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「リトルウィッチアカデミア」とかいう化け物

はじめまして!コッペというものです。
いつもはTwitterで騒いでるアニオタですが、最近視聴した「リトルウィッチアカデミア」が、ツイートではまとめられないほど魅力で溢れていたので、こうして記事を書こうという始末です。

みんな大好きTRIGGER作品。
自分も1年前くらいに「キルラキル」を見て、一気に虜になったので、もちろんリトルウィッチアカデミア(以下LWA)にも相当な期待を背負って見始めたわけですが、これがもう想像以上に面白い。

というわけで、個人的に感じた魅力を項目ごとに分けて垂れ流していこうと思います。

"魔法"という設定の面白さ

魔法が題材になっている今作。これって可能性は無限で、やりたい放題出来てしまう設定だと思うんですよね。作り手のやり様によって美味しくも不味くもなる。
やりたい放題やるのもTRIGGER作品らしくていいですが、LWAはそんなコッテリした設定を、徹底的に深掘りして、壮大すぎず、地味すぎず、バランスのとれた形で、物語のいい"スパイス"になっているという印象です。
具体例を挙げて紹介していきます。

・12話 キャラの入れ替わりエピソード

"魔法"によって、アッコという無邪気なキャラと、ダイアナという優等生のキャラが入れ替わる話。
潘めぐみ&日笠陽子さんのお互いの特徴を捉えた演技や、画像の通り、1発で入れ替わっていることが分かる細かい表情の違いなんかも非常に面白い回です。

真反対の性格をしたキャラが入れ替わるということで、アッコが、ダイアナの日頃感じている周りからの重圧を身をもって体験する。
これがすごく大事なこと。

結局元に戻っても、いつも通りガメついて犬猿の仲ぷりを発揮するわけですが、この出来事が、今後アッコがダイアナのことを信頼するキッカケなっていると思います。
これ以降の回からダイアナに対するアッコの見方が徐々に変わっている印象で、20話のダイアナの過去エピソードや、伝説の最終回にも深く繋がっている気がします。

こんな一見トリッキーな回ですが、さりげない"魔法"を通した遊び心が、物語を大きく動かすトリガーになっているのがこの作品の特徴だと思っています。

・7話、14話 魔法とリアルの融合

実際にはこういう場面は山ほどありますが、印象に残ったのでこの2つの回をピックアップ。
7話は学校の成績で落第云々、14話は学校で働く妖精たちのストライキ。
"魔法"という、いわば我々人間の理想である"ファンタジー"と、何とも生々しい落第やストライキなどの"現実的な事柄"

この異色の融合が本当に面白い。
7話であれば、魚語を学ぶために金魚鉢に入った魚の先生や、ホウキに乗る実技試験など。
14話であれば、上限のある魔力の中で、妖精たちに割り振られる量の少なさに怒ってストライキ。

なんかこれって凄く素敵なことだと思ったんですよね。現実感溢れる事をやってるのに、実際に我々の世界では絶対こんな状況は存在しないわけで、それを当たり前のようにほんの1エピソードに組み込んでくるっていうのがとにかく好き。

これに関しては完全に個人の感じ方だと思いますが、自分には凄く刺さった部分なので紹介してみました。


・25話 変身を活用したアクション

アッコがはじめて身につけた魔法、それが"変身"。
象や亀、画像のようなネズミなどバリエーションは豊富で、その全てにおいて一目でアッコだと分かるデザインも見どころの一つです。

少しばかり宙に浮いたり、小さくなってあらゆる場所に潜入したり、使用箇所は様々ですが、これが何よりも光ったのは最終回のラストバトル。
流れるようにポンポンと変身を繰り返し、それぞれの特性を活かしながら、敵をかき分けていくほんの20秒くらいのカット。 

こういうアッコが努力して身につけた魔法を最終回で爆発させる気持ちよさ。

物語云々とかじゃなくて、単純に熱くなれる"魔法"という設定の活かし方が大好きでした。


飛び出す台詞の強さ

どんなに外見の設定が面白いとは言え、中身が面白くなくては始まらないと思っていますが、LWAはその面でも飛び抜けたパワーを持っていました。凄まじいです。
今回は自分に刺さった"台詞"を、感情だだ漏れの完全自己中の語りで、3つほどピックアップしていこうと思います。

・4話 「憧れの人になるんじゃなくて、憧れの人を支えたい」

ロッテがアッコに向けて言った言葉ですね。
幼い頃の自分を救ってくれた小説ナイトフォールの作者、"アナベル"に対する憧れを抱くロッテ。
それと同じように、幼い頃に夢を見せてくれたシャリオに対する憧れを抱くアッコ。
人間は自分が持ってないものを持っている人に憧れるというのはよく言われることで、この2人も根本的には同じことなんです。

でもロッテはアナベルになることが目的じゃない。

「自分の好きな人と同じことをやりたいわけじゃないの。私にはできないことができる人、そういう人を応援するのが私は好きなの。」

この台詞、死ぬほど共感できたんですよね。
SNSの世界でも、リアルの世界でも、なんなら色んなアニメを見ても、自分が出来ないことをやっている人やキャラクターはとことん応援したくなるし、そういう人たちに影響されて何か動き出すというのは、誰しもが経験することだと思います。

それとは対向的にアッコは、1話から終始「シャリオみたいな魔女になりたい!」と言い張っている。

ロッテは多分我々視聴者目線(自分はそう思ってる)。
それとは逆をいくアッコはやっぱり"主人公"なんだなっていう話は後でたっぷりするとして、ロッテとアッコの性格の違いをバコンと落とし込んでくるこの台詞が大好き。

後で語るキャラクターについてでも触れるんですが、ロッテはロッテの、アッコはアッコの考え方がしっかりと線引きされているのがほんと美しいです。

・11話 「夢見たものが手に入るんじゃない、一歩ずつ積み重ねたことが手に入るんだ」

アーシュラ先生がアッコに言った台詞。そしてその後、ブルームーンの夜に会える亡霊にアッコが言い放つ台詞。この回はLWAの中でも1番熱い台詞が飛び交う回じゃないでしょうか。
最高のアッコの叫びを紹介。

(亡霊がアッコの過去を犠牲にして、夢を叶えさせようとする)

ア「待って!消さないで!
失敗ばかり、うまくいかないことばかりだけど、消すのはいやぁ!」

亡「何故だ。わざわざ残しておく価値などあるまい。」

ア「泣いたり、悔しがったり、笑ったり、全部私だもん。誰のものでもない、、自分がやってきたことだもん。一生懸命だったもん。消したりしない!」

亡「良いのか、シャリオになれなくとも。」

ア「なれる!自分で頑張ってすごい魔女になる!先生が教えてくれたから、、"夢見たものが手に入るんじゃない!一歩ずつ積み重ねたものが手に入るんだ!"」

こんなの泣きます。
潘めぐみ最高すぎます。
多分アッコがここまで真面目に感情剥き出したシーンは初めてな気がします。念願のシャリオになれるチャンスが目の前にあるのにも関わらず、一切迷うことなく、今を残して一歩ずつ積み重ねる選択をする、そのアッコの直向きな姿勢がなんと素敵なことか。

特に「全部私だもん!」あたりの台詞が気に入ってます。過去の失敗も全て自分の一部になっている、それを全て経験に変えて、その全てを乗り越えて、アッコは今のアッコになっている。

LWAはそういう一つ一つの積み重ねをものすごく感じるんですよね。アッコだけじゃない、キャラクターや物語が変化していく過程も、単話構成に見えて全てが繋がってて、ラストにぶち上げる。まあこれまた後で語りますが、この台詞を体現している物語だから面白いんだろうなって思います。


・12話 「誰かと自分を比べたりしないで、あなたにはあなたにしか出来ないことがある」

アーシュラ先生がダイアナの凄さにいじけるアッコに向かいシャリオとして言い放つ台詞。

1番近くでアッコが地道に努力しているのを見てきたキャラクターの1人であるアーシュラ先生。
もちろん終盤で明かされる自分がアッコの魔力を奪ってしまったということに対する罪滅ぼしもあるかもしれないけど、ここまで真っ直ぐ台詞を吐かれると流石に刺さります。

人間だったら他人と自分を比べてしまうのは当然。
さっきの話にも繋がりますが、無邪気でとにかく突っ走るアッコですら、こうしていじけてしまうくらい、他人に対する"嫉妬"という感情は強烈なものです。
自分もこういうことで悩むことが非常に多いので、この台詞を聞いた時、自分の中で何かが大きく変わるくらいのインパクトでした。

またまたこれも後で語りますが、次の13話で、地道に積み上げた努力は、アッコにしか出来ないことをこなして始めて実を結びます。自分を見つめ直すことによって大きく変われたアッコ。この台詞はアッコにとっても自分にとっても、動き出すきっかけとなるキーワードだったと思います。


キャラクター

個人的にこの部分こそが、LWAの1番の魅力だと思います。
無邪気でやかましくて、でも夢に向かってひたすらまっすぐなアッコ。そんなアッコの最初の周りからの評価は完全に問題児扱い。
しかし失敗を重ねて成長していく、その姿が周りに大きな影響を与えて変わっていく過程が本当に素敵なんです。

でも実際のところ、最終回を見て思ったのは、あれ?みんな大きな部分は変わってないなって。

もちろん細かい部分は変わっていると思います。でもその人物の性格、ダイアナだったらあの厄介そうな優等生感、アマンダだったらヤンチャそうな感じ、コンスの無口、スーシィのイカれ具合、、
アッコに影響受けてガラッと変わったな〜っていうのが1人もいないんです。

まあ、当たり前のことかもしれませんが、LWAに登場するキャラクターってこんな感じでみんなが自分の趣味だったり、目的だったりがもの凄くハッキリしてるんですよね。キャラがブレないとでも言うんでしょうか。さっき取り上げた4話でもそうで、キャラクターの考え方が綺麗に線引きされてるんです。
だからこそアッコだけじゃない、それぞれが個性豊かで理念が真っ直ぐしてるから一人一人に感情移入出来るんだ。と勝手な妄想です。

ということで、この作品を語る上で、魅力が詰まったキャラクターたちを個別にピックアップしていくのがピッタリだと思うので、お気に入りのキャラを厚目に、紹介していこうと思いやす。


・スーシィ

LWAのイカれ担当スーシィ。
感情はあまり表に出さず、毒々しさ全開でいかにも魔女という感じのキャラ、そして個人的にお気に入りのキャラの1人です。

スーシィで印象的なのは8話「眠れる森のスーシィ」

タイトルから毒々しさ全開のこの回は、アッコがスーシィの夢の中に入るというなんとも魔法らしいお話。
そしていろんな性格をしたスーシィがいることで、感情をあまり表に出さないスーシィの本心を知れるような回でもありました。

と言っても基本的には毒キノコ大好き〜って感じのスーシィのイカれ具合が、より炸裂してるだけなんですが、注目したいのはスーシィの記憶映画というほんの数分のエピソード。

スーシィの記憶をディズニー映画のようなポップな絵柄で映し出すわけで、アッコがドジをして見てるスーシィ達がゲラゲラ笑うという、これまたギャグ調の展開。でも途中から流れが変わる。

「次のは今年のベストフィルム!」

そう1人のスーシィが言って、アッコとの出会いのシーンが流れます。そしてこのほんの数秒だけ、今までディズニー風のポップな作風だったのが、線の太いハッキリとした作風に切り替わります。

アッコ「これって……」

スーシィ「このシーン大好き、これは永遠にロングランね」

アッコ「覚えててくれてるんだ!」

割と感情オープンなパターンのスーシィがこの台詞を言うこと、そしてポップからハッキリとした作風に変わることで、ふだん感情を表に出さないスーシィにとって素直で感情全てを表に出すアッコの出会いは、かけがえのないものだったんだろうなって思わされる瞬間。

現実のスーシィは全くそんな態度を出さないのに、結局出会った時からアッコのことに興味があったと考えた途端、素敵すぎてスーシィのことが大好きになりました。


まだまだ続きますスーシィ。
23話、物語の終盤でのスーシィに着目。

アッコがいなくなって、ロッテが心配するシーン。

ロッテ「どうしよう、もしアッコが戻って来なかったら…」

スーシィ「大丈夫だよ。アッコってバカじゃん。そんな難しいこと考えられるわけない。」

ロッテ「うん…」

スーシィ「大丈夫。どうせいつもみたいにお腹空いた〜って言って戻ってくるよ。」

これは個人的にそう感じただけかもしれませんが、スーシィももちろん心配してるけど、それ以上にアッコのことを信頼してる様子が汲み取れる発言だと思っています。

結局この回のラストに、アッコと再会をするわけですが、ロッテは感情を爆発させる(このロッテも最高)、それに反してスーシィは少しだけ笑ってシャイニーロッドを無言で渡すだけ。
ただのスーシィらしさ全開のセリフってわけじゃない、こんな何気ないシーンだけで滲み出てしまう、目には見えない信頼関係。たまらないです。


はいというわけでスーシィについて語ってきたわけですが、結局最後の最後までスーシィは感情を表に出さないキャラのままなんですよね。

アッコから受けた影響、アッコに対する信頼、そういうキャラクターとしての変化をを分かりやすく提示することは一貫して映し出さない。
でも細かい台詞や描写を汲み取って初めて感じるスーシィの本音。この作品はこういう部分に着目するのが1番楽しいなってスーシィを深掘りして改めて感じます。


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