、この建物が怖い。お父さん、ごめん、今とっても怖いよ、私たち。
最後までこの不思議な現象の正体は分からないまま、お葬式は滞りなく終わった。

不思議だったね、お父さん。
とってもとっても寒い日だったね、お父さん。
最後に皆で寝れて良かったね、お父さん。
ありがとう、お父さん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?