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唯一のまことの玉

唯一のまことの玉



 ある玉細工師がいた。いつも男の装(ナリ)をしていたので誰も女とは気づかなかった。たいそう美しい男だった。町ではうすみどりの洒落た服と帽子で女たちの吐息をさそう伊達男。いつも女と寝、男とは決して寝なかった。
 かれはみどりの瞳をもっていた。おお、勿論それはまことの色だった。どんな草木にもあの色は宿るまい、神の色、ヴァルダナ湖の水面の色だ。だがかれは詐欺師だった。まことの玉をかくし、売られる石

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