続:天気予報の「UI」の方向性-「演じる天気」の意味は?
福岡ローカルで朝放送されているニュース番組「アサデス。KBC」。この番組の天気予報のUIについて、私は前に一度取り上げたことがある。
「天気予報の「UI」の方向性」
https://note.com/clutchman/n/n39297c02d5f0
今回は、この続編。テーマとしたいのは、番組の最後のお天気コーナーの以下の画面だ。
多分4月くらいだろうからか、「演じる天気」というコーナーが出てきた。左側のアシスタントが、その日の天気を「演劇」で表現しているのだ。
私の第1印象は、以下。
・あまり意味はない。
・この尺をやる余裕があるのなら、なぜこういう天気になるのか、専門的な見地を踏まえながら素人でもわかりやすく説明するコーナーにしてほしい。
(例:ここで暖かい空気と冷たい空気がぶつかって雨雲が発生して…というのを頭上で書いて説明する。例は最後に。)
・ただ、これはあくまで私の意見で、これをわかりやすいと喜ぶ視聴者がいると考えたからやったのだろうな。リサーチしてないはずはないし。
・私の考えの方がもしかしたら少数派なのかな??
ところが、ふたを開けてみると、私と同じような否定的な考えの人が実はけっこういたのだ。「>私の考えの方がもしかしたら少数派」とは必ずしも言えなくなった。
私が推理するに、KBCが考える天気予報のUIは以下になるだろう。
・ターゲット視聴者:天気の知識があまりない素人。天気図を読めない人。
・ニーズ:
この日の天気が生活にもたらす「結果」や必要な「対応」。
背景を説明しても仕方がない。
天気図にはニーズがない。
・必要なもの:
とにかくわかりやすく結果と生活への影響を示す。
プロセスや背景は省いていい。天気図もいらない。
生活への影響をわかりやすく示す面では、確かに評価する場面もある。傘が必要か、服装は何が要るか、洗濯はどうか、ここがしっかりチャートの形で示されている。その「わかりやすく」をもっと進めようとした結果が、「演じる天気」コーナーの登場という結果になったのだろう。しかし、これは逆効果になったような気がする。私が違和感を覚えるだけではなく、「うるさい」「わざとらしい」という現実の視聴者の声も存在するのだ。
「演じる天気」コーナーの時間を何に使えばいいか?私が欲しいものを具体的に示すと、以下のブログに書いてあるような内容をわかりやすく表現するものだ。
チャート例を具体的に出すと以下になるか。
こういったチャートを、さらに一般視聴者向けにわかりやすくかみ砕いて簡単にして、視聴者が自ら天気について考えて判断に活用できるきっかけにしていく。この実現に向けたものを作り出すのがいいのではないか。
「アサデス。KBC」の気象キャスターである佐藤栄作さんも、ツイッターでは天気図を書きながら天気をわかりやすく短く説明している。また、こういった予報作成のセミナーも行っている。有料レベルのものは出す必要はない(というか出すと逆にUI的に難しくなる)ので、こうした知識をちょっとでいいので、おおざっぱなレベルでもいいので出してくれた方が、「演じる天気」よりはいいのかな…?
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