知ってるようで知らなかった街、盛岡
こんにちは、津軽山野です。
つい先日、友達がバイク免許の卒検で午前中いないということで、ふと盛岡の街をふらふらすることにした。
盛岡は私の住んでいる町からおよそ2時間ほど。
学生時代は盛岡近郊の学校に通っていたので、よく遊んでいた街だ。
ニューヨークタイムズの「今年行くべき都市」に選出されて、なんとなく最近は観光客の方が多いような気がしている。
ちなみに、盛岡出身の私の母や友人たちはこの選出に「なぜ......?」とみんな不思議がっていてそれが少し面白い。
映画の町であり、城下町であり、喫茶文化の町である盛岡。
そういえば、盛岡はカメラを持って歩いたことがなかったなと思い、友人が緊張の試験を受けている間にカメラを携えて散歩することにした。
スコールに追われて駆け込んだカフェ
盛岡駅から大通りを抜けて、櫻山神社や内丸を過ぎる。盛岡城跡公園ではなにやらコーヒーフェスティバルなるものを開催していて、それを横目に通り過ぎる。スタッフTシャツを着た、おそらく学生さんらしいグループの笑顔が眩しい。
赤レンガの岩手銀行を過ぎて、肴町のアーケードの前あたりに来た時、急なスコール。
慌てて、わんこそばで有名な東家前を駆け抜ける。
と、すぐ近くにあるカフェの看板が救世主の如く輝いていた。
羅針盤。
それがカフェの名前。
駆け込んだにも関わらず、にこやかに応対してくださった店員さん(店主さんだったのだろうか)の笑顔がまた眩しい。
お店は9時からだったようでちょうど開店すぐに駆け込んでしまった。店内はまだ誰もおらず、とりあえず奥の席に座る。
紙漉きで作ったような手触りのメニューと、冷たすぎないお水を渡され、ほっと息をつく。
メニューを開くと、コーヒーのほかにホットチョコレートもあるようだった。コーヒーフェスの会場を通り過ぎたこともあり、気分はホットコーヒー。ブレンドは3、4種類ほどあって、ブレンド名の下に風味の紹介が書かれていた。
珀(はく)というこれまた素敵な名前のブレンドと季節のお菓子を注文。
店内はクラシック音楽だろうか、内装にぴったりの静かな選曲で、壁に立てかけてある振り子時計の秒針が時間を刻む音を立てる。
その後数名のお客さんがいらっしゃったが、店内が騒がしくなることもなく、皆さん読書をしたり、静かに会話したりとゆっくりとした時間が流れていた。
コーヒーとケーキが運ばれる。
美味。もうそれしか言えない。美味。
友達を連れてきたいけど、隠しておきたい。
そんな気持ちがせめぎ合うほど素敵なお店。
近くの棚には何冊か本が置いてあって、
谷川俊太郎の詩集があったので思わず読む。
素敵なお店で美味しいコーヒーとケーキに舌鼓を打ちながら谷川俊太郎の詩集を読む休日は、ここ最近の中で最も良い時間だった。
スコールも上がったので、
「必ずまた来ます」という強い気持ちと共に店を出る。
空は嘘のように晴れ渡り、もうすでに夏の風が吹いている。
レトロかわいい街
羅針盤を出て、少し遠回りをする。
盛岡は夏の空が似合う、レトロな建物が多い。
紺屋町の番屋や岩手銀行の赤レンガ、
そして個人的に好きなのは肴町のアーケード商店街。
肴町には老舗の専門店がたくさんある。
カメラ屋さん、手芸店、本屋さん、美容院エトセトラエトセトラ。看板や店名がレトロでもうキュートすぎる。レトロ看板が好きな人が来たら多分時間が溶けると思う。
以前、後輩に連れてきてもらったレストラン「アリスの海」や学生時代に友人とよく来た「茶廊 車門」がおすすめ。
盛岡に来たらぜひ。
寺町でもある盛岡
肴町のアーケードを通ってそのまま盛岡八幡宮方面へ歩く。ちなみに盛岡駅から徒歩なので結構な距離ではある。
盛岡八幡宮は三百年ほどの歴史を持つ盛岡の大きな神社。秋祭りには多くの露店が出店し、初詣ではかなりの人が訪れる。
八幡宮の大鳥居をくぐり、本殿へ続く階段を上る、後ろから吹く爽やかな風に振り向くと盛岡の町がずっと向こうまで続いている。
本殿へお参りをし、お守りを眺めていると神前式の花嫁行列が境内を歩いていた。
雨上がりの抜けるような青空のもと、花嫁さんの白無垢が美しく輝いていた。
ちなみに八幡宮周辺は寺町でもあり、散歩するにも素敵な通りが多い。
みちのく小京都とも言われる盛岡、
この辺りを歩いているとふとお線香の香りがする。
盛岡八幡宮から中ノ橋の通りを歩いて、
また櫻山神社前、内丸のあたりで足を休ませる。
友人から「合格した」とのLINEがある。
内丸にあるカフェ「Park(パァク)」で待ち合わせ。
盛岡散歩後半はまた後日。
(写真が現像から上がってから書きますね)
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