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現地直送!BBCプロムス2023鑑賞記(1)

憧れのBBC Promsを、ほぼ毎晩楽しんでおります、SHNSKです。アルルからニースに向けての南仏の旅の後、8月4日にイギリスに入国。以来、最高の雰囲気の中、音楽を楽しんでいます。

一公演ずつレビューしていきたいと思います。
ご質問や感想、クラシック音楽談義等、コメントいただけると嬉しいです。

※南フランス編は後ほど、更新したいと思います。
※演劇・ミュージカルに関しても別途、更新していきます。

8月4日 Prom27 YUJA WANG PLAYS RACHMANINOV

指揮:クラウス・マケラ
ピアノ:ユジャ・ワン
バリトン:トーマス・ハンプソン
オーケストラ:BBC交響楽団

日本でも近年人気急上昇中のマケラが登場。ソリストの二人も超人気キャスティングで、かなり前の段階でチケットが完売しておりました。

が、公演当日の朝10時30分からネットで当日券を買えるチャンスが!対象はProms名物のアリーナと最上階。ともに基本スタンディングエリアです。
しかもこちらのチケットは£8(日本円で1,500円弱)とあって、演目・キャスティングに加えて争奪戦になる理由になっています。

ちなみに基本飲食は一食あたり£10以上するため、チケットは、文字通り「飯より安い」のです。

この日まだフランスのニースにいた僕は、時差+1時間あるなか、なんとか最上階のスタンディングチケットを確保し、ロンドンに飛ぶことになりました。

無事ロンドンに到着し、チェックインを済ませた僕は、フランスにいた頃から「ロンドンに着いたらまず行こう」と決めていた、チャイナタウン入り口にあるレストラン『みさと』へ。牛丼やうどんをはじめとした日本食が比較的やすくいただけるので、ロンドン滞在時は、お世話になっています。

食事を済ませ、いざロイヤル・アルバート・ホールへ。アルバート・ホール自体へは、今年の春にロイヤル・フィルの演奏を聴きに行っていたので、2度目となります。

30分前に到着し最上階に上がると、陣取りが既に済んだあとで、どこなら覗けそうか、探すことに。楽譜を持った方も多く、リラックスした雰囲気で開演を待ちます。

ロイヤル・アルバート・ホール立ち見エリア最上階の様子

このコンサートの気になる曲目は、こちらの通り。
●Jimmy Lopez Bellido / Peru negro
●ラフマニノフ/パガニーニの主題による変奏曲
Intermission
●ウォルトン/ベルシャザールの饗宴

UK初演となったBellidoの楽曲は、ネクストラテン圏クラシックの人気曲に
なりそうな、グルーヴ感がたまらない一曲でした。近くで聴いていた人生のベテラン勢も気に入っていたようなので、日本でもいつの日か演奏されるのではないでしょうか。

ユジャ・ワン人気は凄まじく、登場するだけで歓声が。
かなり前から彼女の演奏は聴いていますが、ちゃめっけのあるお辞儀やセクシーな衣装は変わらず、キャラクターのブレなさに感心しました。

5月末にニューヨークMETで『魔笛』を観た以来の生演奏。身体に染み入るものがありました。日本のCMでもよく使われる、『パガニーニの主題による変奏曲』の第18変奏は、やはり名曲。

急に宙に浮き、宇宙を漂っているような浮遊感。
届きそうで届かない距離にある星を目掛けて飛んでいく。
是非、目を瞑って一度聴いてみてください。

ウォルトン『ベルシャザールの饗宴』を知ったのは、数年前にPromsの映像をYoutubeで見つけたことがきっかけでした。

「こんなカッコ良い曲をウォルトンは書くんだ」と衝撃を受けた記憶があります。

その後、日本でも何度か聴きましたが、なかなかこれという演奏にあえず。
今回はマケラとあって、期待大でした彼の面白いところは、テンポ・音量ともにコントラストを生み出すのが上手いところで、「おぉそう来るか」と毎回思わせてくれるところです。今回もそのまま走り抜けそうなところを、一度急ブレーキをかけて、その後、前を上回るパワーで駆け抜けていきました。

Promsデビューとなったこの公演。この後、すごい演奏体験を毎晩のように更新していくことになるとは、思ってもいませんでした。

合唱はBBC響合唱団でした

次回は、日曜朝に聴く贅沢すぎる『モーツァルト/ハ短調ミサ曲』。
シンフォニア・オブ・ロンドンによる、超絶痛快な『ウォルトン/交響曲第1番』(ロンドンのオケ事情が豊かすぎることについて)を更新したいと思います。

SHSKE

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