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わたしたちの毎日なんて、上手くいかないことばっかりだ——『泣きたい夜の甘味処』を読んで

いしかわゆきさんの『書く習慣』という本を読んではじめた、『「書く習慣」1ヶ月チャレンジ』。本日は9日目です。

Day 9 「最近泣いたこと」

先日仕事帰りのバスの中で本を読んでいたらうっかり涙ぐんでしまって、座席でひとり鼻をすするちょっとあやしい人になりました。今日はその本のお話です。

『泣きたい夜の甘味処』中山有香里/KADOKAWA

『疲れ果てたサラリーマンとドーナツ』というプロローグからはじまるこの本。
おいしいものを噛み締めるときって、それが、「疲れ果てている」ときならなおさら、なんか、ほろっときてしまう。

仕事が上手くいかなかったり、大切な人を喪ってしまったり。

とある町の片隅に
ひっそりと佇む一軒の甘味処。
熊と鮭が営むこのお店は
夜中しか営業していません。
提供するのは温かい飲みものと、
甘いもの一品だけ。
今夜も、疲れて泣きたい人々が
この店に迷い込みます。

『泣きたい夜の甘味処』巻頭

お店にやってくる人と一緒に、読んでいるわたしもつい泣きそうになってしまう。家で読んでたら泣いてしまってたと思う。

出てくる甘味と登場人物の状況とがマッチしている、というか。

『私だけのパフェ』というお話は、小さい子を連れたお母さんがお店へ。
この日の甘味は「”あなたの好きなものだけでパフェ”を作ります」というもの。

久しぶりに自分のための選択をした、自分の好きなものばかりで恥ずかしい。と思う彼女への鮭さんの言葉。

全然いいんですよ
パフェの由来は”パルフェ”つまり
“パーフェクト”(完全な)
どんな選択をしたっていいんですよ

『泣きたい夜の甘味処』私だけのパフェ

自分が納得できたらそれでOKなのでは? と「完璧」の概念からそっと遠ざけてくれた。

完璧って結局なんなんだろう。
それは、『書く習慣』のいしかわゆきさんも言っていた。

完璧を追い求めることと、こだわりを持つこと。妥協することと、ほどほどでも納得すること。
似ているようでも全く違うんだよなあ。と思う。

上手くいかないことって、たくさんある。そんなことばっかりだ。
自分を責めてしまったり、落ち込んでしまったり、何かを諦めてしまったり。

でも、そんなときに自分をゆるめる何かがあれば。少しくらいは、1日くらいはがんばってみてもいいかもしれない。と、思える。それを繰り返していけば、この先も生きていけるかもしれない。

ちなみに今日、6/28は「パフェの日」だそうです。
パフェ、しばらく食べてないな。今度、わたしなりのパーフェクトを探しに食べに行ってみるのもいいかも。

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