傾聴とは、、、できているつもりでした。
本日も本の書評を書きます。
書評と言うよりも、読んで、気がついたことを書くつもりです。
「すごい傾聴 」 ダイヤモンド社 小倉広
著者の小倉広 氏はリクルートの同期ですが、一緒に働いた事はなく、面識はありません。何せバブル前の最盛期で、私の同期は1000人おりますので。
彼はリクルートを辞めた後、研修講師として活躍されており、著者としても数十冊の本を書いてベストセラー作家となっております。更に彼はアドラー心理学を深く学び、カウンセラー、心理療法家としても大成功されている人です。
傾聴とは何か、本の中で彼は3つの条件を述べています。
1。自己一致(もしくは誠実性)
2。無条件の受容
3。共感的理解
上記のそれぞれについて、私なりの解釈で説明をします。
1は、聞き手(カウンセラー、コーチ、マネージャーetc.)が猫をかぶらないということ。
すなわち「自分はコーチだからほにゃららかでなければいけない」とか、「自分はマネージャーなので〇〇であるべき」とかと言う仮面を脱ぎ捨て、「ありのままの自分で聞く」ということです。
2は、本人の話を全面的に受け入れるということです。
本の中で、小倉氏も書いていますが「受容」と「同意」や「賛同」は違います。
私もよく新任のマネージャーさん達から「メンバーが例えば明らかに間違えていたことを言っているのにそれを飲み込んでしまうのですか?」という抵抗を口にされることが多いです。しかし、本人はそう解釈しているという事実を全面的に受け取りましょうと説明しています。
具体的なフレーズで言うと「あなたはそのように感じているのね。」「あなたはそう受け止めているのね。」「あなたはそのように捉えているのね。」と、いうことです。
私も昔、「達哉さんはそう捉えているのですね。」「達哉さんにはそう見えているのですね。」とコーチから言われ、「あっ、それは私の解釈なのか?」という気づきを得たことがあります。
3。共感的理解については、「寄り添う」と言う表現が使われることが多いですがこの本では、「感情にフォーカスをして追体験をする」ということが書かれていました。
例えば、何かとても悲しい出来事を経験された人に対して「お気持ちはわかります。私にも、似たような経験があります。」と言う人がいますが、それは100%嘘っぱちですよね。そして、とてもおこがましいことだと思います。だって、その人がその経験をして、その時に感じた感情を本当に理解することは絶対にできないことなので。
ですから、私はそのようなフレーズを口にする事は、絶対にしないと決めていましたが、”追体験をする”と言う表現は私に残りました。
さて、この本で1番印象に残ったのは、以下です。
「聞き手が話し手の隣に座り、話し手のストーリーを目の前の壁に映画のように投影し、2人でそれを鑑賞するイメージで話を聞く」
「傾聴の目的、効果、意味とは聞き手が傾聴している態度が自然に話し手にコピーされ、話し手が自分自身を傾聴できるようになる。すると、話し手が自己否定とそれに伴う防衛的な行動を止めて自分自身のままで良いのだと気づき、本来持っている能力、活力魅力を出し惜しみせず発揮していけるようになる。」
というフレーズです。
私は 今まで、傾聴とは、人の頭な中(思考)や心の中(感情)を理解することだと置いてきました。
人の頭の中や心の中はわからないので、 人の話を聞いて、 私ならどう感じるだろう、どう考えるだろうと自問自答をして、 それが正解かどうかボールを投げて確認をする ことをやってきました。
その上で、自分自身の知識や経験の中からアドバイスを差し上げてきました。
しかし、 小倉さん曰く、相談者が本来持っている能力、魅力を引き出すことと書いています。
曰く、本当に 深い傾聴ができれば、アドバイスなどは必要ない と書かれていると私は受け取りました。
ここが衝撃でした。
私がやっているグループコーチングは、限られた時間の中で クライアント(相談者)に、 何かの価値を提供しなければならないのですが、私はコーチであり、 グループグループコーチングのファシリテーターであり、 組織コンサルタントであると言う仮面を被りすぎていたかもしれないと思った次第です。
そうは言っても、次回以降のグループコーチングで、 どのくらい 行動を変えられるのかはよくわかりませんが、 今までのやり方を揺さぶられたのは事実です。
昔、メンターから教わりました、人はバランスを崩しながら成長していくとのことです。
勇気が要ることですが、次回からちょっと極端に振り切ってやり方を変えてみるのもありだなと感じています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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