見出し画像

JOL2018-2 ベジャ語

画像1

画像2

LevelA、対応/統語

語彙の把握と、語順とそれに伴う意味の変化の特定をする問題です。日本語では少し解釈が難しい表現が出てきますが、しっかりと情報を整理して語彙対応と規則を導き出すことができれば難なく解くことができます。


対応問題であり、与えられた文章に対応する日本語訳はランダムな順番に並んでいます。そこで、まずはベジャ語の文と日本語訳のそれぞれについて使われている単語とその回数を整理します。

・ベジャ語

rihan→8回(うち変形しているrihane、rihaneebがそれぞれ1つずつ)
tak→7回
akteen→3回
yaas→2回
dabalo→2回(うちdabaloob1回)
akra→2回(うちakraab1回)

・日本語訳

見た→8回
男→7回
知っている→3回
犬→2回
小さい→2回
強い→2回


すると、ベジャ語では一部の語が変化することが分かります。(具体的には、原型+e、原型+原型の語末の母音+bの2種の変化が見られます。)
また、語彙の種類と使用回数が一致しているため、特に特殊な言い回しが使用されていないことが推測できます。
ここで、8回、7回、3回現れる語彙は両言語ともに1つずつしかないため、対応させることができます、

rihan=見た
tak=男
akteen=知っている

すると、
1.Tak rihan=ク.男を見た
であることが分かります。(他に男、見たを1つずつ含む選択肢は存在しません)同様に、
7.Tak akteen=ケ.男を知っている
だと分かります。また、このことから、ベジャ語の語順が目的語+動詞であることが推測できます。
同じ要領で2語で構成される文が分析できると考え、2.Yaas rihanに注目します。日本語訳のうち2語で構成されている未解読の文は カ.犬を見た の1つしかありません。よって、
2.Yaas rihan=カ.犬を見た
であり、yaas=犬であることが分かります。


2語で構成される文の分析が終わりましたが、他の文の分析をする前に未解読の語彙dabaloとakraの特定をしてしまいます。先ほどyaas=犬であることが分かりましたが、yaasと犬はそれぞれ2回ずつ現れているため、もう1つこの語彙を含む文章の組があります。よって、
4.Dabalo yaas rihan=エ.小さい犬を見た
であることが分かります。さらに、このことからdabalo=小さい、であることが分かり、残っているakraが「強い」と対応することが分かります。
ここで、これまで登場した語彙をすべて整理すると

・名詞
tak=男
yaas=犬

・動詞
rihan=見た(rihane、rihaneebに変化)
akteen=知っている

・形容詞
dabalo=小さい(dabaloobに変化)
akra=強い(akraabに変化)

となります。これらのことから、残り5つの文章についても組み合わせを特定していきます。同じ語彙が使われていて、語順だけが異なる文章の組があるため、それを整理します。


3.Akra tak rihan
5.Tak akraab rihan
ア.「男が強い」のを見た
オ.強い男を見た


8.Rihane tak akteen
9.Tak rihaneeb akteen
イ.見た男を知っている
キ.見た男を知っている

③仲間はずれ(同じ語の組み合わせが含まれるものが他にない)
6.Tak dabaloob rihan
ウ.「男が小さい」のを見た
より
6.Tak dabaloob rihan=ウ.「男が小さい」のを見た


4.Dabalo yaas rihan=エ.小さい犬を見た

6.Tak dabaloob rihan=ウ.「男が小さい」のを見た
を比較すると、
(1)形容詞+目的語+動詞=(形容詞)な(目的語)を(動詞)する
(2)目的語+形容詞(変形)+動詞=「(目的語)が(形容詞)」なのを(動詞)する
という規則があるのではないかと推測できます。すると、①は
3.Akra tak rihan=オ.強い男を見た
5.Tak akraab rihan=ア.「男が強い」のを見た
ということになります。

最後に②を分析するのですが、動詞rihanがrihaneと変化しているうえ、2文とも日本語訳が同じなので、少々厄介です。


8.Rihane tak akteen
9.Tak rihaneeb akteen
イ.見た男を知っている
キ.見た男を知っている

ここまでで分かった形容詞の扱いから考えると、rihaneは動詞rihanを形容詞化したものではないかと予想を立てられます。日本語訳では「見た男を知っている」となってしまいますが、無理矢理英語訳をするならば
8.Rihane tak akteen=I know the man whom I saw 
となるでしょう。
9.Tak rihaneeb akteenについても先ほどの規則
(2)目的語+形容詞(変形)+動詞=「(目的語)が(形容詞)」なのを(動詞)する
を当てはめるて英語訳すると
9.Tak rihaneeb akteen=I know that the man is whom I saw
となり、非常にくどい言い方になってしまいますが、日本語に直訳すれば「その男が私が見た男」なのを知っている、なので、簡潔に「見た男を知っている」ととらえることにも納得できるのではないでしょうか。(強いて言えば、8は男を知っていたことを、9は男を見たことを強調する表現である、といったところでしょうか)

<1~9まとめ>
1-ク
2-カ
3-オ
4-エ
5-ア
6-ウ
7-ケ
8-イまたはキ
9-イまたはキ


あとは、ここまでで見つけた規則に従って和訳するのみです。(英語と同様文頭が大文字になることに注意)
<規則>
・2語のとき
目的語+動詞=(目的語)を(動詞)する

・目的語が形容詞で修飾されるとき
(1)形容詞+目的語+動詞=(形容詞)な(目的語)を(動詞)する
(2)目的語+形容詞-追加の語末の母音-b+動詞=「(目的語)が(形容詞)」なのを(動詞)する

10.ロバを見た
語順は目的語+動詞なので
Mek rihan

11.幸せな男を見た
(1)型なので
Kwati tak rihan

12.友達が幸せなのを見た
(2)型なので
Araw kwatiib rihan

13.強いロバを知っている
(1)型なので
Akra mek akteen

14.「犬が小さい」のを知っている
(2)型なので
Yaas dabaloob akteen

15.知っているロバを見た
(1)型とも(2)型ともとれます。動詞rihanが形容詞化してrihaneに変化したことから、動詞-eで形容詞化できると考えられます。よって、
Akteene mek rihan
または
Mek akteeneeb rihan

16.Kwati mek rihan
(1)型なので
幸せなロバを見た

17.Akraab araw akteen
Akraabは(2)型に使われるので文頭に来るのはおかしいですね。
よって、
修正:Akra araw akteen
訳:強い友達を知っている
または
修正:Araw akraab akteen
訳:「友達が強い」のを知っている

18.Akteene yaas rihan
(1)型なので
知っている犬を見た

19.Mek dabaloob akteen
(2)型なので
「ロバが小さい」のを知っている


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?