ツアーの話。

最終回。Vol.3です。
まさか3回に分かれるとは思っていませんでした。
ショップにいってミュージアムを見て
時間になって受付にいったら
「ツアーはミュージアムからスタートだよ」と言われて
トンボ帰り。


待合室みたいなところで待ちます。
この待合室も「映画かよ……」っていう素晴らしさでした。
開始時間から数分後「はじめるよー」的な掛け声があり、20名ほどの一同は
案内人の方に連れられ、一般人が行ける最深部までいきます…!
まず最初につれてこられたのは2階共有部分。
僕たちは裏側からここに来ましたが、おそらく正面玄関から入ると
階段があり、ここにすぐに上がれる場所なのではないのかな。
構造的に。

まず、驚くのが、その広さと荘厳な装飾とデザイン。
時計がほどこされた頑丈な二重の門ですが、よくみると

シックスポイントスター(六芒星)がありますね。
ほかにも、随所に意味がある装飾がされています。
そんなところに目を奪われ、心は浮き足立ち、気持ちは昂ぶっていると
解説がスタート。

詳しい話を書くととんでもない分量になるのですが
知っている限りの知識で補える話&改めて感じることが多々でした。
案内人の方が手にかけている箱ですが
ここにある立像も明確にキリスト教的な「神様」ではなく
伝説を軸としたものが中心です。
そして、大事なのは1914−1918という年式。
これは第一次大戦の期間であり、それはフリーメイソン、
特にイギリスのフリーメイソンにとっては重要な意味をもっています。
ひとつ例を上げれば第一次世界大戦中に、このロッジは敵国出身者の
会員すべてを追放。戦後もしばらくは復帰させなかったという歴史が
あります。はたして、これはフリーメイソンの基本理念である
「自由」、「平等」、「友愛」、「寛容」、「人道」に則していたのか。
難しいところですが、世界中に会員がおり、少なくとも政治や経済の
中心に近い人が多数在籍するフリーメイソンにとっては問題のひとつ
ではあります。(それが結果として陰謀論になりますけど)
なので、箱上にある4つの像は第一次大戦に関連していますが
そうなると「アルバート・パイク」(メイソンの黒い教皇!)の話と
つながる……?とか思いますが、やりすぎると与太話になるので
ここで切り上げます。(それも大好物ですが)
それより写真を見たいでしょうし。

よくみると、中央の人物はこのロッジを抱えていますね。

中央にあるバーを回転させると、中にある紙も回転して
過去のロッジの上級会員、貢献された方のお名前が出てきます。
と同時に、このロッジのグランドマスターである方のお名前が
このホールの壁に刻まれています。

さきほど、正面玄関から入れば階段があって、ここにすぐに上がれるのでは
と書きましたが、その階段にあるステンドグラスにも意味があります。
これはいわゆる「神は最初に〜」みたいな流れであり
そこにフリーメイソンの教義を入れ込んでいるというお話でしたが
合間にイオニア式とかコリント式などの石柱の装飾を入れているのが
とてもおもしろいですね。
次に箱の反対側へと移動します。
距離としては20メートルくらいはあったかな。

その反対側から撮った写真。この最奥にさっきの箱があります。
さて、こっち側になにがあるかといいますと。

レリーフがバッチバチに入った巨大な銅製の扉!
やべえ!でけえ!なんだこれ!と思っていたら
両方で約1.4トンあるそうで、片方づつ5つのヒンジで固定。
で、驚きなのが、そんな重いのに指一本で開閉できてしまうという
驚異の技術。案内人さん得意げに指一本で開いてましたが
そのときの「ギィ〜〜」って音に謎の興奮を抑えきれない……!
左上よく見ると、アークを運んでいるっぽいですよね。
いやー、やばいね!()
話が脱線する前にここの写真を置いておきます。

扉のところの天井。高い。広い。装飾すごい…!
あの電球、どうやって付け替えるの……。

床のモザイクタイルも失禁レベルの格好良さ。
さすが石工ギルド総本部、あらゆる技術が素晴らしい…!

扉上部から天井。
ここまで見てきてわかるように、案外プロビデンスの目はないんですよね。
(お土産のショップにもあまりないです。直角定規とコンパスが主です)
もちろん。プロビデンスの目は使われています(このあと出てきます)
それより、意味のあるものを、意味のあるところに、意味のあるように使う
といった石工の知識、経験、技術を感じさせるポイントが本当に多い。
さて、この銅製の巨大な扉にいよいよ入ります。
そう、そこは今回のメインディッシュ!
フリーメイソンが一斉にあつまって会議をおこなう会議場……!

が、ここはあまりに大きすぎてどう写真撮っても
その大きさや空気感が伝わらず!
動画は撮ったんですけど、さすがにそれは公にするのは
個人的にはあんまりなので、それは僕の個人Twitterにでも
放流しておきます。
なので、ちょっとかいつまんで話していきます。
まず、中央は大きく通路のように開かれ、左右にフリーメイソンリーが
座る席が劇場のように配置されています。2階席もあるよ。

そこに座ることが許可され、説明を聞くわけですが
「ここに普段メイソンリーが座ってるし、重要な大会議が開かれ…」と
若干の混乱と興奮の中、案内人はナチュラルに中央の入口側の議席に
寄りかかって解説を始めます。

いいんかい、そんなナチュラルにケツのせていいんかい!

こちらは会議場、中央にある台。
ここで儀式がまさにおこなわれるところなんですけど
コップかなにか置いたときに水分ついてましたかね…?()
さて、この台を挟んで、入口の議席と相対するように
グランドマスターを始めとするランク上位の方々が座る議席があります。

はい、ズドン。これ写真で見ても奥行きとか伝わりづらいので
明記しておきますが
入口側の席にくらべて、こちらの席は少し覆うようなイメージで
作られていて、威厳があるイメージになっています。
もちろん、装飾や使われている素材なども変わっていますが
おそらく、そういった計算のもとに席が配置され、やや急勾配な
作りになっていますね。これ。すごい。ピンスポの当たり方とかも。

正面から。
これで問責裁判とかされたら、俺は火炙りかなって思うよね。
また正面から見たときのシンメトリーとアシンメトリーのバランス含めて
完璧すぎて失禁しそうだった。

椅子にも教義のひとつである
「AVDI VIDE TACE(見て、聞きて、黙せよ)」が
刺繍されていますね。
俺も(勝手に)刺繍したい!
で。最大のポイントは「人間が座る場所ではない」んです。
グランドマスターたちがいる場所から天井に向けての写真は
コレ。

これが

天井のアール部分にバチクソに描かれているわけですよ。
重要なのはファイブポイントスター(五芒星)と
シックスポイントスター(六芒星)が向かい合っていること
プロビデンスの目はあくまで多くの中のモチーフのひとつであること
そして

天井の星の数からなにまで「全部に意味がある」ということです。
無意味な装飾など、ほぼなく「ここにある意味」をしっかりと作っている。
陰謀論とか置いておいて、ここには
「天井を高く見せる」「中央のラインの声のみが響くようになっている」
「光のまわしかた」「色の発色と置き方」「席の配置と見え方」などなど
とんでもない技術がいろいろ詰まっていますよ。
このあと質問タイムがきて、いよいよラスト。

さきほどの扉の逆サイド。
こっちはさっきとは違った趣きですね。
ここもそれぞれの役割やポジションなど明確な意図や配置があること
さらに言ってしまえばフリーメイソンの教義に通ずることであること
などの説明があり、終了。拍手で終わりとなりました。
ここまで書いておいて、基本的には間違ったことは
書いていないと思うのですが、間違ってたらごめんなさい。
と先に謝っておきます。

最後ですが。
フリーメイソンは秘密結社なのは間違いないです。
なぜなら絶対に口外してはいけない秘密があり
会員同士はそれを守らなければいけないから。
そういう意味では秘密結社。大事なことです。
もちろん、会員は政治家や経済界の人は多いうえ
世界にまたがる組織なので、政治的な話や経済的な話の相談が
されたりもするでしょう。そういったつながりももちろんあります。
それが外に出ることはありませんが、人の口に戸は立てられない。
火のないところにも煙を出そうとするヤツはいる。
それはどんな団体であれ、そういう面はあるとは思うけど
それがフリーメイソンでは陰謀論にいくのは仕方ない。
僕もそういった陰謀論大好きですし。
だけど、会員として最大のポイントはより地道な活動であり
「自由」、「平等」、「友愛」、「寛容」、「人道」を軸に
とても紳士であること。(女性会員はいません)
だから、日本のフリーメイソンにあるような
ハイソな会合とか、特別なコネクションとか、特別な地位とか
そういったことを期待したり、フリーメイソンに入ったからって
偉そうにしているやつは大間違いなわけですよ。
それはフリーメイソンの最大の教義に反しているわけです。
あと、プロビデンスの目をフリーメイソンやイルミナティ的だって
煽っている人とか。そうではないよ。と。
なにより、石工としてのプライドすげーなって思っちゃいますよ。

こんなの見ちゃうとね。
あ、そうそう。前回のこれの答えを書いてませんでした。

なんとなく、答えを考えました?
正解は……

か、か、カラテ〜!

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