見出し画像

「法則や理論を信じる」から“自論を展開していく”へシフトしていこう

「引き寄せの法則」という、自分の願いを現実化する方法論がある
私がこの法則について初めて聞いたのは30代半ばのころだったと思う
そしてそこから長い長い思考と実験の旅が始まっていって十年以上が過ぎた
やっとこの法則についての自分なりの解釈が固まってきたので言語化してみた

そもそもこの「引き寄せの法則」というのは、願いを頭に思い描いて、そうなると信じたら、もしくは願いがかなった時の気持ちになったら、それは現実化する、というような内容のことなのだけれど、最初にそのことを聞いた私は、
「へぇ~、すごいね!なんにでもなれるし、なんでもできるじゃない!」
と興奮したものだった

そしてそれから少しずつ、インターネットや本屋さんで似たような理論についての記事をみたりすることが増えていって、いろんな方々の解釈で語られる記事を読んだものだった
その頃はただただ、「そうなるものだ!」と信じ込んで、夢がかなったような気分になろうとしてみたり、紙に書いて壁に貼ってみたりしながら実践をしていた

しかし、ここで一つどうしても腑に落ちない点があった

「願いがかなった時の気分になれば、それは現実となる」
というこの言葉の中に、

現実化していく“プロセス”

というものが抜け落ちてはいないだろうか

現実に夢がかなったと想定してその気分に浸るのは良いのだけれど、あくまでもそれは想像(イメージ)の世界での設定であって、脳内で起こっている現象だ
実際に現実化していこうとするとき、そこには自分の肉体というものが存在していて、行動していったり、思ったようにいかず苦労したり、などといろいろ不都合な出来事が起こる
そしてその時、心に痛みを感じたり、単に疲れたり、やる気がでてこなくなったり、という状態が全くこの理論の中には感じられない 少なくとも私には感じられなかった
なので、思い描いたらそうなるのだ、と真に受けて捉えていた私は、“いったいいつ現実になるのだろう・・・?”と思いながら何度も何度も繰り返し感じようとしたり、言葉に出してみたり、のリピートだった

先日ある友人とこの話をしていたところ、おもしろい話を聞いた
彼女の友だちでアラサーで熱心に婚活をしている子がいて、その子はこの法則のことを信じていたそうだ そして、とても好きな彼がいたのだけれど、別れることになってしまった 彼女は彼との結婚の夢を諦められず、そこでこの法則を取り出し実行していたそうだ それは、元カレと結婚して“元カレの姓になった自分“の設定をしたハンコウを作っていたそうだ 私の友人はそのハンコウを見せてもらったらしく、その彼女に、「行動しなかったら今の状況はおそらく何も変わらないんじゃない?彼にこちらから声をかけてみたらどう?」とアドバイスしてみたらしい それからもう何年かの月日が経っているそうだけれど、彼女からは結婚したとの通知はいまだ届いていないらしく、実際どうなったかはわからない、と言っていた

私たちはこの話をし、笑いながらもどこかで納得をしていた
その時私の中でなにかスポンとはまった感覚があった

すこし話がさかのぼるのだけれど、まだ私がこの法則について全く知らなかった10代のころ、英語が大好きだった私は絶対いつかアメリカに留学する!という強い意志を持っていた
そして外国語大学の短大に入学し、その後ひょんなことがきっかけとなり、アメリカの大学に二年編入をすることになった まさに自分の思い描いたことが現実となったのだ
いま振り返ってみると、私の頭の中にはいつも留学という二文字が目の前にあって、どうしたら留学できるか、留学するためにはまず何をすれば・・・とずーっと考えていたように思う そして留学に必要なTOEFLを受けたり、アメリカ人の先生に相談に行ったり、ととにかく思いつくままに行動していた そして自分がぼんやりと計画していた時期よりも一年半ほど早く留学が現実となった
勿論このプロセスのなかで、思ったように事態が運ばなかったこともあった 例えばそれは、こちらの短大を卒業してすぐにでもアメリカに渡りたかったのだけれど、なかなか大学からの返答が来なかったり、書類やビザの取得に時間がかかって半年ほど遅れてしまった その半年間の中で、私は本当に留学にいけるのだろうか?と不安になったことも何度となくあった それでも、やっぱり行きたい!という気持ちは変わらなかった

このようなこと一連が現実には常についてくる 自分のメンタルや体調も日々変わっていく 今となればそれは当たり前のこと、と思えるのだけれど、法則を何の疑問もなく信じていたころは、まったくこれらの紆余曲折のことは頭になかったから、とにかくイメージしたら現実がやってくる、かのように捉えていた

そして今私が思うこと

とにかく自分の感覚を信じて、そしてかなえたい夢に向かってまずは行動をするということだと思う 
何でもいい、そこへ向かうために自分が必要だと思うことや、なんとなくやってみたい、とひらめいたこと 
とにかく動いてみる そしてそれに尽きる、と

私たちは“現実”を生きている 
夢をかなえるにも、肉体と感情がともなう
不安定にだってなるし調子の良い時もある
失敗して落ち込んでいた矢先に風穴が開いて、全く別のルートで門が開くこともある

人の数ほど夢はあり、かなえ方がある
一番大切なことは、法則どおり理屈で考えて行動することというより、
あくまでも“私はこう感じるからこう動く”という信念の手綱をしっかり握りしめて、たとえ多くの人に反対されたとしてもその手綱を他人に引き渡さないということ

夢をかなえた結果、ふり返って思い起こしてみると、
「あっ、やっぱり引き寄せの法則どおりだった」
と思うことはあると思う それはそれで良いと思う
ただここで一つ憶えておくと良いのは、“人は納得したい生き物だ”、ということ
「引き寄せの法則」が正しい、と思っている場合、脳は習性上、それにまつわる情報をどんどん探し始める その結果、自分の意見はさらに強化されていく
物事が起こってしまった後になれば、どんなふうにでも“ツジツマ”合わせのストーリーを作ることができる

どんな鉄板の法則や理論よりも、自分の経験によって裏打ちされる自信を得ることはその先を生きていくための強力な味方となってくれる

自論を展開していくということは、とにかく自分の思ったように一歩動き出してみること


確実にそこから現実は動き始める