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ズッコケおっさん5人組 慰安バカンうっふん珍道中〜和歌山編〜その2・究極の温泉VS至高の海鮮とメキシコ料理


おっさん、という定義は一体なんなのだろうか?一応一家の大黒柱だというのに家では煙たがられ臭いキモいと罵られ、こんなにも嫌がられる可哀想な存在、それがおっさんなのである。リスペクトってなんだっけ?どこの国の料理?

しかしそのおっさんを肯定しておっさんであることをポジティブに捉えてみてはどうだろうか?するとそこにはおっさんの生きる道、おっさんによるおっさんのための、おっさんでしか味わえないおっさんの人生の扉が開くのだ!

おばはん、というのも同様、おばはんを肯定した途端に面白さが開花、爆発するのである。美しさ、カッコ良さはとりあえず横に置いておこう。自己肯定感そのもの、それがおっさんでありおばはんなのである。おっさんでなにが悪い。おばはんでなにが悪い。間違いなく人生を謳歌している存在。それがおっさんでありおばはんなのだ。ついてこれるやつだけついて来い!もうっ!

というわけでおっさんがよりによって5人も集まり1台の車に詰め込まれ和歌山まで目指すことになった。序章で今回の旅のメインは極上サウナ体験ということを書いたが、実は真のテーマが別にあって、それは明日香の仲間の一員であるカリスマアヴァンギャルド主婦《にゃお》の先代メガネを勝手に禊ぐ?という勝手なミッションが1番の目的なのであった。


前回の伊勢ツアーから始まったメガネ禊ぎの儀式は今回も引き継がれ、もはやスピリチュアルな側面を持つ旅でもあった。当然まだ本人は元気で生きてるのに、まるで死んだかの如く勝手にメガネだけ禊に行く、というなんとも失礼極まりないシュールでスピリチュアルなツアーなのだ。しかしメンバーを含め、なんだかみんなのための生まれ変わりの儀式のような感すらある。

にゃおにとってメガネは一心同体なのだが、酔っ払ってしょっちゅう失くしたりメガネがひん曲がって一年に一回はおんなじようなメガネを新調するから、毎年先代メガネを禊ぎに行くのがこの5人にとって使命になっているのである。もはやメガネ供養の旅、それがあすか一座の旅の真の目的なのだ。まあ勝手に面白がってやってるだけだけども。

というわけで熱い眼差しの一行は一路和歌山へと向かった。レッツラゴー!

にゃおのメガネ。めちゃめちゃ曇っている。


今回の貸し切りサウナ小屋のすぐ下には川が流れていて、滝があるという事らしくメガネ禊ぎには持って来いの場所だった。これは神に完全に導かれている。何の神に?メガネの神に。
言い出しっぺのたるたるも途中からサウナのことを《サウナ》ではなく《滝》と言ってしまっていたほどやはり滝が最終目的地なのであった。しかし滝は2日目の予定だったから、1日目は我慢せざるを得なかった。

旅の第一目的地は花山温泉だった。僕は今回で3度目だったが、ひさしぶりだったし、他のみんなもはじめてらしかったので自ずと期待度は高まった。

途中道の駅に寄るはずが通り過ぎてしまい、花山温泉に直行となった。到着したのが10:30で、すでに駐車場はいっぱいだった。

ご機嫌な殿

個人的には何年ぶりだろう。写真のアーカイブを調べてみたら6年前の今頃だった。あの時はたしか雪が降っていた。
ひさしぶりの花山温泉はやはり良かった。なにより休日の午前中に入る温泉の至福感は何ものにも変えがたい。勝った、と思った。もはや人生の勝ち組なのだ。


ここの温泉はまるで味噌汁のような色で、足元が見えないのでしょっちゅう隣の人の足にぶつかったりする。硫黄臭はなく、少し塩味と鉄っぽい香りがする、あまり体験したことがない温泉だ。浴槽のいたるところに湯の花がびっしりとこびりついている。後で聞いたのだが、毎週末に配管をバーナーで掃除しないと詰まってしまうらしく、それぐらい湯の花がすごいのだ。従業員の温泉にかける情熱はまるで愛の源泉掛け流し状態だ。本当にありがたい。しかもポンプなしの自噴温泉だから大地のエナジーがすごい。まだ行ったことがない方は是非体験してほしい素晴らしい温泉だ。

とにかくゆったりと、まるで温泉の中で溶けてしまいそうなほど幸せな時間が過ぎて行った。こんなに幸せでいいのだろうか?いや、これでいいのだ!

そして一路、昼ご飯を食べるため予定していた食堂に向かった。
今回の和歌山ツアーは、たるたるの友だちであり和歌山の重鎮ミヤコちゃんと言う頼もしい人のアテンドで良さげな場所を教えてもらい、本当に無駄がなかった。行く先々どれも素晴らしく、本当にこんな幸せでいいのか?これでいいのだ!という自問自答を何度も心の中で繰り返した。

そして向かったのはWAKAYA津屋という海鮮を頂ける食堂だった。流石に人気なお店らしく結構待ったが、その価値はあった。店内は老舗の食堂かと思いきやオシャレにプロデュースされていて、小林旭が流れる昭和レトロ感な内装の中、出てくる料理はビシッと決める本気の店だった。しかもリーズナブルと来たもんだ。僕は悩んだ挙句、ここでしか食べれなさそうな本日のおすすめ鯛の塩焼き定食にした。想像の斜め上を行くサイズに釜炊きご飯が美味しく、しかも3杯までおかわり無料という太っ腹。そして至高の料理を食べる僕の横には見えない海原雄山が腕を組んで立っていた。士郎、残念だが今日は海原雄山の圧勝だ。

順番待ちリストにアスカイチザと書く座長。しかし実際アスカさん!と呼ばれてしまう。
悩ましいメニュー
敏腕プロデューサーと3ピースパンクバンド
オシャレでレトロな店内
どどーんと鯛!

幸せの連鎖。とにかく満腹な幸福感の中お店を後にした。次に向かうは巨石があるというパワースポット岡公園だ。

すぐそこに和歌山城が見える場所にそれはあった。というよりそこは以前家族で和歌山に来た時に遊びに来たことのある公園だった。その時はパワースポットとしての認識がなかったのだけれど、一見子どもたちの遊び場と思いきや全体が巨大な岩でできたとんでもない聖地だった。裏に龍を祀る神社があったりと、辰年のはじめにここに来れたありがたみを噛み締めた。これを書きながら調べたのだけれど、ここには市杵島姫命を祀る弁財天社もあるらしかった。次回また来てみよう。とにかくここは和歌山の中心となるエナジーポイントではないだろうか。

ナイスなアー写
木があると絶対に登るおのぼり気質の座長

そして一行は次の目的地《喫茶ミソノ》に向かった。和歌山駅からすぐの商店街の中にそれはあった。しかし満席で少し待つことになり、商店街をぶらぶらして過ごした。地元民のための商店街は日曜日ということもあり、ほとんどが閉まっていて、今はもうやっていないであろう時が止まったままのお店とも相まってなかなかに閑散としていた。

みその商店街
昭和初期価格のラーメン屋


待ちに待った喫茶ミソノからお呼びがかかり、やっと店内へ。赤い絨毯の階段を上がっていくと、まるでドラマのロケにも使われていそうな、またもや昭和レトロな雰囲気のある素敵なセンスの喫茶店だった。おっさん5人でプリンアラモード(ひとりはプリンパフェ)を頼んだ。みんなはホットコーヒーだったが、僕は喉が渇いていたのでアイスコーヒーを頼んだ。プリンアラモードはなかなかの値段がしたが食べてみると納得、とても濃密でパーフェクトなプリンだった。

いざ店内へ
雰囲気のある内装
パーフェクトすぎるプリンアラモード


横の部屋にはブティックもあり、リメイクされたアンティークなお洋服をおっさんたちで品定めした。それから店主の趣味が伺える本を読みつつ豊かな時間を過ごした。中でも良かったのはキャバレーの写真集だった。店主はきっとこんな雰囲気が好きなのだろうなと思った。ハイセンスな大人たちの社交場キャバレー。そこにはどんな会話が毎夜繰り広げられ、どんな素敵な出会いがあったのだろう。

昭和の良き時代に思いを馳せ、いい時間を過ごしたおっさん5人は今夜の宿へと向かった。それは見たこともない、やたらと薄くて四角い外観のホテルだった。

とにかく四角いホテル
ゆったり5人部屋。安くておすすめ!


部屋は5人部屋で広くてゆったりしていて、さらにリーズナブルという素晴らしい環境だった。考えてみればおっさん5人が一部屋で寝るというのはかなり異質な気がするが(しかも1人はギターを持ってるし)そこは開き直りだ。今夜のメインであるスペシャルメキシコ料理までは時間があったので、各自お風呂に行ったりしばらくくつろいでから徒歩でお店へ向かった。和歌山の街はなんだか広くて、時期はずれのイルミネーションや夜風を感じながら皆で歩いた。

イルミネーションロマンティック

そして歩くこと15分、目的のお店メシカはあった。するとお店の前に停まっていた車から今回のツアーの和歌山情報を教えてくれたミヤコちゃんなる人が現れ、挨拶した。残念ながらご飯はご一緒できなかったが、会えただけでも良かった。今回のお店の予約も彼女が取ってくれたらしかった。なんともありがたい。次回はゆっくりとお話ししたいと思いながらお別れした。

そして今回、和歌山でPAの仕事をしているカズハル氏が参加し、ディナーはスタートした。彼とは僕ははじめて会ったのだが、先日タコちゃんの店ポルカドットでスナックかずこTシャツを買ってくれた時の写真で知っていて、今回会えて良かった。なんともやわらかく良い雰囲気の人だった。
5人とも本格的なメキシコ料理ははじめてだったので、お任せで注文した。黒とうもろこしのトルティーヤと何種類かのタコス、そして絶品ズッキーニのふわふわスフレオムレツ、鶏とライムのスープ、酢漬けサボテンのサラダ…どれも繊細で波動の高い料理だった。

いざメシカへ!
海老とアボカドと帆立のマリネ
鶏とライムのスープ。アジアンで爽やかな酸味が良かった。
牛肉のタコス。このトルティーヤがなんとも美味しい。
カズハル氏と座長


メキシコ料理というとイベントとかで食べるタコスのイメージがあったので、大味かと思いきや本当に優しく繊細な味で、感想をお店の人に伝えると本場はこんな風にあっさりとしているらしかった。もちろんお料理の腕前も相まってそれは感動レベルのお料理だった。ドスエキスというメキシコビールやパロマというテキーラとグレープフルーツジュースとライムのカクテルも素晴らしかった!

テキーラとグレープフルーツとライムのカクテル。塩がいい!


そして気づくと、やはり僕の右隣にはうっすらと海原雄山が腕を組んで立っていたのだった。至高すぎる!あっぱれ!お見それしました!

そして様々な料理に舌鼓を打ち、帰路に着いた。しかしそこはやはりこの5人、素直にそのまま帰るわけもなく、来しなに見つけた、店先でたこ焼きを焼きながら客を睨みつける親父がやっているジャンクな粉もん屋ジャンボでハシゴした。繊細な料理から一気にジャンクの世界へ。しかしここのホルモン焼きそばもなかなかに絶品だった。僕の中で士郎が微笑んでいた。なにも美食は繊細な料理だけではないのだ。
会話の中であすか一座の和歌山ライブツアーの企画が立ち上がり、また次回の繋がりもできて最高に盛り上がった。

客を睨みつけるジャンボの親父
ジャンクの極み!美味かった。
楽しいひととき
店の女将がなれないスマホで撮ってくれた唯一の集合写真。肝心の店の名前が写っていない。

そしてカズハル氏とお別れし、一行はホテルに帰ることにした。
ホテルのサウナで旅の疲れを癒し、部屋で持参のコーヒーを淹れ、深夜にも関わらずセッションをしたりして濃密な1日が終わろうとしていた。さぁ。いよいよ明日は極上サウナが待っている。興奮しながら床についた…。

続く。

深夜にセッションがはじまる

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