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【徹底解剖!やりたいことがわからなくなる現象】~やりたいことの裏側を見る~コア学ゼミ2022年5月

毎月開催されるコア学研究所の講義を書き起こししたテキスト(有料記事)となります。

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やりたいことをやってる人=勝ち組?

今回は「やりたいことがわからなくなる現象」について、より詳しい解説をしていきます。まず「やりたいことがわからなくなる現象」は、どういうパターンがあるのか改めて見てみたいと思います。

やりたいことが多すぎて困惑するタイプもいるし、やりたいことは見つかるんだけど、モチベーションが下がってやりたい気持ちが継続できないタイプも結構います。あるいは、やりたいことを頭では考えられるんだけど、気持ちが追いつかなくてあんまり熱い気持ちにならないとか、何がやりたいのかわからないって人もいっぱいいますよね。やりたいことが出てきても、うまく進まないと結局何がやりたいのかわからなくなります。

例えば、勉強したいことが多すぎて、手当り次第に勉強しちゃって、どれも一定のレベルまでいかないタイプもいるかもしれないですね。やりたいことが多すぎて仕事にならないから、お金が一方的になくなってしまうとかね。いろいろありますね。

やりたいことがどうのこうのっていうのが、業界的にポピュラーじゃなかった時は気にする人はあんまりいませんでした。でも、最近はやりたいことをやってる人が勝ち組っていう印象が強く付いてしまっているために、やりたいことに関してのネガティブな状態に陥っていると、やりたいことをやってキラキラしてる人を見ると、自分はだめなんじゃないかって思ってしまったり、やりたいことを収入につなげていないともったいない気がするって人が出てきたりするんですね。

やらなきゃいけないことと、やりたいことのバランスが取れない。これも時代ですね。私もそういうタイプでした。やりたいこと、やらなきゃいけないことのバランスが取れなくて、ちゃぶ台返ししたくなっちゃうんだよね。やらなきゃいけないことも、やりたいことも、完璧にやりたいと思ってしまうと、タスクが単純に増えて自分で自分を苦しめちゃって、ちゃぶ台返ししたくなることは結構あるよね。

ここでもう一度考えてほしいことがあるんですけど、皆さんの今までの経験を振り返ってもらって、やりたいことっていう気持ちや概念が、自分をどんなフィーリングにするか感覚でいいので思い出してみてください。

例えば、やりたいことがありませんっていう人も、やりたいことがないことによって、どういうフィーリングにさせられてきたか?とか、やりたいことがたくさんありすぎて困るっていう人は、やりたいことがたくさんありすぎることによって、どういう状態にさせられてきた感がありますか?

自分を責めてしまう感覚になることが多い人もいるだろうし、逆に人生にワクワクするって感覚になる人も多いと思います。やりたいことがあるとかないとか、続くとか続かないとかさておき、人生においてやりたいことが皆さんにどういう影響を与えているのか、客観的に見直してみてください。

なんでもいいです。普通は…とか、こういう影響を与えてくれるに違いない…とかじゃなくて、リアルな自分の経験上で、今までやりたいことというのが、自分に対して与えている影響のパターンを見てください。

いくつもパターンが見えてくると思うんですね。それを見つけることが今回の重要なポイントになります。まずは客観的に観察をしてみてください。やりたいことが人生の中で楽しいことに変わる時もあるけど、自分のダメなところを見る人もいます。

やりたいことの裏に隠されているもの

ここでずばりひとつ結論を言うと、やりたいことっていうのは、全てにおいて手段でしかありません。どんなことであっても何かの手段になってるはずです。何の手段になっているのか潜在意識の関係性を見ていきたいんですね。

やりたいことは手段なので、やりたいことを通してカモフラージュしたいと思ってることや、避けたいと思っていることがうっすら見えてくるといいかなと思います。

やりたいことが隠そうとしているものは何か?カモフラージュしてることは何か?やりたいことによって見ないで済んでいるものは何か?人それぞれ違います。自分の場合は何かな?って、さっきの問いからもう一段深いところに入っていきます。

実はポジティブに思えるやりたいことでも、何かのカモフラージュの要素が強かったりします。スピリチュアルとか心理学とか自己啓発やり過ぎると、本当の意味でのやりたいことではなく、表面的なやりたいことでとどまってしまうんです。

やりたいことってすごくポジティブなイメージがあると思いますが、私が今ここで取り扱っているやりたいものというのは、皆さんを混乱させたり、不安にさせたり、人生を不安定にさせる種類のものです。これはほぼほぼの確率で、皆さんにとって何かをカモフラージュするためのものなんですね。

例えば、やりたいことが自分をいつもワクワクさせてくれるとか、やりたいことでいつもいっぱいになってる人は、実は人生に対する不安や虚無感、あるいは自分には何もないかもしれないっていう不足感から、自分のフィーリングをずらすとか、そのフィーリングに気付かないようにするとか、何かしらのカモフラージュになってるかもしれません。

やりたいことが続かないっていうケースも、やりたいことを続けてある程度の結果を出してしまうと、自堕落な自分でいられないって思っているからかもしれません。そうすると、結果を出せない人でいたいって働いてしまうので、やりたいことはやるんだけど、結果が出る手前で自動的にブレーキを踏むことになります。

ですから、カモフラージュしてるものとか、見たくないものを見ることが大事です。見たくないものを手放すとか捨てるっていうのはその先の話なので、まず何をカモフラージュしてるのか?何から自分の目をそらそうとしてるのか?見つけてみてほしいですね。

まず気付くだけでいいです。落ち込まないでね。そこで気づいた見たくないと思ってた感情は、自分のことを傷つけたり困らせたりしません。最後にちゃんとオチありますので、とりあえずパンドラの箱を開けるだけって感じで、ちょっと見てくださいね。

やりたいことがない・やりたいことがありすぎる

やりたいことがないとか、やりたいことがわからないことによって、人生に対する希望を見ないようにしている場合もあります。結構多いのは、やりたいことがはっきりしないってことによって、普通でいられるっていう場合です。

例えば、すごく変態的な趣味とか、すごく変な自分を隠し持ってるんだけど、それが出てしまったら出る杭打たれるとか、目立ってしまうのが嫌だなとか、そういう自分を生きるのが面倒くさいとか、無意識にそういうのがあると、やりたいことを見つけてしまってはいけないですよね。

やりたいことを見つけてしまったら、自分の変態性とか自分の中の変な部分がバッて飛び出して収集がつかなくなってしまうんじゃないかとか、普通の人間でいられなくなるんじゃないかっていう、マニアックな自分を押し殺すためにやりたいことがわからないモードにして、自分の安心を保っているケースも結構あります。

人生に対する自然な喜びの方向性とか、素敵だなって思う心のときめきが他の人と違うベクトルを持っているから、そこを解放してしまったらみんなに合わせられないんじゃないかと思ってる人は閉じますよね。

自分の素直な心のベクトルがみんなと同じ方向を向いてる人だったら解放しやすいけど、明らかな癖とかフェチみたいなのを持っていたら、それを解放してしまうと心がときめくけど、周りとは協調できないってことが起きてしまうから、それを見ないようにするために心のときめきを閉じ込めるというケースもたくさんあります。

変な自分を出さずに済むように、安全なカテゴリーからやりたいことを大量発生させている場合もあります。卵をたくさん産むんだけど、全部有精卵じゃなくて無精卵なので全然孵化しないみたいな。そういう感じでやりたいことを大量にポンポコ生み出すけど、実は中身がないっていうことがあったりします。

やりたいことのど真ん中に行かないためにそうしている場合もあります。恋愛でも、本当に人を好きになるのが怖いから手当たり次第いろんな男とか女と遊ぶみたいなことって結構あるんですね。

私自身、10年以上いろんな人の潜在意識を見てきて出た結論は、やりたいことがモルヒネ的になっていることが結構多いですね。感覚が麻痺するみたいな感じです。コンフォートゾーンの中に自分を留めておきたいために、自分の集中をそらすべく、やりたいことがあっちこっち飛んでくる感じしこたま出てくるケースもとても多いです。

自分の感覚を麻痺させてカモフラージュさせるんですね。感じたくないと思っている痛みとか、感じるのが怖いなと思ってるフィーリングとかを麻痺させるために、一時的に与えられる高揚感や幻想が、やりたいこととして生まれてることが結構あります。

例えば、1ヶ月間とか半年間っていう短い期間の中で、やりたいことないなとか、やりたいことありすぎてどうしようとか、やりたいことに苦しめられたことが何回もあるとしたら、それはやりたいことが感覚を麻痺させるための手段に使われてるんじゃないかと思います。

何かから逃げるためにやりたいことがどんどん脳内に出てくるケースもあるし、逆に何もしない自分でいるためにやりたいことがわからないっていう場合もあるし、やりたいことが人生に影響を及ぼすこともあるし、いろんなケースがあるからひとつとは言えないですけど、そういう仕組みだよってことをまず押さえてください。

やりたいことと自分の価値を切り離す

次に、ポリヴェーガル理論と言われる神経学の話をします。私はポリヴェーガル理論が大好きなんですけど、わかりやすいかどうかは別として、身体学とか、精神的なところに関与している交感神経・副交感神経の話が出てきます。

今回皆さんが知っておくといいかなと思う話をひとつだけします。人には防衛本能がありますよね。例えば、急に何かが飛び出してくるとか、体験したことのないことを体験することになって恐怖心が湧いてくるとか、いきなり何かに攻撃されるとか起きると、パニックもそのひとつなんですけど、そういう防衛本能が誰しもあります。

一般的には、防衛本能って何かに対する強い拒絶感とか、被害者意識になって相手を攻撃するとか、急に怒りが湧いて怒鳴り散らすとか、そういったのものもある種の防衛本能なんですね。

心と体が緊張状態をずっと続けてしまったり、幼少期の体験による蓄積だったり、心身が凝り固まっていると防衛本能が出やすいんですが、実は闘争とか防衛本能はほとんどが交感神経が優位になりすぎて出てしまうものなんです。

皆さんおそらく自律神経失調症とか聞いたことあると思います。交感神経と副交感神経のバランスが大事とか、交感神経優位のモードをなるべく抑えてねとか、リラックスとかふわっと穏やかにとか、瞑想して心のテンションを整えましょうとか聞いたことあると思うんですね。交感神経優位過ぎると睡眠の質が下がったり、体調にいろいろ影響が出たり、普通にあると思います。でも、実は副交感神経にも防衛本能があるんだよっていう話です。

リラックスや穏やかな状態を作ってくれると思われている副交感神経ですが、過剰になりすぎると防衛本能が出てきます。乖離現象とか擬死とか。擬死とは、偽物なんだけど疑似的に死んだ状態みたいな感じになります。

防衛本能なので、生き抜くために全エネルギーを最小限まで下ろす、全てのボリュームを下げる反応になっちゃうんですね。レコーディングとかで音響さんが機械のボリュームが全部下にさがるイメージです。要するに副交感神経優位の防衛本能が現れると、ボリュームが全て一気にシュンって下がるんですよ。

生きている中で、自分の人生や現実に対して、みんな反応して生きてるわけなんですけど、反応ってすごく生命エネルギー使うので、心が元気じゃないと反応できないんですね。

だから、全ての生命エネルギーのボリュームが最小限になると、どんなことにもやる気は出ないわけです。そんな状態でやりたいことなん出てくるはずがありませんよね。やりたいっていう気持ちそのものにエネルギーが使えなくなるということなんです。

やる気が出ないとか、あらゆることがどうでもよくなってしまう時は、実は副交感神経が優位になり過ぎています。本来、副交感神経は人をリラックスさせたり、血流をよくしたり、消化機能を働かせたりする役割を持っていますが、それが働きすぎると生命の危機に差し掛かってしまい、あらゆるもののボリュームが最小限になるという現象が起きます。そういう時、防衛本能の一種として、やりたいことが急にわからなくなる場合があるんですね。

その時、自分はやる気がなくなったととらえるのか、いまは防衛本能が作動してるから、人生に対する能動的なエネルギーが最小限まで省エネされてるととらえるかによって、全然変わってきますよね。

ですが、やりたいことがあるとかないとか、やる気があるとかないとか、どれだけいろんなものにワクワクしてるかどうかとか、そのまま自己評価に直結しやすいんですね。そういったモードを自己評価につなげる前に、もうちょっと引いた視点で見てもらうと、自分の防衛本能とか交感神経や副交感神経のバランスが悪くて、そのようなモードになってるととらえられるんですね。人生に対してやる気がない人間ってわけではないよね。

自分自身がそのモードに入ってることを客観的に認識したと同時に、自分はそういう人間ではないと、自己評価やセルフイメージと自分の状態を意識的に切り離す必要があります。これは皆さんがやりたいことに苦しめられたり、混乱させられたり、やりたいことによって不安が作られたりしている場合も同じです。

葛藤とか混乱とか混沌から抜け出して行く最初の超大事なステップは切り離すことです。積極的に意識的に何度でも切断すること。これが冷静に客観的にできるように必要なのが、知識とか知恵なんですね。

やりたいことが人生に何個あろうと、それはあなたではない、という感じです。自分の価値と自分の存在そのものの定義、自分とはこういう人間だみたいなところと完全に切断してください。関係ありません。

自分はやりたいことがいっぱいある人だみたいになると、やりたいことがなくなった時に混乱しますよね。やりたいことがわかっている方が人として価値があるみたいに紐づけしてしまうと、どんな場であれ、どんな状態であれ苦しくなります。

やりたいことがある時はいいかもしれないけど、なくなったらしんどくなったり、責めてしまったり、やりたいことが消えてしまうんじゃないかっていう怖さがあると、やりたいと思ったことをスタートさせられなくなったりしますよね。

「自分はやりたいことがわからない人ではなかった」ってことが言いたかったの。やりたいことがわからない瞬間とか、やりたいことがわからないモードとか、気が出ないモードもあるけど、そういう人ではないんです。

スピリチュアルとか自己啓発の中で多発している、魂のやりたいこととか、自分の心がやりたいこととか、自分がワクワクすることをやろうってことが、本当の意味でどういうことなのか、わかった上で人生に取り込んでいくことができるんですね。

「ワクワクすること」の本質

じゃあ、スピリチュアル的な法則や宇宙の法則とか自己啓発の世界で言われる「ワクワクすることをやろう」ってどういうことだと思いますか?という話を最後にしていきます。

まず前提として、私たちは一個人として生きていますが、大きな流れというのがあります。天体の流れと考えてもいいし、社会の流れとか宇宙の流れと考えてもいいんだけど、私の言葉だと「大いなる流れ」というのがあります。

その全体の流れとともに私たちは個人の流れがあって、イメージで言うと、大きな川に自分の船があって、それに乗って大きな流れと共にプライベートな流れもあるという感じです。やりたいことっていうのは、大きな流れの中で自分の船がこいでいるエリアだったり、大いなる流れのどのポイントにいるかによって、自分の見える景色が変わりますよね。

船に例えると分かりにくかったら、大きな流れの中に自分がいて、その流れの中で自分の個人の人生の流れもあるということです。その中で、その瞬間とその瞬間にしかない景色とかその瞬間にしかないホットなタイミングの何かがそれぞれにあるんですね。

手前にいた時に見える景色と、進んだ時に見える景色って違うので、イメージで言うと、その瞬間にしか見えない絶景の景色をバシャバシャ撮ったり、大きな流れの中でその場所でしか食べられないものを食べるとか、その場所でしか体験できないものを体験するっていう最高の出来事とか、その瞬間の最も旬でベストなものがあるんです。このベストを拾っていこうよっていうのが、やりたいことをやって生きていこうよっていう話なんです。

大いなる流れと共に生きてると、最高のフルコースがほぼ全自動で自分のテーブルの上に置かれるイメージなんですね。前菜から始まるフルコースがどんどん人生を通して入ってくるので、そのフルコースに身を委ねてひとつひとつしっかり食べてるんですよ。フルコースって最高に計画されて作られているから、この前菜にこの副菜みたいに、前後の関係性がパーフェクトなんですね。

これが反対になっちゃだめなわけです。フルコースが始まった瞬間に、こちら先に召し上がっていただきたいものですって、ステーキが来たらどうですか?別にいいかもしれないけど、そうじゃないよね。なぜステーキの順番はそこなのか、シェフによって計画されてるわけだよね。

やりたいことっていう種類のワクワクもそうなんですけど、最高に仕立ててもらっている人生の大きな流れの中で、最高の順番がある中で、順番が入れ替わったり、3個ぐらいあとに来るメニューを先に食べようと焦って無理に手を伸ばしたり、焦って他のことをやらなきゃって料理が次々に運ばれてくる席を立ち上がってしまったり、他のとこに行ったり、そういうことが起きることがあります。

だから、ワクワクするっていうセンサーは、大いなる流れの中で「旬」のことです。いまあなたの目の前のテーブルにあるので、冷めないうちに食べてくださいね。食べ終わったら次が来ますよっていう、いまのあなたにとっての最高の旬のものをワクワクというセンサーがお知らせしてくれるわけです。

そういう意味で、もっと気楽にナチュラルに自分の心のコンパスに素直になってみると、いまの自分にとっての旬がわかるんですね。

旬のものっておいしいですよね。京都だと夏に「はも」を食べるんですね。梅雨明けしたあとの「はも」はすごくおいしいんだけど、ゴールデンウィーク前ぐらいまではたけのこが旬だったよね。旬に食べるとたけのこって本当においしいよね。冬になったら大根の旬になるよね。要するに、旬な時に食べるのが一番栄養素があって一番おいしくて一番ハッピーなわけ。

つまりワクワクっていうセンサーは、旬のものをちゃんと味わうためのものだから、ワクワクすることをやっていると成功するかどうかはさておき、少なくとも幸せなんです。これだけは確実です。

大事なことは自分の席を立たないこと

違う言い方をすると、ワクワクすることをずっとやってたからって言って、社会的な意味でビジネスが成功するかどうかは別の話です。ただ、ワクワクのセンサーを使うと旬をとらえることができるので、少なくとも確率は上がります。

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