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白杖の話

これは2019年の話です。

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バス停での出来事

さて,今日は自分に起こった話をすることとしよう。タイトルの白杖はあの白杖である。決して白状の間違いではない。

ある夏の日のことだった。自分は車通りの多い道でバスを待っていた。その時はヘッドホンをつけて音楽を聴いていた。そうしているうち普通にバスが来たためヘッドホンをいったん取って乗ろうとしたところ,足に痛みがあった。

痛みはすぐ引いたので気のせいかと思った。実際自分は足を無意識のうちにあちこちにぶつけていることが多くこれくらいなら大丈夫と感じるレベルだったのだ。しかしそのあとまた痛みを感じた。なぜだ。

そして3回目の痛みが走った。けっこう強烈だったのでさすがに足の方を見た。するとなんと隣の白杖が足に当たっていたのである。そう,この白杖である。

20200719 白杖

結局特にあざができることもなかったので,その時はその人と一緒にバスに乗り込んだのだ。バスに乗る際も「右に行ってね,違うそっちは左!」みたいな声のかけ方をしていた。

結局自分はその人が降りる前に降りてしまったのでその人のその後はわからない。

白杖に慣れない人間の言い訳

ここからは言い訳をさせて頂こう。
実は,今まで視覚障害の人にあまり会ったことがなかった。そのせいもあって白杖を持った人が身近にいなかったのだ。そのせいもあって白杖を持った人を見かけた時の対処法もわからなかった。

自分はとあるド田舎出身なのでその辺を歩いていても知り合い以外の人とすれ違うことがなかった。だから,白杖を持った人が間近で歩いていたこともない。実際白杖を持った人を間近で見たのはその時が初めてだった。

自分は白杖が足に当たるまでその人の存在には全く気付いていなかった。あれがなかったら彼女は普通にバスに乗れたとして…どうなっていたんだろうなあ…と少しヒヤッとした。

雑踏の中でどうやって?

これを見て違うという人がいたら訂正のコメントをほしいのだが,白杖は障害物を見つけるためたたいて発見するためだけでなく,道路などを叩いて自分の存在を周りに知らしめるのためのものでもあるらしい。

2,3行目に書いた事を思い出して欲しいのだが,吾輩はこの時ヘッドホンをしていた上に車通りの多いところにいたため白杖の音に全く気付かなかったのである。(けっこう車の音がすごかった。)

このような人は多いのかもしれないが自分は人の多いところではヘッドホンするようにしてしまっている。音楽が好きなのもあるがそれ以上に周りの視線や周りの音が気になって動けなくなってしょうがないからだ。それでなくとももともと注意力がそこまで高くないので足に当たらなければ白杖の音に気付かないのは自分であればざらにありうる。

今回のことは自分がもう少し周りに気を付ければいいで済むのだろう。大いに反省した。

だがもし白杖が当たった人が耳の聞こえない人だったら,聞こえても俊敏に動けない人だったら,子どもの背中とかだったら…まあ色々とよくない発想をしてしまったのである。ましてや静かな道ならともかく,賑やかな交差点とかだったら普通の人だってきこえないし,視覚障害の人もおっかなくて歩けないよなと思ったのである。

かといって白杖を使わないわけにもいかない。目が見える人が気を使う以外,現段階では対処法は思いつかない。

こんな手段を使ってきくのは大いに間違っているのは重々知っているが視覚障害者,並びにその身近な人,視覚障害の教育に詳しい方,こんなぺーぺーに教えてほしい。

白杖の音になかなか気づけない自分は,あの時どう対処すればよかったのだろうか…

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