こんにちは！
　桜が満開を迎え，お花見を楽しんでいる方も多いと思いますが，皆様いかがお過ごしでしょうか？
　さて，今回は春休み中に映画を見ることが多かった僕が印象に残っている作品（邦画）についての感想を書き連ねたいと思います。それでは参ります！

※　ネタバレを含む要素を書いている可能性があるので，気になる方は作品をご覧になってから読むことをおすすめします。

①　遥かなる山の呼び声

1980年公開／監督：山田 洋次／主演：高倉　健

　北海道・中標津で酪農を営む主婦の民子（倍賞 千恵子）と子供の武士（吉岡 秀隆）の元に雨が降りしきる日に突然やってきた田島 耕作（高倉　健）。彼の懇願により，牧場で働くことに。真面目で仕事熱心，時には強い。そんな田島の姿を見て，最初は不審に思っていた民子と武士も徐々に彼を信頼するようになっていくが，田島は逃亡中の殺人犯だったというストーリー。
　のどかな自然の中で描かれる三人の物語は季節の移ろいと共に進んでいくのが印象的なのと，警察の追っ手から逃げながら生活している田島の緊迫感は見ていてドキドキさせられる部分もあります。寡黙で仕事熱心な男を高倉　健さんに演じさせたら右へ出る者はいないのではないかというくらい素晴らしい演技で，時には乗馬やアクションまでこなしてしまう多才っぷりは日本の映画界を代表し，亡くなった今でもなお語り継がれている所以かなとも思います。
　個人的には警察に自ら出頭した田島が刑務所のある網走まで電車で護送されるラストシーンで田島の仲間となった者達が民子達の近況を伝える場面は思わずグッときました。令和の今に見ても色あせない昭和の名作だと思います。

②　Love Letter

1995年公開／監督：岩井 俊二／主演：中山 美穂

　北海道・小樽と神戸の二つを舞台にした奇妙な恋文から始まるどこか不思議でどこか切ないラブストーリー。
　神戸に住む渡辺 博子（中山 美穂）は山岳事故で亡くなった婚約者の藤井　樹が昔住んでいた小樽の住所に手紙を出すと，返ってくるはずのない返事が返ってきた。そこから文通が続き，中学生時代の物語へ。樹の学生時代には同姓同名のクラスメイトがいて…という物語。
　物語の鍵を握る博子の友人・秋葉を豊川 悦司さんが演じているんですが，トヨエツの関西弁がどこか新鮮だけど見ているうちに腑に落ちてくるのはトヨエツの演技力の高さなのかなとも思います。学生時代の“2人の藤井樹”をそれぞれ酒井 美紀さんと柏原　崇さんが演じているのですが，この2人はドラマ「白線流し」（フジテレビ）で共演しており，その時の2人を見てから映画を見るとまた違った感情で見られると思います。
　物語のラストに亡くなった樹が眠っている山に向かって博子が「お元気ですか　私は元気です」と何度も涙ながらに叫ぶシーンはとにかく印象的でした。長年断ち切れなかった樹への思いを断ち切るべく，何度も叫び，それがやまびこで何度も返ってくる。なんともいえない切なさを感じてグッときました。
　最終盤の学生時代に転校した樹（男子）が図書カードの裏に樹（女子）の似顔絵を描いていたというところから密かに樹（男子）が樹（女子）へ思いを寄せていたことがわかるシーンがあるのですが，そこもまたどこか粋さを感じて素敵だなと思います。

③　水は海に向かって流れる

2023年公開／監督：前田　哲／主演：広瀬 すず

　通学のために叔父の家に居候することになった直達（大西 利空）だったが，案内されたのはくせ者だらけのシェアハウス。ちょっと無愛想だけど料理上手の榊（広瀬 すず）をはじめ，様々なメンバーと暮らす中でお互いの複雑な事情も明らかになっていき…というストーリー。
　くせ者揃いだから毎日が平凡なわけがなく，大なり小なりさまざまな事件が起こりながら進んでいく話がとても面白かったのと，榊さんの無愛想な性格が直達と出会って徐々に変わっていく様子が丁寧に描かれていて，とても素敵なヒューマンドラマになっているなと感じました。榊さんを演じる広瀬 すずさんの演技は言うまでもないですが，直達を演じる大西 利空さんの健気でどこまでも素直でまっすぐな高校生の直達の等身大の演技はとても素晴らしいです。同世代とは思えないほど…演技に透明感さえ感じました。
　個人的にはラストシーンで榊さんと直達が海辺でじゃれ合うようなシーンがあるのですが，そこから二人に芽生えた信頼関係を伺うことが出来ますし，二人が心から楽しみながらこのシーンに臨んでいるというのが伝わってきて素敵だなと思います。

　ということで，僕が最近見た映画の感想を書かせて頂きました。いかがでしたか？皆さんも機会があればこれらの作品是非ご覧になってみてください！
　春先で体調崩しやすい時期かとは思いますが，皆様お体ご自愛ください！それではまた！