ファーストインプレッション
今年度最初の授業日。
今年も、出席簿、閻魔帳、ボールペン、教科書、タブレットを重ねてしっかり抱きしめて、ちょっと警戒しながら教室へ向かう。渡り廊下には、見たことのない先生が、点、点、とお二人、先を歩いている。多分、新しい先生たちなのだろうけど(わたしは非常勤なのでよく知らない。もしかしたら、去年もいらっしゃったのかも😊)、みなさん、スタスタと迷いなく教室へと歩いて行く。
先生らしく能動的。わたしはと言えば、特に最初の授業なんかは、わざとゆっくり歩いたり、わざと蛇行したりして、チャイムが鳴るちょうどの時間に教室にたどり着くように調整してしまう。
とか、思っているうちに、チャイムが鳴っている。さあ、行くしかないな、と教室橫の廊下を歩いて行くと、教室の数名の高校生がこっちを見ているのが分かる。
今年の高校生たちは、どんな人たちなんだろう……???
最初の1時間目は、新・おしゃれ科。
ん?今日、初めての授業ですよね? なのに、教室に足を踏み入れると、毎日会っているかのような、風船をポンとたたいて寄こすような「ちわあぁーっす。」が、あちこちからふわー、ふわー、と飛んでくる。
フレンドリー科?
2時間目は、新・ワイルド科。
新・ワイルド科はワイルド科らしく、いきなり、「当然でしょ。」みたいな顔をして、あちこちで早弁している。始まりの号令が掛かっても「ちょっと待て。」みたいな顔をして、最後の一口を今、口に入れている。高校時代、早弁ってしたことないけど、こんなに当たり前のことなのでしょうか。したことありました?
早弁科?
3時間目は、新・クール科。
新・クール科なのに、第一印象は、なんと、クールじゃない。表情にあの、すっとすましたような感じを感じられない。クールと言うより、なんというか、マイペースである。ちょっと、のんきである。
マイペース科?
4時間目は、新・素直科。
新・素直科は、まあ、素直科っぽくて、わたしのとても短い自己紹介のあとの、「なにか、質問ありますか?」には、どこのクラスでもたいてい、「ないで~す。」なのに、
「先生の好きな食べ物はなんですか?」
(えっと……?わらび餅、……は正直すぎるかな)
「先生の得意な手料理はなんですか?」
(今時、手料理なんて言う高校生、いますか?)
「先生の住所はどこですか?」
(いきなりの個人情報!)
「初恋は?」
(……。)
・・・
と、次々に手を挙げてくる。さすが、素直科。盛り上げ上手。
盛り上げ科?
授業を終えて、職員室に戻り、自分の席に座って、
やれやれ……。
と、水筒のふたをクルクルと開けて、お茶を飲む。そこに、出席簿を職員室の一画に返しに行く、理科(生物)のリス子先生が、わたしの橫を通りがかって、にこにこっと笑って話しかけてくる。
リス子先生: お疲れさまですね😊 どこに行ってきたの?
わたし: え~っと、素直科◯年…かな。先生はどこに?
リス子先生: わたしは、ワイルド科◯年。
わたし: あ、わたしもさっき、そこ行きましたよ😊
リス子先生: ほんと?わたしもさっき、先生の前、素直科でしたよ。
わたし: どんな感じでした??
リス子先生: 今年の◯年生、わたしは去年教えてなかったんですけど。
今日はじめて行ったら、あの人たち、
あたかもずーっとそこに居たかのような……
「あっ、こんにちはっす。」「よっ、こんにちはっす。」みたいな、
なんかふつ~の、う~ん……、何て言ったらいいのか…………
わたし: なんか、マイペースですよね😊?
リス子先生: うん、そうそう、いい表現!マイペース😊!
わたし: 初対面じゃないみたいですよね?
もう会って3,4回目みたいな。
リス子先生:そうそう、そうなんですよ😊。
まあいいんだけど、最初っからこれって、大丈夫なん??
みたいな雰囲気😊😊。
わたし: 😊😊😊~
行く末がちょっとおそろしいですよね😊😊😊~
どこまで、行くんだろう??みたいな不安感?
リス子先生:ね~?😊😊😊~
リス子先生、癒やし系です。
今日は、高校生たちに、動画をちょっとだけ見せて、GoogleClassroomで感想を提出してもらって、それをわたしが受けとる、という、タブレットが苦手なわたしの練習につき合ってもらうだけの授業。
毎日学校に来るわけではない非常勤のわたしには、急な自習や連絡のときに必要な技術?なのだけど、タブレットで提出してくれた高校生たちの感想もとても個性的で面白いのだけど、手書きの文字ほどには、その人の雰囲気を感じにくい。
やっぱり今年もなるべく、手書きだな。
noteも、手書きの文字だったら、すごく印象が変わるんでしょうね?
そういえば、「 ”マイペース” は褒め言葉じゃない。」と、昔、先輩の先生がおっしゃっていましたが、どうなんでしょう?
わたしは ”マイペース” って肯定的な意味で使ってしまうのですが。
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