ウミネコ

午後、なすちゃんとちょっとだけ打ち合わせ、
海のそばでひととおりを演奏してみた。

なすちゃんはドラムスティックでカバンを叩く、しか出来なかったけど、
それだけでも、本番は大丈夫と思えた。
リラックスして、のびのび、出来たらいいな。

演奏の盛り上がるところ、?
大事な言葉のところ?
わからないけど、
時々ごーっと風が吹いたり、鳥が鳴いた。

顔を上げてみると、
歌詞とちょうど同じように、
雲の下に太陽があるのが見えたり、
中学生の時に見たのと同じような、カモメかウミネコか、あの鳥が飛んでいた。

あの時のあの鳥のわけもないのに、同じだ、と思った。

中学生の時、ここで本を読んで、ウォークマンで音楽を聴いて、お弁当を食べて、時間をつぶして家に帰った。
この場所は、あの頃と、不思議なほど変わっていなかった。
大通りから離れた、誰も通らない細い道。
植え込みに隠れるように座れる階段があって、そこに座る。
誰にも見つからない。

まちじゅう、どこもかしこも、
前は何があったかもわからないほどなのに、
ここは何も変わってなかった。

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