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全ての始まりは『プロデューサーズ』だった?『バック・トゥ・ザ・フュチャー・ザ・ミュージカル』誕生秘話

2023年3月、ロンドン・ウエストエンドでBTTFを観て、深く感銘を受けました。私の極限まで弱った精神状態というバイアスがあったものの、BTTFは誰もが夢に見たことを、舞台上で実現させていたからです。

夢と現実の境界に位置する劇場だからこその体験。このリマーカブルな作品はどのように創られていったのでしょうか。

始まりはプロデューサーのひとりが、『プロデューサーズ』のブロードウェイ公演で、ロバート・ゼメキス(BTTF映画監督)を見かけたことから、BTTF舞台化のアイデアを持ち、交渉が始まります。

誕生秘話の登場人物は下記の通りです。
●Leslie 仕掛け人
●Bob(Gale) 映画BTTF脚本担当
●Robert(Zemeckis) 映画BTTF映画監督
●Alan(Silvestri) 映画BTTF作曲担当
●Glen(Ballard) 
 映画ポーラー・エクスプレス作詞担当

レスリーからミュージカル化の提案を受けたボブは、彼女の意思に賛同し、「映画のリメイク、続編という形にはしたくない」とロバートと話していたようです。

これまでにも様々な提案を受けてきていた彼らは、すぐに金銭面の話に進んでいくことに、嫌気がさしていました。

レスリーからの提案は、彼女の劇場愛に満ちたものであったと同時に、『プロデューサーズ』の舞台⇄映画の見事なコラボレーションという前例が彼らの背中を押しました。

The Producers @ Broadway Theatre

BTTFの映画を見たことのない人々にも届け、楽しんでもらいたい、こうして彼らの冒険は始まったのです。

さてプロジェクトを進めることにしたボブとロバートは、ある人物の参加なしには、進めることができないことを理解していました。

それが、映画史に名を刻んだ誰もが聞いたことのあるメインタイトル等を作曲した、アランでした。

そしてもう一人、ロバートの頭に浮かんでいたのが、グレンの存在でした。グレンは、ロングセラーの絵本をベースにロバートとアランがタッグを組み創られたミュージカルアニメ映画『ポーラー・エクスプレス』で作詞を担当していました。

蛇足になりますが、この『ポーラー・エクスプレス』日本ではあまり知られていませんが、アランの音楽が美しいだけでなく、トム・ハンクスが車掌の声優を担当し、味のあるキャラクターに昇華させていたり、サンタを信じていない主人公の心の移り模様が繊細に描かれていて、好きな映画の一つです。

The Polar Express

2007年2月5日。
ところはカリフォルニアロバートのオフィス。

ボブ、ロバート、アラン、グレン。
こうして4人のミュージカル創作経験0のチームが結成されました。

“If you put your mind to it, you can accomplish anything”
劇中のドクの言葉に導かれる形で。

To be continued…

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