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塞ぐ 2話

学校から家までの距離は結構ある

電車の乗り換えも1回しないといけないし正直いって面倒ではある

だが帰りの電車の時間は好きだ

部活をやってない僕は帰宅ラッシュと被らないから座ることが出来るし、曲を聴きながら電車の揺れを感じるのも悪くは無いと思っている

子1:はやくこいよー

子2:まってよー

自宅最寄りの駅を少し行った先には団地に併設されている公園がある

帰宅時間には小学生くらいの子供たちが遊んでいる

たまにイヤホン越しにも聞こえる甲高い声に少し反応してしまうが自分の気持ちを抑える

公園をもう少し歩けば自宅だ

🚪ガチャ
○:ただいまー

?:おかえり〜

玄関に入るとリビングの方から妹の声が聞こえる

○(そういえば今日は休みか)

妹は、今月で高校1年生

名前は井上 和

明日が入学式らしい

家に帰ってきて手を洗い、水を飲む

この水ほど美味しい水はないと言っても過言では無い

?:新しいクラスどうだった?
 
水を飲み終わった僕に対して妹が問いかけてくる

○:ふつうかな

?:そっけな

そうやって少し笑いながらボソッと言われた

○:和はなんで制服着てるんだ?


和:可愛いでしょ〜

そう言って立ち上がり、くるっと回って見せてきた

○:あ〜かわいいかわいい

そう言って頭に軽く手を乗せた

和:つまんなーい

口ではそう言っているが、嬉しかったのか少し口角が上がっている

うちの妹は贔屓目なしに容姿が整っている

なんとも羨ましいことこの上ない

和:翔太さんは?

○:同じクラスだった

和:良かったじゃん

○:まぁな

翔太は高1も同じクラスだった同級生だ

○:お風呂入ってくる

和:はーい

🚿🛁

家に帰ったらすぐにお風呂

これがマイルールだ

学校に行ってかいた汗をすぐに流さないと嫌で中学生の頃から行っている

お風呂と言っても湯船に浸かるわけではなくシャワーだけだ

元々湯船に浸かるのが好きっていうわけではないのと、1人のためにお風呂を沸かすのはもったいないなどの理由で僕だけはシャワーのみということになった

○:ふぅー

🚪ガチャ

和:髪の毛乾かしに来たー


○:おい👊🏻

そう言って軽く小突く

和:いてっ!

○:着替えてないのに入ってくるな

和:タオル巻いてるからいいじゃん!

○:良くない

高校生の妹に裸を見られるのは勘弁だ

○:何度目だよ

和:うーーんわかんない(´>∀<`)ゝ

○:はぁ

和は髪の毛を乾かすのが好きらしく

自分の髪の毛では飽き足らず

僕の髪の毛にも手を出すようになった

○:わかったから着替えるまで待ってて

和:やった(๑•̀ •́)و✧


そう言ってガッツポーズして出て行った

○:(いちいち可愛いのが腹立つな)

、、、

(・ω・)┏=3ぶうぉぉぉぉん

機嫌良さそうに髪の毛を乾かしてくれている

○:前髪下ろして乾かせよー

和:やだー

○:もう乾かさせないよ

和:えーー

そう言うと渋々下ろして乾かす

和:上げたほうが絶対いいのに

○:変わんないだろ

和:変わるよ!

熱めだ

○:はいはい

和:もー


こういう時は軽く流すのがいつものやり取りだ

僕達兄弟は多分仲がいい方なのだろう

こういう風にスキンシップを取っているのを周りがどう思うかは知らないが

僕自身はもう恥ずかしいとは思はなくなった

…小学生の頃

○:もうベタベタしないで!

和:いやだいやだいやだ!!

和:お母さーん😭😭


母:○○‼️‪💢

…現在

あの時こっぴどく怒られていこう

和のスキンシップを拒むのはやめた

中学生の時に一緒にお風呂に入ろうとしてきた時は大焦りしたが

その時は親も止めてくれて

それ以降は頼んでこなくなった

和:おしまーい

○:ありがと

和:いえいえ〜

乾かし終わると機嫌が良くなる

どうやら満足したらしい

お風呂上がりはベッドに寝っ転がる

これが最高に気持ちいい

全身の力が抜けていく感覚は最高だ

ベッドの上で今日のことを思い出す

彼女の顔を

名前を

匂いを

仕草を

これ以上近づくことはできないことはわかっているのに

どうしても考えてしまう

また会えたらと

また話せたらと

もしそんな夢物語が実現するなら

少しは学校に行く力が入るかもと少しだけ思った

○:バカだな

そう天井に向かってつぶやき

リビングに向かった



いかがだったでしょうか
井上和さんめっちゃ可愛いですよね!
今回は妹として登場してもらうわけなのですが、コンセプトはお兄ちゃんおもいの優しい妹です!
ブラコンにならないように注意しながら書いていくことを意識していきます!
次回は○○のクラスメイトが何人か登場してくる予定です!
翔太君は一体どういう人なんですかね?
次回の話も楽しみにしてくださると嬉しいです!
ではまた今度

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