未完成婚、オープン・マリッジ契約②~きり出すよ離婚☆きらめけ30~

それは義理の両親と、夫と私、4人でお買い物に出たときでした。

何気ない会話の流れで、

「私、もう、30歳、過ぎてしまいました」

自分でこれを言ったあとに、

……ああ、もう限界なんだな、私。

と、思ってしまった。

結婚したのは20代後半。
そのとき「いい時に結婚できたな、私」って、正直思ってたんだよね。

(今思うと何の躊躇もない平手打ちで張り倒したいんですけど。笑)

でも、どんなにお金を払っても手に入れることができない「若さ」を武器にして、
女に賞味期限があるって勝手にイメージして。

そう、
私、
正真正銘の、
 “オメデタイ奴” だったのですよ。

だからなの?罰当たり?私、そっか、悪いことしてたのかな。

ああ、終わってしまった。結婚して、処女のまま、20代。

29歳最後の日。
あんなに悲しくて泣いた誕生日前日は、確かに無かった。

そんなことを、考えたくないのに、
頭の中で、被害妄想。
勝手にどんどん広がっちゃう。

あれ?

抑えられない。

義理の両親の前なのに、泣いてしまっていた。

ぽろぽろ。

ぼろぼろ。

「私は、要らないんでしょうか」

自分の親でもない人たちに、

何言ってるんだろう、私。

気をきかせてくれたのか、義理の両親は帰ってくれた。

夫と、ふたりにさせてくれた。

街中。

感情的になってはいけない。

「ケーキ、食べない?」

どちらから言い出したか忘れたけれど、
クリームがたっぷりのったケーキが見えたカフェに入って、話した。

夫「気づけなくて、ごめん。
  何が辛いのか、わからない。
  言ってほしい。」

私「たぶん、わかってるんじゃないかって、
  私は思ってしまっているよ。
  あのさ、だから、
  意見を聞かせてほしいんだけど。
  ……離婚したくなってきたの。
  理由は、わかるよね?」


原因は、どちらにも、ある。

そう確認し合って。

「そうか。じゃあさ……」

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