やまもり赤飯

 本日の夢はお祝いの席に出てくる食べ物,赤飯が主人公です。

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「おお,姉さん,ちょうどよかった!」
「どうしたの,お父さん」
「今日お前の旦那さんいるだろう,ご飯を食べていくように言いなさい」
「はーい。」
「兄さん!」
「うん?」
「この間昇進が決まったんだってな!」
「え?!すごい!」
「前から部長に打診はされてたんだけど…やっと決まったんだ。」
「姉さんも結婚一周年だし,今日は赤飯炊くか!」
「おお。」
「楽しみ~。」

その頃母親と妹はこんな会話をしていた。
「ねえ。父さんあんなこと言ってるけど,父さん炊飯器使えるの?」
「一応スイッチの使い方とかは教えてる…けど。」
「けど?」
「…父さん,赤飯に使う材料知ってるのかしら…?」
「…そこか。」

 これは別に父が普段無精で料理しないわけではなく,包丁使うたびに指切ったり,熱湯てにかぶって火傷したり,とにかくおっちょこちょいなので母が父に料理禁止令を出しているだけである。

「まあ,炊飯器のスイッチ入れるだけだし,今回はいいんじゃない?」
「だといいんだけどねえ。」

数時間後

「出来たぞー。」
「おおー。」
「父さん,たまにはやるね!」
「姉さんも兄さんもさすがにそれは感動しすぎだろう。俺そんなに料理できないように見える?」
母親と妹は笑いをこらえるので必死だった。

「それにしても,色つやともに素晴らしいですね,お義父さん。」
「だろう?さあ、遠慮せずに食ってくれ。」
「じゃあ遠慮なく。」
「その前に乾杯しよう!姉さんの結婚一周年と兄さんの昇進を祝って…かんぱーい!」
「乾杯!」
「…あれ,兄さん,元気ないな?昇進が不安か?」
「いや,そう言うわけでないけど…」
「あれ?姉さんも元気ない?何かあったか?」
「ううん。何もないよ?」

姉と兄の様子が変である。しかし妹と母親がその理由を言い当てた。

「父さん!赤飯に塩めちゃくちゃいれたでしょ!これ美味しくないよ!」
「え!嘘!?」
「あーあ。多分分量間違えたのね。小さじ3杯のところおおさじ3杯いれたんでしょどうせ。」

結局父のおっちょこちょいは顕在なのであった。

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