私が、幼稚園児だった頃の話。
私は、本を読むのが好きな子どもだった。しかし、それも飽きると何をしようかと周りを見渡す。人気のあるおもちゃは全て取られてしまっているのでそれで遊ぶことはできない。見かねた先生がピアノを弾いてくれた。私はそのメロディに合わせて歌を歌った。そうしているうちに、歌を歌う子が増えてきて、大合唱になった。

すると、人気のおもちゃを独り占めしていた子たちも歌を歌い始め、私を含め、あまりものだった子たちが人気のおもちゃで遊べるようになった。
あんなに遊んでみたかったおもちゃだったが、やっぱりお歌を歌う方が楽しいので、私はピアノの近くに戻り、歌を歌った。

音楽には、そういう価値観をひっくり返せる力があると思う。楽しんだもの勝ち。

一昔前だと、アニメ好きはオタクなどと蔑まれていたが、心の底から楽しんでいればそれもまたカルチャーになり、世界中に認められることになる。

今、楽しいことを独り占めしていると思っている人もやがて飽きて、蔑んでいたカルチャーを楽しむことだって大いにあり得る。

音楽や、アートなどはそういう力がある。

私も、クリエイターの端くれにいさせていただけられるものならば、心の底から面白いと楽しめるものを作ってみたいと思うのだ。

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