2015-3

春寒し饅頭茶より味噌ラーメン

春の色青と黄と桃水彩画

おはようと誕生雛に感謝する

白と赤雑草歩く春の昼

若芝やトラック畑に荷物する

朧月ワードで作る月刊誌

啓蟄にさざめく音にゆかしきさ

土筆摘む料理の創るひとりごと

菜の花やローカル単線カメラ切る

春寒しおはぎ団子に土産かな

打ち上げるキャンディロケット春の空

SLやマニアオタクで花菜風

クスノキや校歌青々春の夕焼

樹木医や樹齢四百年に春の夕焼

庭園に二人首相や春の雨

三月やキャッチボールで話したい

遍路寺同行二人大菩薩

うぐいすにへたくそいわれ噺家や

面影や竹竿に振る乗込鮒

鶯谷寺院を歩く名所かな

閼伽水や紅染める緋木瓜かな

モスラ歌小さい村へ蚕飼かな

百箇日母の喜ぶ春彼岸

うぐいすや眺める笑う飛ばすかな

朝ご飯玉子と味噌汁目刺しくう

雲走る枝のウクイス揺らしつつ

枝飛びて軒下逃げる雀の子

陽だまりや薄紅色に枝垂桜

初桜ふつくら咲いてゐたりけり　　

俳句集パンチ 2穴で春日和

いぬふぐり知らない花の散歩する

一種いけ教えてくれた霞草

春の朝谷そこおおい一枚の霧

朝桜ゆつくり押す車椅子

本堂は漆黒枝垂れ桜かな

朝桜釣竿水面に滑るやう

2015-4

和太鼓とお囃子のゐて城桜

お握りを作り歌ふや花曇

桜鯛ご飯にほぐす土鍋かな

春月や肉眼見える赤銅色

絵を描くクレヨンの青春日影

窓見える子供もいない菜種梅雨

てふてふのひらひら遊び晴れにけり

囲ひして日差し遮り独活を植う

茄子蒔いてトンネルのごと覆ひけり

春の空咲われ歌う花見山

花筏朱色の橋に津軽弁

春霞母と行く寺の鐘の音

芥菜や仲睦まじい道祖神

海遠き町並通る桜蘂

春キャベツバラ肉旨し平野レミ

朝日見るそっと漕ぐ舟に水温む

長閑なる個展を見たり宿場かな

大藤や誘う見える写真撮る

黄の色の山吹草に目を止める

あっけらかんおっとりおちゃんに仔馬かな　　

はなみずき彩り添える散歩道

夏近し小さな宮の玉の砂利

長閑さや茅葺屋根の駅舎にて

藤の花赤き橋渡りゆきしまま

苗代や日の落ちるまで植ゑ付ける

井伊家の猫招き入れ春深し

春暑し図書館までの長き坂

青海苔の水戸納豆に薬味つけ

春日和三脚置いてカメラ切る