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パフォーマンス管理のための、習慣化させるメンズヘルスケア<SENN 吉岡さん×クリニックTEN渋谷 マーク 対談>

2022年11月22日、クリニックTEN渋谷と東京広尾の複合施設 EAT PLAY WORKSが共同で忙しいビジネスパーソンに向けたヘルスケアセミナーを開催しました。
当日は、ライフスタイルブランド「SENN」を運営し、“Less is beauty”の思想を広げる株式会社TO NINE 共同代表取締役 吉岡芳明氏を招き、クリニックTEN渋谷院長・と荘子万可(以下、マーク)が対談。
「パフォーマンス管理のための、習慣化させるメンズヘルスケア」をテーマに、ビジネスパーソンがより良いパフォーマンスを発揮し続けるためのヘルスケアの習慣化についてトークを行いました。当日のトークショーの様子をレポートします。

<プロフィール>

荘子 万可(MARK SOSHI) 
クリニックTEN渋谷院長
杏林大学医学部卒業後、京都府立医科大学 泌尿器科学教室に入局し、泌尿器科、男性医療、透析医療に従事。京都府立医科大学泌尿器科学教室病院助教を経て、クリニックTEN渋谷を立ち上げ。男性がより良く生きる上での課題に取り組む中で、アンチエイジングに関しても造詣を深め、2021年には日本抗加齢医学会専門医を取得。日本メンズ・ヘルス医学会 テストステロン治療認定医。

吉岡 芳明(YOSHIAKI YOSHIOKA)
株式会社TO NINE 共同代表取締役 / 株式会社二重 代表取締役社長
サイバーエージェント・グループにて新規事業を担当。2016年から株式会社TO NINEに参画。2017年に株式会社スマイルズら4社で合弁会社「二重」を設立。D2Cブランド型ビジネスを中心とした自社事業、共同事業、支援事業を展開。2020年からスキン&マインドケアのブランド「SENN」を運営。

メンタルケアやヘルスケアは、ビジネスのパフォーマンス向上にも欠かせない。

吉岡:僕はセルフコンパッション※を意識し大事にしていて、それを軸にしたブランドをやりたいと立ち上がったのが2019年頃でした。当時、AppleのCEOのティム・クック氏もヘルスケアや心について話していたり、ハーバード・ビジネス・レビューにもセルフコンパッションやマインドフルネスという言葉が出始め、世の中全体が自分自身と向き合うことに向かっていくだろうと予測していました。クリニックTENに来る方はそういった意識の方が多いのでしょうか?
※自らの欠点、失敗、または人生におけるさまざまな苦しみに直面した時に、自分自身への思いやりを実践すること

マーク:そうですね。来院される理由は様々ですが、僕が診ているメンズヘルス外来でいうと、症状がすでにあってそれを治したい方もいますし、健康をアップデートしたいという方も多いです。傾向として後者は経営者の方々が多いですね。

吉岡:なるほど。最近はウェルビーイング経営って言葉も出ていますね。自分のヘルスケアやメンタルケアをすることで会社全体のパフォーマンスをあげることが注目され、マイクロソフトや楽天も行っているようです。世の中のビジネスマンがそっちに向かおうとしている気がします。クリニックTENにビジネスアスリートをたくさん生み出してもらいたいです。

マーク:メンズヘルスは男性ホルモンにフォーカスしたもので、男性ホルモンはパフォーマンスを向上させます。男性ホルモンと聞くと世間一般では筋肉や性器のイメージが強いですが、実はメンタルにも影響するんです。

男性ホルモンのテストステロンを高めると、メンタルも安定

吉岡:僕もこのあいだ、今日の対談に向けてテストステロンの検査をしてもらったんです。男性ホルモンがメンタルにも影響を与えていることって意外と知られていないですよね。

マーク:そうですよね。人間はホルモンに影響を受けているので、男性ホルモンを高めると自信に満ち溢れ、仕事のパフォーマンスもあがるし生活習慣病の予防にもなります。テストステロンはYouTubeでホリエモンさんやDAIGOさんが検査をしていて話題になりました。もっと世間に目を向けて欲しいと思っています。

吉岡:テストステロンとはどういうものなのですか?

マーク:テストステロンは男性ホルモンの代表であり、重要な性ホルモンです。 性機能や筋肉だけではなく、脳に対する作用が強いため、テストステロンを高めると性欲や攻撃性をドライブできます。これが下がると、意欲が低下したり集中力が低下したり疲れを感じやすくなったりします。テストステロンは筋肉を増やし体脂肪を減らし、骨を強くするために必要なホルモンなので、糖尿病やメタボのリスクも下げます。 

吉岡:それはかなり重要ですね……!

マーク:そうなんです、テストステロンのコントロールはよりよく生きるためにはとても重要なんです。テストステロンは加齢により低下していくもので、じわじわと年齢が上がると下がっていきます。慢性的なストレスがかかると下がるので、40代以降急激に減少するケースもあります。実は男性にも更年期障害ってあるんです。女性は閉経にかけて女性ホルモンの分泌が下がることで起きますが、男性はゆっくり下がっていくので症状としては感じにくいし認知しにくいんです。じわじわとパフォーマンスが落ちていくのが男性ホルモンです。なので、現在地を知りつつテストステロンをあげていくのは重要ですね。

テストステロンを高めるには、強いスポーツチームを応援すること?

吉岡:テストステロンを下げないためには、ストレスを溜めないことが大切なのですか?

マーク:そうですね。ストレスはいろんな種類がありますが、身体へのストレスもメンタルも下げる要因になります。

吉岡:事前の打ち合わせの際、マーク先生がテストステロンを下げないために巨人を応援しろって仰っていたのが印象的でした(笑)

マーク:そうなんです。どうすれば高くテストステロンを保てるのかというと、一番はポジティブなマインドセットを持って物事を達成した時にテストステロンは上がるんです。ちょっとした成功体験を積み重ねることが大切で、なので僕は強いスポーツチームのファンになることをオススメしています(笑)。テストステロンは狩りのホルモンなので、起業家やトレーダーに多いことが多いです。エネルギーを達成していく循環に欠かせないものです。

吉岡:メンズヘルス外来ではテストステロンを高めるためにどういった治療を行うのですか?

マーク:注射や塗り薬で体内に入れていきます。アメリカだとプロジェクト単位の仕事で補充したりもしますし、日本でもそういった方はおられますね。自分の仕事やプライベートの状況に合わせて、ブーストをかけるようにうまく付き合っていくことが大切です。テストステロンの補充に関する副作用としては精巣機能の低下があり、外からホルモンを入れることで自分の機能が下がる可能性があります。そうすると常に外に頼らないといけなくなってしまうので、無視できない副作用です。

吉岡:なるほど。塗り薬の場合、どの部位に塗って補強するのですか?

マーク:一番吸収がいいところは性器や太ももの内側や、顎の下とか日に当たらないところですね。
日本では保険適用ではないので自費診療になるのですが、「グローミン」という塗り薬が市販の塗り薬でテストステロンを配合してます。ただ市販薬なので含有量は薄いため効果を感じないかもしれません。気になることがあればお気軽にTENのメンズヘルス外来にお越しください。

吉岡:ありがとうございます、とても為になるお話でした。

およそ45分ほどの対談から、普段あまり意識してこなかった男性ホルモンの機能や必要性についてトークを広げ、会場からの質問コーナーへ。

Q.現在37歳なのですが体調が万全じゃない日が多くて悩んでいます。ハイパフォーマンスを意識するために心がけることはなんでしょうか?

吉岡:僕はパフォーマンスのためにもセルフコンパッションを取り入れているのですが、その中で大事なことは4つあり、まずは気づくこと。次が受け入れること。ストレスがあると気づいたら反抗せずにまず受け入れ、そしてストレスの原因を探ること。重要なのが最後、手放すことです。自身の原因を探ったあとはそれに囚われないで手放すことが大切で、真面目な人は4の手放すことに到達せず、対処しようとしてしまいます。そうではなくて、囚われずに楽観的でいることが大事。これはハーバードビジネスレビューの受け売りなので、ぜひ読んでみてください(笑)

マーク:なるほど、探求するところまではいけても手放すのって難しそうですね。

吉岡:僕は父親に『最終的にはいなおれよ』って言われて育ってきたんです。”いなおる”って言葉は父親から教えてもらった大事なことだと思っていて、最終的にはさじを投げてもいいんだよ、って教えだったと思っています。それがまさに手放す、ですね。

マーク:テストステロンを下げないためにストレスを解放するためにも、”手放す”はとても大事ですね。探求し続けると息が詰まった時に悪い循環に落ち込んでいく可能性がありますが、最後の手放すはすごく腑に落ちました。得るものだけ得て、悪くなっていきそうなところは削り取っていくことが大切ですね。

吉岡:そうなんです。20代の頃はどんどんいけいけ!の精神でいけたものが、歳を重ね背負うものが多くなった時、4ステップ目はすごく大切になってきます。マーク先生はパフォーマンスを保つために意識していることはありますか?

マーク:僕は睡眠ですね。テストステロンは朝が一番高く、寝ている時に作られます。なのできちんと寝ることは大切です。

吉岡:ちゃんと寝て、テストステロンを高めてこそ狩りに行ける、ということですね。
狩りをするためにも、なんとかなると思ってメンタルがどうしようもない時には手放して行くことが大切そうです。

マーク:そう思います。溜めすぎず、よく寝て、手放すを心がけてみてください。

Q. ダメだと分かっていてもラーメンを食べてしまいます。不摂生をどうしたら抑えられますか?

マーク:健診でも不摂生についてはよく聞かれるんですが、食べていいんですよね、全然。お酒についても医学的には健康被害は一滴で始まると言われていますが、かといって飲んでいけないわけではない。ただ、体に悪いと分かっている上で飲むのと惰性で飲むのは全然違うので、なんとなくではなく自分できちんと自分の意思で飲んだり食べたりすることが大切です。事実としては塩分や脂質は積み上がっていきますが、長い目線の話なのでできる範囲でストレスに感じないくらいでやり続けるのが大事です。

Q. テストステロンは歳をとっていくと衰退していくという自然な摂理に対して、注入したりと外部からコントロールするのは良いことなのでしょうか?

マーク:テストステロンをあまりにも高く保つと副作用は起こり得ますね。ただ、今分かっている事実としては、テストステロンが少し高い人たちの方が生活習慣病のリスクが低いので、それらを予防する効果は少なくともあります。心筋梗塞やメタボは人生の最後に皺寄せを起こす疾患で、人生最後の10年から20年のQOLをとても下げてしまいます。過度にテストステロンを入れすぎるとリスクがあるのは否めないですが、適度に高めることはよいのではと言われています。

吉岡:バランスをとるのが大切ですよね。自分が不調だったら上げたりと。

マーク:そうですね。自身のテストステロンが年齢とともに下がっていくことを知ったうえで、少しづつ上げていこうという目線は大切ですね。

Q. 日頃忙しく活動されているお二人ですが、日々を乗り切るために常日頃大切にしている習慣はありますか?

マーク:結局、エビデンスベースにやっていこうとするとシンプルなことなんですよね。ちゃんと寝るとか、日焼けを避けて保湿をして肌を擦らないとか。これは美容にも繋がることですが、大体のことは睡眠が解決するという説もあるのでちゃんと寝る、を大切にしています(笑)

吉岡:分かります、シンプルですよね。SENNはまさにそういう思想で作っているブランドで。”減らす美容”というのを意識しています。世の中は美容に関する情報や商材に溢れていますが、以前美容系のOEMの社長が『よく寝る、食べるが大切』と話していて、これが真理なんだなと思いました。肌のメカニズムを知ると余計なことをせずに、シンプルで良いと気づけます。
あと、僕は日々散歩瞑想をしています。家の前が街路樹で、自分の体調に合わせて走ったり歩いたりしながらディープシンクをしています。その時間があるかないかで全然パフォーマンスが違うんです。瞑想によって自分のWILLと向き合い、自分の道の再確認をしているので大切なルーティーンワークです。瞑想というと座って行うと考えがちですが、自分と向き合う時間はどこでも作れるので、自分と会う時間を意識的に作ることが大事ですね。

Q. 先ほどのトークの中で、強いスポーツチームを応援するとテストステロンが出ると仰っていましたが、例えば好きな声優やキャラクターを応援することでもいいのでしょうか?なんにでも熱狂することでテストステロンが出るのでしょうか?

マーク:そうですね、どっちもあるんじゃないかと思います。応援していることで上がる部分もあると思いますし、さらに勝つことでなおさら上がる。自分が応援したいものを応援しましょうというのが大切なことで、好きなチームを応援するのは大前提にありつつも、そのチームが勝てば上げられます。

吉岡:小さな成功体験でも良いのですもんね。

マーク:そうですね、自分への期待値を下げることも大切です。今日もちゃんと起きたえらい!とか日常のささいなことでも自身を褒めてあげたり。

吉岡:悲観主義をやめて、心理的安全性の中で自分の心を守っていくというマインドセットは大事ですね。ウィルビーイング経営という意味の中にも、ちゃんとやるべきときにやる、サスティナブルにビジネスをするというのが大切で。長い目で見て負荷をかける時はかける、かけないときはかけないといったコントロールが必要です。

マーク:ウィルビーイングって自己犠牲が得意な日本人にとって、なかなか難しいのかなって思います。どうしたら日本人らしくウィルビーイングを心がけられると思いますか?

吉岡:そうですよね。日本人は自己犠牲の国民性なのでどうしても自分を第一に気にかけることが難しい傾向はあります。自己犠牲の対極にあるのが競争心理の中で何かを成し遂げる自己実現というものがあるとしたら、ウィルビーイングな状態って、自分らしさが価値として認められている自己生存な状態であると言っている方がいるんですよね。自己生存な状態って自己犠牲と自己実現の間にあるバランスの取れた状態であり、これは日本人らしさでもある、"中庸である"という価値観と似ていると思っていて、日本人はウェルビーイングに合っている価値観を持っていると思います。自分生存な人を増やす社会にするためにも、経営者が率先してそうした意識や思想を持ってウィルビーイングな暮らしをしていくことが大事なのかな、と思います。


1時間のトークセッションのあと、今回協賛いただいたGIZMODO JAPANが運営するメンズアンダーウェア「UNSUNG」のプレゼンテーションへ。「UNSUNG」は、蒸れない・ずれない・すぐ馴染む、買い替えから解放されるアンダーウェアです。Makuakeでは1800%の達成をし、500名以上が購入している今注目のメンズアンダーウェアです。

その後、登壇者と参加者はお酒を交えた交流会へ。日頃のメンタルケアやヘルスケアについてなど、日頃の悩みを気兼ねなく話す場所として盛り上がりを見せました。

医療のハードルを下げ、働き世代のかかりつけ医を目指すクリニックTEN。
今後もクリニックTENでは、こうした企画・トークショーを通してヘルスリテラシーの向上を目指していきます。ご一緒にコラボしたい企業様、イベント企画者さまも随時募集しております!お問い合わせは https://support.clinicten.jp/hc/ja/requests/newまで。

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EAT PLAY WORKSは、これからのビジネスパーソンに向けた、ユニークでエクスクルージブなコミュニティを提供する、食とウェルネスとワークカルチャーが融合した複合施設。

「食べて」「遊んで」「仕事して」をコンセプトにデザインされた施設には、1-2Fは国内外で注目を集める銘店の新業態17 店舗が集結するレストランフロア「THE RESTAURANT」、 3-4階はメンバーとそのゲストのみが利用できる大人のためのメンバーズラウンジ、5-6Fは、1名から賃貸可能な完全個室のオフィスフロアです。

3-4F メンバーズラウンジ、5-6F オフィスフロアの入居者を募集中。
ぜひEAT PLAY WORKのHPより、お気軽にお問い合わせください。
HP:https://eatplayworks.com/

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「次世代型かかりつけクリニック」を目指し、2021年5月6日に東京都・渋谷駅徒歩0分圏内に開業。完全WEB 予約制、待ち時間ほぼゼロを掲げた新しいコンセプトのクリニックです。

WEBでの予約や事前問診、LINEでのアフターフォローなど、テクノロジーを用いた医療体験を提供。院内は茶室をイメージし、患者様がリラックスして受診できる空間を設計しています。
所在地:〒150-0002 東京都渋⾕区渋⾕2丁⽬20­-12 渋⾕⽇永ビル2F
診療科:内科 / ⽪膚科 / 泌尿器科 / 健康診断 / メンズ・ヘルス外来 / 睡眠外来
診療時間:平⽇9:00~22:00 / ⼟⽇祝 9:00~18:00
クリニックウェブサイト:https://clinicten.jp/
お問い合わせ:https://support.clinicten.jp/hc/ja/requests/new


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