「そして、バトンは渡された」備忘録


ネタバレあり




泣き映画だと思って見てみたら思いの外どころかかなり面白くて全然泣くどころじゃなくなってしまった映画。

キャラクター立てがしっかりとされており、
「この人ならここでこう思うだろう」「この人はこういう態度とっちゃうよな」「この人はそれ言われたらめちゃくちゃ嬉しいでしょ」と想像がしやすくてキャラクターに共感がしやすかった。

そんな中で1人だけ行動が読めなかったのが梨花さんだ。
結婚するという社会的な位置のみに憧れているのかと思いきや、ブラジルの件で離婚とかではなくみぃたんを1人で育てると宣言し、みぃたんがどんな態度を取っても当たったりせずお金がなくてもみぃたんに尽くすという良いママムーブ。
しかし富豪の方と再婚した際にはみぃたんを置いて旅行をしだし、スムーズにお互い合意した上の離婚もしだす。
そして森宮さんと再婚し、みぃたんを置いての失踪。
「人柄的に離婚はするかもだけど大事に思っていたみぃたんを置いて失踪するか〜?この人だけストーリーを動かすための便利役じゃん」などと勝手に萎えていたところに病気であったという真実が明かされる。

子育てをちゃんとしていたのは病気で子供が産めない体となってしまい憧れていたから。
旅行はおそらく病状の急変によるもの。
富豪の方とはお互い高齢のためいつ死んでしまうかわからないからみぃたんに悪いかもしれないという理由での離婚。
宮森さんと再婚したことで「みぃたんには両親がいたほうがいい」という考えが見えてくる。
失踪したのは病気が悪化したと宮森さんに告げれば看病しようとするだろうと考えて宮森さんにも黙って出て行き新しい母親を見つけてもらおうとしていたとも考えられる。

と、いくつかの疑問点全てに辻褄が合う見事なアンサーが返される仕組みにはカタルシスを感じた。

そして最後のみぃたんというバトンがいろんな父親に渡されて行き結婚式にて宮森さんから渡されるというタイトル回収。
見事すぎて「いい話だ〜🥹」ではなく「なるほど〜!🤨」となってしまった。


みぃたんと優子が同一人物なのが明かされてすぐぐらいは分かり辛いところや高校卒業後大幅カットは気になるが、そんなのどうでも良くなるくらい終盤が良かったので忘れた。

なんか楽しみ方が違っちゃってるかもだけどとにかくいい映画でした!

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